表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/36

第6項 ループ一周目のゴミカス

 

 ループ一周目は、思ったようにはいかなかった。


 俺はまず、前世の反省から、メイに優しくした。

 とにかく優しくした。


 無理な用事も頼まなかった。

 前世のように裸で踊れなども言わなかったのだ。


 重いものも持たせなかったし、ひどいことも言わなかった。


 まぁ、領民への八つ当たりはやめなかったが、メイには関係のないことだ。

 これが原因ではないだろう。


 いや、でも、少しは手加減したのだ。

 前なら、30人殺したところを、10人くらいに減らした。


 殺し方も、斬殺から首吊りに変えた。

 なぶり殺しもやめ、ひと思いに殺すことにした。


 前は大好きだった、夫の前で慰み物にすることもやめたのだ。

 我ながらに優しくなったと思う。


 なのに、なのにだ!


 メイは以前のような目で俺のことを見てくれない。


 それどころか、5年ほどしたある日。

 「あなたには呆れました。わたし、結婚します」と言って出て行ってしまった。


 何なのだ、これは。

 こんな結末のために悪魔と取引をした訳ではない。


 俺は怒鳴る。

 「悪魔よ、何なのだ、これは。やり直しだ! 俺を成人の日に戻せ」




 目を開けると、またあの神殿のようなところにいた。

 目の前にはリリスがいる。


 俺は怒鳴る。

 「なぁ、リリス。せっかく優しくしたのにうまく行かなかったぞ。どう責任とってくれる!!」


 リリスは困った顔をした。


 「はぁ、あなたは何故失敗したのか分からないのですか。ならば、周回特典です。地獄では余り物になっていた『良心』をあなたに与えましょう」


 すると、また意識が暗転した。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングサイトに登録しました。 面白いと思っていただけたら、クリックいただけますと幸いです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ