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ブラッドファング  作者: ことりピヨネ
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P.ヘレンのキャンディストアのファング

「動くな。じっとしてろよ」


 強盗の一人をカウンターに押さえつけた彼が、低い声で命じました。


「ダニエル。警察に連絡を頼む」


 厨房の入り口でフライパンを構えたダニエルに、彼がそう頼む声が聞こえます。


 そのあと彼は、強盗の腰に手を伸ばしました。


「ベルトを借りるぞ」

「やっ……やめてくれ! お、俺の尻に何をするつもりなんだ」

「手足を縛るのにベルトが必要なだけだ。おまえのケツなんぞに興味はねえよ」


 奪ったベルトで、彼が手際よく強盗の手足を縛りました。


 押し入ってきた三人組の残り二人は、すでに床に転がっています。

 気を失っているらしく、そちらはピクリとも動きません。


「んじゃ、警察がくるまでジッとしてろよ」


 強盗をひとまとめにした彼は、しゃがみ込んでいる私のいるところに近づいてきました。


「大丈夫か、リタ」


 声が、出ません。


 その場で腰を落として彼が、私の顔をのぞき込んでいました。


「リタ……?」

「あ―――」


 それでも、私は息をもらすことしかできません。


 唇が震えて、歯がぶつかって、しゃべれなくなっています。


 全身が痺れて、動かせないくらいでした。

 脳内に生じたおそろしいものが、ぐるぐると渦を巻いているかのような状態なのです。


 声を出そうとしても言葉になりません。

 彼らにされた、たくさんのひどいことが私の頭の中で、今にも爆発しそうになっているのです。


 やがて、今にも途切れそうな声をやっと出すことができました。


「ファング、さん……」

「リタ? どうした」


 喉から、必死でふりしぼった言葉は、自分でもひどく怖いものでした。


「こっ……殺してっ!!」


 彼の顔が厳しいものに変わるのがわかっていても、声を止めることができません。


「リタ……」

「お願いっ……こいつらのこと、こ……殺してぇっ!!


 発する言葉を止められなくなりました。


 ひとたび口から出てしまうと、自分ではもうどうしようもなくなっているのです。


 それを止めることができたのは、彼の両腕が私を抱きしめてくれたときでした。


「落ち着け。落ち着くんだ、リタ」

「あ……ああ、あ……」

「大丈夫。もう大丈夫。大丈夫だ」


 何度もそう言いながら、私を抱いた手で、そっと頭を撫でてくれました。


「何も心配するな。俺がついている。怖くない」

「う、あ……」

「泣くなよ、リタ。俺が守ってやる。これからも、ずっとだ。だから、つらいことはみんな忘れちまえ」


 彼の声を聞いているだけで、頭の中に渦巻いていたものが消えてきます。


 彼なしでは、もう生きていけない。


 彼に、こうしてずっと抱きしめられていたい。

 彼の言葉で、何もかも忘れたい。


 彼と一緒にいられなければ、この先に進めない。


 今の私はそんな気持ちにさえ、なっていました。


 けれど、あのとき―――。


 こうなることは、わかっていたはずなのに。


 私が、彼を―――殺してさえいれば。


 こんなことには、ならなかったのに。


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 一人称の練習で書いています。

 読みにくい部分が多く、たいへん申し訳ありません。

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・校正をなさってくださる方へ

 お手数ですが、ご指摘等をなさっていただく際には、下記の例文にならって記載をお願いいたします。


(例文)

----------

>~(←ココに修正箇所を引用する)

この部分は、(あきらかな誤用orきわめてわかりにくい表現or前後の文脈にそぐわない内容、等)であるため、「~(←ココに修正の内容を記入する)」と変更してみてはいかがでしょうか。

----------


 以上の形式で送っていただければ、こちらで妥当と判断した場合にのみ、本文に修正を加えます。

 みだりに修正を試みることなく、校閲作業者としての節度を保ってお読みいただけると幸いです。

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