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第七話 ヒッチハイク

1

 「おい弁慶、これからどこに向かうんだ?」

 俺と弁慶は住宅街の道路を歩く。        

 俺たちが住んでいる街は岩手県平泉市。ここから京都市に行くなんて…どうやって行くのか。

 「花巻空港に行って飛行機に乗るぞ。」

 「は?!」

 ここから花巻空港までは約60km もある。そんな所を歩きで行くのか。

 

 俺は続けて聞く。

 「歩きで行くのかよ?!」

 「いや、車だ。」

 俺は車と聞いて胸を撫で下ろす。安心した。しかし、俺は学生だ。勿論、車なんて持ってないし運転もできない。俺はタクシーかなと思い、弁慶に聞いてみた。

 「車って…タクシーで行くのか?そんなお金あるか?」

 

 その時、俺たちは住宅街を抜けて国道に出た。

 すると、弁慶が手を握って親指だけを立て、その手を道路に向かって突き出す。

 「ヒッチハイクだよ…あぁ!そういえば俺がヒッチハイクしたところで誰も見えねぇじゃん!ははははは!ていうことで秀吉やれ。」

 何を言っているんだこいつは…アホすぎるし無謀すぎる。でもこいつ多分本気でヒッチハイクで行こうとしてる。

 

 俺は勿論、反論した。

 「いや、何言ってんだよ。冷静にかんがえろよ!恥ずかしいし乗せてくれる優しい人なんていないだろ。」

 弁慶は冷静に答えた。

 「いや、俺は常に冷静だ。じゃあお前歩きで60km 歩く体力はあるのか?タクシーで行けるほどお金に余裕はあるのか?」

 「いや、でも…」

 

 長い間の口論の結果、ヒッチハイクをすることになった。

 「ほら手出して。」

 恥ずかしいから無理と言ったら弁慶に呪われた状態でヒッチハイクをすることになった。どうやらこれで恥ずかしさが二人で半分になるらしい。いや、そうはならんなろ。


 ヒッチハイクを始めて十分は経った。

 「これいつ拾ってくれるんだ?」

 「いや、俺に聞くなよ。」

 時間は午前九時に差し掛かろうとしている。

 お腹がぐうっと音を鳴らす。朝から何も食べていない。

 「ヒッチハイクが成功して空港に着いたらなんか食べるか。」

 弁慶がそう言うと一台のベンツが俺たちの目の前で止まった。

 

 「兄ちゃん。一人かい?乗りな。」


2

 「本当に助かります。どうお礼をすればいいのか…」

 「いやいや全然いいんだよ。それより君と出会えて嬉しいよ。」

 (やっぱりお金持ちの人は器も広いのかぁ。)

 

 そんなことを思っていたら弁慶が心の中で言った。

 (おい、秀吉、近くに悪魂がいる。)

 心の中で会話できることに少し驚いた。無論、悪魂がいることに一番驚いている。

 (まじか…。どこにいるか分かるか。)

 (いや、分からない。ただかなり近いところにいる。)

 (まさか運転手…)

 俺はすっと身を構えた。

 (そうだな。運転手の可能性が高い。ここは一回降りるか。)

 

 俺は弁慶の指示を聞いて、運転手に声をかけようとしたその時。

 

 「ババーン」


 いきなり銃声が響いた。俺は音と同時に屈んだ。鉛玉は車の後ろの窓をすり抜けて俺の頭の上を通りすぎた。

 「兄ちゃん、どうした?」

 お兄さんが真面目に問う。

 今の言葉でこのお兄さんが悪魂じゃないことに気づいた。なぜならお兄さんは今の銃声に気づいていないからだ。それと同時にこの銃声は悪魂の能力であることが分かった。


 とりあえず車を降りる。

 「お兄さん、本当にありがとうございました!」

 「いえいえ、旅、頑張ってね。じゃあね。」

 そう言うとお兄さんは車を走らせてどこかに行った。

 

 俺は弁慶の能力で筋肉を隆起させる。

 「さて、少し本気出すかぁ。」

 俺はそう言って悪魂が乗っている車に足を運んだ。

 

 


  


 




 










 第七話はいかがだったでしょうか。

 第七話では、冒険が始まりヒッチハイクで空港まで向かおうとしていました。しかし、ヒッチハイク中、悪魂の気配を感じ車を降りました。さて、弁慶と秀吉はどんな悪魂と闘うのか。また、勝てるのか。

 ぜひ第八話も見ていってください。

 

 



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