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ブラッドファング  作者: ことりピヨネ
26/72

23.あの壁の穴に逃げ込むぞギリーPARTⅢ

 全力で走っているうちに追ってくる五本牙との距離は、かなり開いていた。


 俺は走りながらギリーに言った。


「無線で応援を呼んでくれ。このままじゃ、ずっと追いかけっこだ」

「……うるさいっ!!」


 こいつ、なんでいきなりキレてんだ。


 きっと目の前で同僚が倒れて、動揺しているに違いない。


「大丈夫だ。トニーは無事だよ」

「そんなことわかってるわよ!」


 ギリーは目をつり上げて怒鳴った。


 ダメだこりゃ。


 手のつけられない激怒状態だ。

 今日は俺まだ、そんなに怒るようなことしてないぞ。理不尽にもほどがある。


 などと思ったとき、ちょうど前方の建物に穴が開いてるところを見つけた。


「ギリー。あ……」

「いい!! よく聞くのよ。あんたは私より先に、あの穴に飛び込むの! わかった?」

「お、おう」

「中に隠れて、五本牙が通り過ぎたらトニーを助けに戻るの! そのあと、他のチームに追いついて、無線で応援を呼ぶから。わかったわね!!」


 すさまじい剣幕ぶりに圧倒されて、俺は頭をカクカク頷かせた。


 どうしてギリーがこんなに怒っているのか、俺にはよくわからない。

 緊急事態だから仕方がないとはいえ、こういうときこそ冷静でないとダメだろ。まったく女というやつは、すぐ感情的になるから困る。


 俺は彼女から逃げるような勢いでダッシュして、穴に飛び込んだ。


「よっ……と」


 ボロボロになった建物の中に飛び込むと、足元がギシッと軋んだ。


「あぶねっ」


 今日もコンフー・マーキナは絶好調。

 わずかに重心を傾けて体勢を安定させたのち、脆くなった床から足を引き離す。


 これで安心―――と、思ったところにギリーが飛び込んできた。


「どいてぇーっ!!」


 今度は避ける暇もなかった。


 体当たりをくらった俺が地面に倒れ込み、その上に尻餅をつく。


「あいたたたた……」

「ふぉご、ふぉいてくへぇ」


 俺の顔面の上に、ズボンをずり下げた状態で座っているギリー。


 ふさがった口で、そこどいてくれと頼んでみた。パンツは白だった。


「いやああああああああああっ!! ばかぁーっ!」


 ギリーは警察仕込みの格闘術で俺の襟首をつかむと、そのまま勢いよくつき飛ばした。


 よろけた俺の背中が、建物の柱にぶつかった。


「いってぇ……何すんだよ」

「何すんだは、こっちのセリフよ!! なんでなのよっ。なんでこんなこと、何回も……」


 ギリーのわめき声に重なって、上のほうからメリメリと建材の裂ける音が聞こえてきた。


「おい。これ……」

「えっ?」


 二人揃って見上げたとたんに、天井の亀裂が一気に広がっていく。


 次の瞬間、屋根が崩れ、柱がひしゃげ、建物全体が傾いた。


 俺とギリーは崩れた建物の下敷きに―――。


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 一人称の練習で書いています。

 読みにくい部分が多く、たいへん申し訳ありません。

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・校正をなさってくださる方へ

 お手数ですが、ご指摘等をなさっていただく際には、下記の例文にならって記載をお願いいたします。


(例文)

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>~(←ココに修正箇所を引用する)

この部分は、(あきらかな誤用orきわめてわかりにくい表現or前後の文脈にそぐわない内容、等)であるため、「~(←ココに修正の内容を記入する)」と変更してみてはいかがでしょうか。

----------


 以上の形式で送っていただければ、こちらで妥当と判断した場合にのみ、本文に修正を加えます。

 みだりに修正を試みることなく、校閲作業者としての節度を保ってお読みいただけると幸いです。

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