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第0話 神への第一歩

 俺は、朝六時に起きて用意されている飯を食う。で、広い野原でみんなとしばらく駄弁る。

 しばらくすると呼び戻されて家に帰り、寝る。


 次の日も、また次の日も、またその次の日もおんなじように過ごす。

 別にそんな毎日が退屈だと思っていなかったし、俺にとってはこれが当たり前だった。


 ある日、起床時間より少し早い午前五時くらいだったと思う。

 なんか眩しいな、って目を開けたら目の前に中年の肥満体型で脂で顔がテカテカの男(以下デブ男)と、その男の一、二歩後ろにめちゃくちゃ美人でサラサラの黒髪ストレートでスタイルが良く制服を着てるししかもローファーを履いていて、黒縁の長方形タイプのメガネをかけていて一見地味な委員長タイプぽいんだけど瞳や唇仕草などから育ちのいいお嬢様感をただよわせているのにも関わらず女王様っぽさもただよわせていて超ストライクな猫がいた。

 俺が、めちゃくちゃ美人でサラサラの黒髪ストレートでスタイルが良く制服を着てるししかもローファーを履いていて、黒縁の長方形タイプのメガネをかけていて一見地味な委員長タイプぽいんだけど瞳や唇仕草などから育ちのいいお嬢様感をただよわせているのにも関わらず女王様っぽさもただよわせていて超ストライクな猫様に釘付けになっていると、デブ男が俺に話しかけてきた。

「やあ、僕の言葉が理解できるかい?」

 !?

 なぜだ! 俺が中年のデブ男なのにもかかわらず僕が一人称のやつの言葉を理解できる!?

 俺は、動物はわかるけど人間の言葉は理解できないはずだ。

「君が驚くのも無理はない。このお方は神。すなわちこの世の全ての頂点に位置するお方。君が言葉を理解できるようにわざわざ合わせてくれているのだ。感謝し、敬いたまえ。私はこのお方とあーんなことや、こーんなことをしている秘書だ。ちなみにリンという。以後お見知りおきを」

 リンちゃんっていうのか。やべぇ、名前も超ストライク! つうか、説明してくれるなんて優しすぎる!

 

 …とりあえず、落ち着いてリンちゃんが説明してくれたことを整理すると、


・目の前のデブ男は「神」

・超ストライクのリンちゃんは神の秘書

・神とリンちゃんはできてる


 …ンモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


 超ストライクの猫様がこいつの秘書!?さっきは突っ込むの忘れて普通にスルーしたけあーんなことや、こーんなことをしているだと!?

 そんな…、嘘だろ? 俺にも春が来たと思ったのに・・・。理不尽だ! なんなんだよ! 女はやっぱ金か!? 地位か!? 容姿・・・は違うよな。うん。

 俺が頭を抱え悶えていると神とやらが鼻で笑いやがった。

 なっ! くそっ! マジで何なんだこいつは! あ、神か。

(どうだ? うらやましいだろ。見た目がこんなんな僕なのに金や地位がお前より上なだけで

こんな美人なやつとあーんなことや、こーんなことができるんだぜ? くやしいだろ~。プププッ)

 こいつ! 俺の脳に直接語りかけてきやがった。しかもめちゃくちゃ腹立つ笑い方!

 とりあえず落ち着け俺。ここで神に切れたら確実に俺が負けるし、リンちゃんに嫌われて好感度を下げるわけにはいかない。

 へい、落ち着け俺。クールダウン。

「…俺に、なんのようですか? 神さん。

まさか、わざわざ、自慢しにきただけじゃ、ないですよね」

 少しおかしくなった気がするけどまあ、よく我慢した俺。

「自慢しに来たっていうのもあるけど、僕たちは今実験をしていてね」

 こいつ自慢しに来たって言ったなくそっ。

「で、実験てなんすか?」

 俺が少しイラつき気味に言うと、

「貴様! すこし口の利き方に気をつけたまえ!」

「リン。僕は大丈夫だから落ち着いて」

「ああ…、なんて寛大なことでしょう」

 モオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

 今、今! リンちゃんの顔が赤くなった! しかも目がとろんとしている!

 何?え?まじで?本当に神に惚れてるの?うそ?やだ。


「神さん。早く要件を言ってください」

 これ以上いちゃつく姿をみたくないので急かすように行った。

「ああ、まだ要件を言ってなかったな。んで、要件はお前を人間にしてやる」

 …え? 俺が? 人間になれる? 何言ってんの? どうしっちゃた?  この神とやらは、頭がおかしいの? 

「人間になったお前はリンのようなやつを落としてハーレムをつくってもいいし、剣を片手に討伐士、はたまた杖や魔道書を片手に魔術師とやらになってもいい。つまり、好きに過ごしていいぞ。魔術とか人外は俺にかかれば朝飯前で用意できるしな。

さあ、お前はどうする?」

 え?人間だと?人工膣で種だけ搾り取られるという悲しい牛の俺が?

 しかも前、友達から聞いて興味があった剣と魔法の世界でしかもハーレムだと!?


 当然俺は迷わず答えた。


「剣と魔法の世界で、ハーレムをつくる!!」


 俺が叫ぶように言うと神は笑った。

「ハハッ お前のようなおもしろい牛は始めて見たよ。お前の強さは欲の強さに比例して決まる。お前ならもしかしてもうひとりの神になれるかもな。いや、なるだろうな。じゃあ行ってこい! また会おうぜ! ちなみに人間界の常識を少しだけ与えてやるから足りない分は自分で身につけろよ!」

 辺りが眩しい光で包まれる。最後に見たあいつの姿はイケメンに変わっていた。


 …なんだ、あいつ本当はイケメンじゃん。

 最後にそう思って意識を手放した。


 この日を境に俺は牛の人生に別れを告げ、神への道を歩みだした。

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