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【削除予定】喋る埴輪と除霊師稼業  作者: 豚煮豚


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3 除霊の仕方


そもそも除霊とはどのように行うのか。

そのやり方は非常にシンプルだ。

①幽霊の正体を突き止める。

②その幽霊と会話をしてなだめる。

③幽霊にあったアイテムをサキタが使って除霊をする。

④別の幽霊に取り憑かれないような結界を張る。


この四行程を終えることで除霊師の仕事は終わりとなる。問題となるのは①~③までで、④になるともはやおまけみたいな物だ。


幽霊にも様々な種類がいる。

低級の神様の霊。

地縛霊、浮遊霊。

もののけに妖怪に怨念、その他諸々。

とにかくそれぞれの幽霊によって対策は異なるので、由良はデカイキャリーケースを持ってここまで来ていたのだ。マウンテンバイクのようなタイヤをしたキャリーケースを。



一軒家の外にいた二人はこれからの作戦を軽く話し合っていた。中に入ってしまうともう危険なことが起こるかもしれないので、簡易的な結界を張ったスペースで話をしておく。

森の側にあるそこの四方には盛り塩が置かれていた。それを使うことで霊が近づけないようになるのだ。もちろん、あまりにも狂暴な霊だと破られてしまうが。



この一軒家には二階がある。

今も窓からなにかがこっちを見ているような気がして怖い。

まぁ、始まったら怖いだのなんだのは言っていられない。

とにかく足を踏み入れたらもう除霊に専念するのが一番いいということだ。やるべきことをやるだけでしかない。お金をもらってるんですからね。


「どうしたもんかね。なんだっけ?なんの噂があるんだっけ?」


「ここは一家心中だ。で、起こっている現象は精神異常に、ポルターガイスト。他にも、ラップ音なども確認されているらしいぞ」


「なるほどね。尾ひれ背びれ付くもんだからあんまり断定はできないけど、それなら怨念、地縛霊系の面倒な奴になっちゃうな」


大きく分けて幽霊には二種類いる。


イタズラをしたい奴と、マジで呪ってやろうとしている奴。


当然のように怨念、地縛霊系は後者だ。


呪い殺してやろうとしているタイプの霊だ。


「となると、一家心中もソイツらの仕業の可能性があるな」


「まだわからんぞ。精神異常を除けば低級神でもあり得るからの」


「精神異常は単なる噂ねぇ。まぁ、とにかく調べるか」


二人(埴輪も一人と数える)は一軒家の中にようやく入る。

そして、放置されて土煙で汚れた床を土足で歩くのだ。

一軒家には数年前のカレンダー、動かなくなった時計。

他にも生活感のある物がたくさんある。一生懸命掃除をすればまだ住むことができそうな程度の汚れで、二人は少しだけ安心するのだった。


「この感じだとそこまでだけど、どう?」


「そうだな。俺もそこまで悪い予感はしていない。足を踏み入れたのに拒絶されていないということは、やはりそこまでの霊ではないか、それとも――」


「歓迎されてるか、ってことだね。まぁ、それはそれでやりやすいからいいんだけどさ」


幽霊に歓迎されているということは仲間に誘われているということ。


当然だが、幽霊の仲間になるということは幽霊になるということだ。


なので、歓迎されていることは全然よいことではないのだ。


だから、どちらかと言えば気配がしない分そっちの方が厄介だった。



二人は時が止まったままのリビングに辿り着く。「時が止まった」とはいえ、そこに一家心中の痕跡などは残されておらず、全てが綺麗に掃除されている。

だから問題となるのは基本的に虫だった。家主が居なくなった家に寄生しているような虫たちがここには無数に蔓延っている。


「虫っ!!もう、これが嫌なんですよ」


「もう慣れたらどうだ?さすがに」


「慣れるわけないでしょ?ほとんど生理現象みたいなもんだからね」


それにしてもなんにもないな。

本当に幽霊がいるのか?

と疑問にもなるが、サキタは「居る」と言っていた。

俺にはそこまでの霊感がないので二人一緒じゃないと探索はできないのだ。そして、変に霊感がある人は逆に取り憑かれやすいので注意が必要なのだ。


「二階かな?」


「まぁ、二階だろうな」


行きたくはないが、行かねばならぬ。


それにしても俺はどうしてこんな面倒な仕事を。


本当だったら大学に行くはずだったのにこんな不安定な……


親にも大分心配されたが、選んでしまった以上は仕方がない。



二人は階段を見つけた。由良はそれの前で少し立ち止まり、覚悟を決めようとする。が、やはりそれでもまだまだ幽霊には慣れていなかった。

それでも最初の除霊に比べればかなりマシなのだった。一番最初の除霊は見るに耐えないほどの号泣で、あまりのその姿にサキタも引いていた。


「行こうか!行かない!?行く!?」


「こんな場所でふざけてたら怖いぞ。いいのか?」


「それもそうじゃん……はぁ、ごめんなさい、行かせていただきます」


俺は階段の一歩目を踏み込む。

すると、“ギシィィィ”という嫌な音が鳴った。

そりゃそうだ、それなりに古そうだし。

でも、これが抜けるようなことはないはずだ。だから、仕方がないから俺は上へと向かう。とにかく、霊は払ってあげないと可哀想だ。




とにかく読んでもらいたいのでブックマーク数で継続するかどうかを決めてます。

でも、一つでもブックマークされていたら完結させるつもり(50.000文字以上)なので続きが読みたい方はブックマークをしていただけるとありがたいです!

(週刊少年ジ○ンプ方式)

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