冒険の始まり!?
俺が、はぁ…とため息をついてると、少し向こうの方から、
「アレク様ー。こちらでーす。」
と聞こえてきた。俺は、声のする方へ足を歩めた。クレアが、いたところはカウンターの様なところだった。カウンターにいた女性と目があった。その時、その女性の横にひょこっとデータが出てきた。へぇ、なんか便利なものだなと思ってきていた。名前は…アリーナか…と思っていると、こちらの書類にサインをと、紙を差し出された。俺は、「アレク」と記入した。サインをし終わり、クレアの元へ行くと、人と、人が手を繋いでいるアイコンが出てきた。さっきまでなかった気がするのに…。そして、俺はそのアイコンに触れてみた。すると、[フレンド]と出てきた。その項目には、【クレア;魔導師】と表示された。
これは、友達になったひとの、情報が見れるのか。だから、さっきのカウンターのところではアイコンが表示されてなかったのか…そんなことを思っていると、クレアが俺の顔を覗きこんできた。
「アレク様。大丈夫ですか?」
と言ってきた。何を言おうか迷ったが、
「こ、ここは何をする所なんだ…?」
と聞いてみた。すると、クレアは申し訳なさそうな顔になって、
「あ、すみません。行きなりつれてきてしまって…。ここは…」
俺は、そのあとの言葉に耳を疑いざるを得なかった。
「ここは、クエスト集会所です。」
まさかとは思っていたが…的中するなんて…。
「俺は、戦ったこともないし、何もできないぞ。」
と言ってみた。すると、
「えーっと…」
クレアは、自分の目の前の空気を人差し指で何かを触っていた。俺が、不思議そうしにていると、
「あー。アレク様は、まだ見習い剣士ですね。レベル1ですし。でも、もっともっと、レベルをあげられれば、伝説の勇者の称号が貰えますから!」
と言った。
レベルが見られるのか!?さっきはデータが出たことに驚いて見落としていたがそんなことまで…
急いでクレアのデータを見てみた。するとそこには…
【クレア;魔導師 (レベル97)】
と書いてあった。97か…って、ん??97!?俺は、バッ!とクレアの方を見た。クレアは、え?という顔をしていた。俺には、こんな凄いフレンドがついてるのか…。それを知った俺は、たちまちやる気になった。
「クレア!さっそくクエストに行くぞ!!」
クレアの手を引いて、歩き出そうとしたとき、クレアは、なぜかその場から動こうとしなかった。
「おい、どうかしたのか?クレア。」
俺がそう問いかけると。
「アレク様。私たちはまだ、クエストに行けれないんです!」
と告げられた…
「2人では…クエストに出られないのです。ここで、あと2人ほど仲間にいれないと…」
俺は、周りを見回した。こ、この中から…あと、2
人!?俺は、はぁ…とため息をついたが、右手の拳を左の手のひらにバチン!とあてて、
「やってやろうじゃん!」
と呟いた。が…しかし、いつになったらクエストに出られるのやら…。
振り返ると、クレアはニコッと笑って
「よろしくお願いしますね。アレク様!」
と言われた。
「ま、任せとけ!」
ここからが俺の冒険の始まりとなった。