漫才「野球」
ゲラゲラコンテスト用の作品のため脚本形式になっています。
漫才好きなので、こういう話は描いてみたかったです。
ボケ「えー、早速ですが漫才のネタを作るためには、幅広い知識があった方がいいと思うんですよ」
ツッコミ「確かに。あって損はないですよね。ただマニアックすぎると、お客さんが付いていけなくて、逆効果になるかもしれませんねー」
ボケ「ええ。だからここは無難に『野球』について語りたいと思います」
ツッコミ「んー。有名どころではあるけれど、野球のことを知らない人もいるだろうし、どうでしょうねー」
ボケ「じゃあ俺が、野球を知らない人の役になるから、どれくらいまでだったら、お客さんに通じるか試してもらっていい?」
ツッコミ「ええ、いいですよ」
☆☆☆
ツッコミ「じゃあ早速。えー、ボケさん。野球って見たことあります?」
ボケ「やきゅう、ってあれですよね。野原ひろしの「野」に中村玉緒の「玉」って書くやつ」
ツッコミ「玉緒、違う! ていうか漢字間違えるのは、知らない過ぎだろ」
ボケ「あ、そっか。隠し球の「球」のほうか」
ツッコミ「それ、けっこう複雑な野球用語っ! 絶対知ってて言ってるだろっ」
ボケ「まぁまぁ、でその野球がなんだって?」
ツッコミ「そうですねぇ。じゃあボケさんは、まず野球と言ったら何を思い浮かべます?」
ボケ「金属バットですかね」
ツッコミ「ほう。そう来ますか」
ボケ「んでもって、窓ガラス」
ツッコミ「なんか方向性が違う! 割っちゃ駄目!」
ボケ「じゃあグローブ」
ツッコミ「うんうん」
ボケ「ガッツ石松」
ツッコミ「それボクシング! ていうか中村玉緒と言い、年代古いっ」
ボケ「ベース」
ツッコミ「ああ。一塁、二塁、にある四角いあれね」
ボケ「béɪs」
ツッコミ「無駄に発音が上手っ! てか、バットときたら、普通はボールだろ!」
ボケ「えー、じゃあ、金属ボールで」
ツッコミ「砲丸投げかよっ! 重いよ」
ボケ「サラダを入れるやつ」
ツッコミ「それは、ボウルっ」
ボケ「bōl」
ツッコミ「それはもうええわっ」
ボケ「――じゃあ今度は俺が野球話を振るから、そっちが知らない役を頼む」
ツッコミ「おう。ていうか最初からこっちの方が良かったのでは」
ボケ「早速だけど、いま注目の野球選手って、健司だと思いません?」
ツッコミ「ん、健司って誰? 俺、野球詳しくないから分からないんだけど」
ボケ「お向かいの佐山さんちの次男坊ですよ。リトルリーグに所属している小学生」
ツッコミ「分かるかっ」
ボケ「この間、日曜日の試合でもホームラン打ってね。まさに走攻守の三拍子そろった子で、佐山さんの奥さんも鼻が高いって話ですよ」
ツッコミ「それ、単に井戸端会議の話題っ!」
ボケ「そうそう。いいね。野球詳しくない感じ、上手じゃん」
ツッコミ「本当に知らないんだよ。誰だよ佐山さんって! ていうか、リトルリーグじゃなくて、テレビやネットで普通に取り上げられているような選手の話題で!」
ボケ「うーん。じゃあ大谷選手とかどうだ?」
ツッコミ「ああ、あの二刀流の。今はアメリカに行っているみたいですね」
ボケ「そうそう。彼はピッチャーとして、160キロを投げるんですよ」
ツッコミ「ほー。それはすごいですねー」
ボケ「ええ。160キロといったら、ほぼ白鵬関ですからね」
ツッコミ「そっちのキロじゃないし!」
ボケ「さぁ、マウンド上のピッチャー大谷。振りかぶって、第一白鵬を投げました! ストラーイクっ。解説のツッコミさん、今の球種は何でしょう」
ツッコミ「突き押しですかねー」
ボケ「さぁ。大谷。第二白鵬を――」
ツッコミ「投げるかっ! ていうか第二白鵬ってなんだよっ」
ボケ「そりゃ、ボールを投げていないのに第一球じゃおかしいだろ」
ツッコミ「ボール投げろよ!」
ボケ「じゃあ、後窓ガラスとガッツ石松が必要ですね」
ツッコミ「もうええわ」
二人「ありがとうございました」




