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ロボコン部  作者: コウヤ
入部、努力、交流、そして少年は手を繋いだ。
2/3

2.修行(1)

 入部届けを出した日の放課後、私はロボコン部の部室に向かいました。


 私は勢いで入部してしまったので一年生の部員は私しかいないと思っていたのですが、一人もう入部したという人がいました。


 名前は分かりませんが、部員の皆さんにはねーさんと呼ばれていました。

 

 あだ名というものでしょうか。


 私も親しみをこめて、ねーさんと呼ぼうと思います。


 部活をはじめて最初の活動は、自己紹介でした。新入部員の私たちのためでしょう。


 そして、皆さん簡単な自己紹介を終えられたところで、三年生の方から一年生の活動内容が発表されました。


 どうやら、一年生は基礎の基礎を、練習してくれとのことです。


 私のような初心者には、とても助かる良い活動になりそうです。


 いつまでなのかを聞かされていないことが少し怖いですが・・・・・・。



 とはいえ、ここから本格的な部活動が始まります。


 今は、学んで後に備えるとしましょう。


 実習服に着替え、実習室に移動して、準備完了です!



 まずは、けがきという作業をするそうです。2年生がとても丁寧に教えてくださいました。

 

 けがきというのは、材料を加工するときに参考にする線を引く作業のことらしいです。


 さっきから、教えてもらってばかりです。少し情けなく感じます。

 

 詳しいやり方も教えてもらいました。


 ハイトゲージという工具を使うらしいです。


 最初に、机に傷がつかないように、そしてすべりを良くするために油を塗ります。


 次に、収納してある刃をつけます。


 そして、メモリをあわせるために刃を限界まで下げて、そこにメモリの0をあわせます。これを、ゼロ点あわせというらしいです。


 そして、線を引きたいところに、メモリをあわせて刃を使って傷をつけます。



 大体の方法は、こんな感じです。



 今日の部活が終わるまで、この作業を練習するよう言われました。


 今日中に完璧にしておけということでしょうか。私には難しそうです。



 ねーさんは早速作業をしているようです。とてもスムーズに作業をしています。さらに、先輩と話す余力があるようです。


 それを見ていると、私にもできるんじゃないかと思いはじめました。早速やってみます。




 ・・・・・・。


 そんなことはありませんでした。


 やっぱりこの作業は私には難しいようです。


 力が少なすぎると、パイプがずれて、力が強すぎると、ハイトゲージがあらぬ方向にそれてしまいます。


 先輩は「慣れると簡単にできるようになるよ」と励ましてくれましたが、私と同じく初めての体験であるはずのねーさんは、サクサクと作業しています。


 少しへこみましたが、今はねーさんに追いつくためにがんばろうと思います。




 

 作業を始めて一時間がたちました。



 この作業意外ときついです。


 作業のほうは先輩の言うとおり、やっていくうちに慣れてきました。


 ですが、この作業は机の高さの影響で、ずっと膝立ちなんです。膝が・・・・・・とても・・・・・・痛いです・・・・・・。


 この作業があと一時間続くと思うと、とても心に来るものがあります。


 ねーさんもなかなかきつそうです。


 これはなんという名前の苦行なのでしょうか。





 そろそろ六時半になります。部活終了の時間です。やっと帰れます。


 とてもきつい、ですが新しい技能が身につきました。


 

  私は、ハイトゲージが、使えるようになった。


 

 こんな感じの表示が出たときのような、なんともいえない喜びが・・・・・・。


 これはいいですね。卒業するまでの3年間で、どれだけの喜びが味わえるのでしょうか。


 とても楽しみです。



 部活の終礼が始まりました。


 三年生や先生方が今日の反省を話され、今日の部活は終了となりました。


 最後は部員の皆さんで挨拶をするらしいです。


 こういうところの印象は大切です。


 少し恥ずかしいですが、きちんと大きな声でいうとしましょう。


 「「「「「ありがとうございました」」」」」

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