おかしなお菓子屋
俺は、この森の中で、迷子になってしまったーーらしい。何故最後にーーらしいとつけたのかというと、今俺の目の前にいる変な婆さんが、そう言っているからだ。もちろん俺自身迷子の自覚なんてない。記憶を頼りに、散歩に出掛けていた。
そんな時、急に知らない、特に老婆からそんなことを言われたらどのような気持ちになるだろうか。おそらく普通の人ならそうそう信じられないであろう。
俺もそういう気持ちだ。
「なんだよ、婆さん。俺が迷子とか、冗談もほどほどにしろよ。とうとう歳のせいで頭がいっちまったのか?」
不安を紛らわすために、わざと