表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

第一話 出会い

2024年 4月24日

 「おい、起きろ。おい、起きろ…起きろっ!」

 「バチーンっ!」

 「いってっぇぇ!」

 眠っていた俺のほっぺたがいきなり熱くなった。

 「いってぇよ、誰だよ!」


 「俺だよ。俺、おれおれ。」


 低く、太い声でおれおれ詐欺の最初に言うような台詞が聞こえた。

 俺はゆっくり目を開ける。

 そこには身長が2mある大男が立っていた。


「え?誰ですか。普通に怖いんですけど。」

 俺は布団バッとどけて起き上がった。


「え?俺だよ。弁慶、弁慶だぞ!」

 大男は怒鳴りながら僕の顔に自分の顔を近づけた。

「弁慶ぇ?誰ですか。」

 俺は正直に答えた。

 

 すると、

「はぁ?!」

「バチーンっ!」

 また、思い切りほっぺを叩いてきた。

「痛っ!痛えよぉ!なにすんだよ。」

 俺はほっぺたを抑えながら怒るように言った。

 

 すると、大男は訳の分からないことを言い始めた。

「俺は叩いただけだぞ。そもそもこれに関してはお前が悪い。だってこの有名な弁慶さまを知らないんだぜ。そんなのあってはならない。」


 俺はムカついた。

「はぁ?!弁慶か弁当か知らないけどよぉ。お前ただの一般人だろ?!誰がお前のこと知ってんだよ!」


 すると、大男はこんなことを言い出した。

「一般人?俺は一般人じゃなくて僧兵だぞ。」


 俺は『僧兵?』と聞こうとしたが叩かれそうなので、知ったかぶりをした。

「あぁ、僧兵ねぇ。知ってる。知ってる…」


「バチーンっ!」

「痛っ!」

 なぜか叩かれた。

 「お前知ったかぶりすんなよ。僧兵っていうのは仏教や荘園を守護していた人のことだよ。」  


 俺はほっぺたをさすりながら聞いた。

「それって今もあるの?」


 弁慶は答えた。

「室町時代中期ぐらいだ。」


「…」

 俺は黙った。普通に訳が分からない。

「はぁ?!どういうこと?」


 大男は説明した。

「だから、俺は弁慶の魂でこの令和の時代に降りてきたってこと。あの頃は僧兵だっただけ。成仏されなかったんだよ。かわいそうだろ?」


 俺の、頭が追いつこうとしない。

「え?どういうこと?」

 大男は当たり前のように答えた。

「え?今言った通り。」


 俺は興味津々に聞いた。

「じゃあ、つまり大男は幽霊ってこと?」


 大男は答えた。

 「まぁ、今でいうとそういうことかな。だから、普通の人には見えない。つまり、お前は普通の人よりも霊感が強いんだな。はっきり見えてるのか?」

 「うん、輪郭もはっきりしてる。」

 「じゃあ相当霊感が強いな。」

 俺は嬉しくなった。普通の人は見えなくて自分には見える。自分が特別な人間みたいで嬉しかった。


 そして大男は話し始めた。

 「そこでだ、お前には悪魂の退治を手伝ってほしい。」

 「悪魂?」

 俺はすぐに聞いた。


 大男は説明した。

 「そうだ、悪魂あくだま。天には成仏されなかった死んだ人たちの魂があった。そして、天と地の境界線があったんだが…それが何者かに破壊されたんだ。そこで、魂が地に降りてきたんだ。」

  

 大男は続けた。

 「そして、そのなかでも悪魂といわれるものがある。読んで文字のごとく悪い魂だ。そこで、俺は偉い人から悪魂の退治を頼まれた、というわけだ。」

 

 (すげぇ、そんなファンタジーみたいなことがあるんだ。)

 と思った。しかし、一つ疑問に思うことがある。

 「大男さん。でもどうしてあなた一人でやらないんですか?俺に協力してもらう必要はないんじゃないですか?」


 大男は答えた。

 「俺は魂だから、本体といわれる人がいないと物体に触れることができないんだよ。」


 俺は恐る恐る聞いた。

 「本体をどうするんですか…」


 大男は一言答えた。

 「呪う。」

 「呪う!?」

 俺は大きな声を出した。

 

 大男が話す。

「でも、大丈夫。悪いことが起きたりする訳じゃないから。ただ、イメージは合体するって感じ。ちゃんと合体しても君の意識はあるよ。」

 俺は安心した。

 そう聞いた途端、なんか楽しみになってきた。


「じゃあ手伝うよ。なんか大男ヤバい奴みたいだけど面白そうだし。」

 俺は宣言した。


「いいじゃん!じゃあよろしくね。あと…お前、俺のこと大男っていうのやめろ。弁慶でいい。」

 

 弁慶はそう言った。

 そして、よく分からない紙を差し出しだした。

「あと、これ…契約書、書いて。あなたは魂と協力し、悪魂を退治することを約束しますか。みたいなこと書いてあるから、ここに名前書いといて。」


「分かった。」

そして、俺は契約書に名前を書いた。


「そういえば、お前の名前初めて知ったな。いと…うしゅう…きって読むんか。」

 俺は答えた。

 「そうだよ。」

 

 「いい名前だな。じゃあこれからはお前のことしゅうき、って呼ぶぞ!よろしくなっ!」

 弁慶は初めて優しい顔を見せた。






 


こんにちはm(._.)m鋤沢輝(すぎざわてる)と申します。

第一話はいかがだったでしょうか。

もしよければ感想 • 意見お願いします。

誤字 • 脱字などのミスも指摘いただけたら大変ありがたいです。

質問はできる範囲で答えたいと思います。

 第一話では、主人公である秀吉と弁慶の出会いを描きました。

 第二話では、いよいよ秀吉と弁慶の冒険が始まります。

 ぜひ第二話も見ていってください。

 よろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんか始まりカオスでおもしろいですねり キャラの使い方が上手いというかなんというか、 ビンタからの勢いが凄い汗
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ