第4項 自分勝手なゴミカス
目を開けると、どこかの神殿だった。
目の前には、この世のものとは思えないほど美しい女性がこちらを見て佇んでいる。
あぁ、俺は死んだのだな。
あれだけ悪行の限りを尽くしたのだ。当然、地獄いきだろう。
女性はこちらを見て話はじめた。
「わたしは、リリス。あなたは何故ここに呼ばれたのか分かりますか?」
「あ? 当然、地獄に突き落とすためだろう?」
「確かにあなたの生前の行いは褒められたものではない。 だが、愛しい人に会いたいというその気持ちは本物でしょう」
「それで?」
「あなたに選択肢を与えます。わたしと悪魔の契約を結び、最愛の相手に会うチャンスを得るか、このまま地獄に落ちるか」
「メイに会わせてくれるのか?」
「あなたが望むのならば。あなたに人生を三度やり直す権能を与えましょう。ただし、その対価はあなたの魂です。この契約を結んだら、あなたの魂は未来永劫救われることはありません。その覚悟はありますか?」
「聞くまでもない。どうせ、取引しなくても、地獄行きだろう。なら、俺様にチャンスをくれ」
すると、リリスは満足げに笑う。
「その不尊で卑屈な態度。あなたには見所がある。さぁ、行ってきなさい。運命の流れに逆らい、あの時に舞い戻るのです!!」
リリスが天に掲げた手を下ろすと、俺は意識を失った。