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『5階にトラック突撃!?ポンコツ女神の使役権と地球通販を得た医学生、辺境の村でワスプ薙刀と現代医療を駆使し最強防衛ライフを始める』  作者: 月神世一


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10/20

EP 10

医学生の真骨頂!現代医療チートと、最強の村医者誕生

『ピロリロリロリロリロォォォォォンッ!!!』

戦場と化したポポロ村の広場に、システムが放つ神々しい黄金の光が降り注いだ。

光の粒子が収束し、優太の目の前に「それ」が実体化する。

ズンッ!

土煙を上げて現れたのは、強化プラスチックとチタン合金で覆われた、米軍特殊部隊用の『ポータブル野戦手術キット(最上位モデル)』だった。

「……ッ! 来た!!」

優太は迷うことなくケースのロックを解除した。

中には、滅菌済みのチタン製メスやペアン(止血鉗子)、戦傷救護用の超強力な先進止血剤クイッククロット、そして小型バッテリー駆動の自動バイタルモニターまで完備されていた。

奇跡のSSR排出。これなら、いける。

「ネギオ! お前、執事検定1級を持ってるなら手先の精密作業は完璧だな!?」

「あ、ああ! ミリ単位の給仕も可能だが……!」

「俺の助手(第一助手)をやれ! まずはこのアルコールで手を消毒しろ!」

優太は消毒液をネギオの木の手にぶっかけ、自身も瞬時に手袋サージカルグローブを装着した。

医学生としての膨大な知識と、絶対に命を救うという執念が、優太の脳を極限までクリアにしていく。

「傷口を開くぞ! ネギオ、開創器で視界を確保しろ!」

「承知した!」

ネギオの動きは完璧だった。無駄口を叩かず、優太の指示よりもコンマ数秒早く必要な器具を差し出してくる。世界樹の端末としての処理能力と執事のスキルが、最強のオペナースを誕生させていた。

「木片を抜く。出血が噴き出すぞ……3、2、1、抜去!」

木片を引き抜いた瞬間、破損した動脈から鮮血が噴き上がった。

しかし、優太は全く動じない。

「クイッククロット(止血剤)投入! ペアン(鉗子)!」

バシッ、とネギオから手渡されたペアンで、優太は血溜まりの中から正確に損傷した血管を摘み、出血を物理的に遮断した。

野戦病院さながらの神速の応急処置。ためらいのないメス捌きと、手品のようになめらかな縫合技術。

「……よし。血管の縫合完了。バイタル安定。……峠は越えたぞ」

優太が最後の一針を縫い終え、血まみれの手袋を外して大きく息を吐き出した。

青年リョウの顔色に、わずかだが赤みが戻り、穏やかな寝息を立て始めている。

「「「おおおおおぉぉぉぉっ……!!」」」

息を呑んで見守っていた自警団や村人たちから、地鳴りのような歓声が上がった。

致命傷を負ったはずの若者が、見ず知らずの青年の「未知の魔法(医療)」によって、文字通り死の淵から引き戻されたのだ。

「優太さん……! ありがとうございます、ありがとうございます……!!」

リョウの弟が、優太の血まみれのズボンにすがりついて号泣している。

「気にするな。……俺は、医者を目指してるんでね」

優太が照れ隠しに頭を掻いた、その時だった。

『ピロリン♪』

『ピロリロリン♪ ピロリロリロリロリロォォォォォンッ!!!』

優太の視界の端で、電子ボードが狂ったようにファンファーレを鳴らし始めた。

【善行判定:絶望的な状況下における、極めて高度な『人命救助』を達成しました】

【ボーナス獲得:+50,000 GP】

【称号獲得:『村の救世主』】

(ご、ごまんポイント……!?)

カレーの餌付けとは桁が違う、文字通りの「命の重さ」が数値化された瞬間だった。

これだけあれば、地球の最新医療器具もサバイバルギアも、しばらくは出し放題だ。優太は思わず天を仰いだ。

「ふぁぁ~あ。んん? なんか広場が騒がしいわねぇ……って、うぎゃあああ!? オークの死体の山ぁぁ!?」

そこへ、昨晩の大吟醸ですっかり二日酔いになったルチアナが、目を擦りながら芋ジャージ姿でのこのこと現れた。

その後ろには、同じくフラフラのキャルルとルナ、そして「オークの持ってたお肉(携帯食料)落ちてないかしら」と地面を這いつくばるリーザの姿。

「優太ぁ! アンタ何勝手に激しい戦闘してんのよ! 二日酔いの頭に響くじゃないの!」

「……お前らという奴は、本当に良いご身分だな」

優太は呆れ果ててため息をついた。

だが、そんな優太の前に、村長であるキャルルが居住まいを正して歩み出た。

「優太。二日酔いで寝坊した村長を許してちょうだい。……そして、村を守り、リョウの命を救ってくれて本当にありがとう」

キャルルは、ウサギ耳をペタンと下げて深々と頭を下げた。

ネギオも、自警団の面々も、村人たちも全員がそれに倣う。

「中村優太。あなたのその『戦術』と『未知の治療術』……そして何より、誰も見捨てないそのお人好しな心を、私たちポポロ村は必要としています」

キャルルが顔を上げ、満面の笑みを向けた。

「今日からあなたを、ポポロ村の『専属医』兼『自警団戦術顧問』として正式に雇い入れたいわ。……もちろん、お給料は美味しいご飯と、ウチへのタダ住みでどうかしら?」

「……タダ住みで、三食付きか。悪くない条件だ」

優太がワスプ薙刀を肩に担ぎ、ニヤリと笑い返す。

「わぁい! 優太のご飯が毎日食べられるのね!」とリーザが歓喜の舞を踊り、ルナが「私もお手伝い(天然テロ)するわ」と微笑み、ルチアナが「じゃあ今夜は祝賀会で大吟醸ね!」と叫んで優太に蹴り飛ばされる。

こうして、現代の医療と戦術を持つ医学生・中村優太の、理不尽で騒がしくも、最高に熱い「ポポロ村防衛ライフ」が、本格的に幕を開けたのであった。

――【第1章:ポポロ村定住編】 完 ――

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