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ブラッドファング  作者: ことりピヨネ
44/72

H.ヘレンのキャンディストアのファング

 ドアベルがチリンチリンと鳴り響く。


「いらっしゃいませ」


 カウンターの中から、私はいつものように挨拶をした。


 ドアを開けて入ってきた若い男の人が、はじめて来たお客さんがよくするように、店内を軽く眺めまわした。


「まだ早い時間だけど、営業中かな」

「うちは七時からなんです。こちらの席にどうぞ」


 入り口から三番目の席を示すと、彼はそこに腰掛けた。


「同居人から聞いたんだが」


 ぎこちない口調で、彼が話をきり出した。


「ああ。同居人は、オセロットと言えばわかる、って。それで、ここに来れば朝飯が食えるから、と教えてもらったんだ」

「オセロットさんの同居人さんですか」

「弟子になるのかな。ファングだ。よろしく」

「私はリタ。ここ、お母さんのお店なんです」

「そうか。家の手伝いをしながら学校に?」

「ええ、そうです。学校のある日は、朝だけここにいます」


 私はメニューを手渡した。


「ご注文、なんにします?」

「ええと……コーヒーをもらおう。一番、安いやつを」

「コーヒーだけでいいんですか?」

「その、あれだ。まだこの街に来たばかりで」


 ちょっと言いにくそうに、ファングさんが口調を濁しました。


「今日から仕事を教えてもらうことになっててな。だから、その……」

「お仕事ってハンターですか」

「ああ。この街じゃ、それが一番稼げるって聞いたぜ」

「それなら、今日は私がごちそうしますよ」

「いや、そういうわけには」

「そのかわり、これから毎朝……ううん。毎日じゃなくてもいいから、できるだけこのお店に……来て、くださいね」


 そう言いながら、私は目からぽろぽろと涙をこぼしました。


「わ、わかった。わかったから、落ち着いて」

「ごめんなさい。目に、ゴミが……」

「そうか。せっかくだから、今日はごちそうしてもらおうかな。その分は明日また来て、ちゃんと払うよ」

「それじゃあ、ごちそうになってないじゃないですか」

「それもそうだな」


 ファングさんの顔に、はにかんだ笑みが浮かびました。


「わかったよ。美人の店員さんの言うことに従うことにしよう」

「はい」

「それじゃあ、オススメを選んでくれ。この店で、一番うまいやつがいいな」


 ハンターになっても、彼はとてもやさしくて―――。


 私は、また彼を好きになりました。


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 一人称の練習で書いています。

 読みにくい部分が多く、たいへん申し訳ありません。

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・校正をなさってくださる方へ

 お手数ですが、ご指摘等をなさっていただく際には、下記の例文にならって記載をお願いいたします。


(例文)

----------

>~(←ココに修正箇所を引用する)

この部分は、(あきらかな誤用orきわめてわかりにくい表現or前後の文脈にそぐわない内容、等)であるため、「~(←ココに修正の内容を記入する)」と変更してみてはいかがでしょうか。

----------


 以上の形式で送っていただければ、こちらで妥当と判断した場合にのみ、本文に修正を加えます。

 みだりに修正を試みることなく、校閲作業者としての節度を保ってお読みいただけると幸いです。

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