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くっ殺から始まるデュラハン生活  作者: クファンジャル_CF
第十二話 いんたーみっしょん その5
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読み解かれる秘儀

地下に住まいし流血の女神の寝所。そこにほど近い場所に設けられた祭壇で、闇の神霊は黙考していた。

鋼の戦神(マシンヘッド)の魔導書は読み解けた。信じがたいほどに素晴らしい叡智の数々。元来、星界における神器の争奪戦。その一助になればと思って奪取を命じたものであったが、まさか神器を手元に召喚する(・・・・・・・)秘儀まで記載されているとは!さすが、神獣を用いて太陽神を弑するなどという大胆不敵な陰謀を企てる男が記しただけのことはある。神器を手にすることで、闇の神々の世界における我が主の権勢もますます高まることであろう。素晴らしい。早速、召喚のための祭壇を創り上げねば。

だが、現状での不安材料がひとつ。

女戦士が裏切ったことである。首の隠し場所は秘密にしておいたはずだが、よくもまあ探し出せたものだ。追手を使い、それを奪い返すとは裏切り者ながら中々やりおる。だがそれでは終わるまい。まだこちらには奴の娘が残っている。闇の神霊が依り代として重宝している、角持つ娘が。

恐らく奴は、娘を取り戻すべくこの聖域へと乗り込んで来る。あの丘巨人《ヒル・ジャイアント》すらも屠る、恐るべき狩人たちとともに。奴はこちらの手の内を知り尽くしている。部下どもでは薙ぎ払われるに違いあるまい。ならばどうする。娘を人質にとる?いや、無駄であろう。女戦士には効いても追手にまでは通じまい。この異形である。

自ら出陣して始末することも考えたが、器《からだ》が戦いに向かぬ。そもそも闇の神霊自身、戦いがさほど得意ではない。彼女はあくまでも女神に仕えし女官であって、武官ではないからだった。丘巨人《ヒル・ジャイアント》は神霊に対して忠誠を誓っていたが、それは力に屈してのものではない。自発的に傅いていたのだ。地下に住まいし流血の女神の威に畏敬の念を抱いていたのである。

そこで、思い至った。

武力が足りぬのであれば補えばよい。神器で奴らを迎え撃つのだ。せっかくの機会である。神獣すらをも追い詰めたその実力を確かめるのにちょうどよい。奴らにも神器の力、鋼の戦神(マシンヘッド)の霊力を見せつけてくれよう。


  ◇


そこは土の下。

女剣士はまどろみの中にいた。代官との戦闘で負った傷。宝物庫で切り落とされた耳《・》───猫の姿の時は尻尾だった───が癒えていくのが分かる。安らかだった。油断するといつまでも眠っていたくなる。やろうと思えば永眠《・・》することも出来よう。自分はまだ死んで一年に満たない若造に過ぎないから気力に溢れているが、隣で眠る同族はこの体で百年過ごしたという。よくぞ、目を覚まさないという誘惑に耐えて生きてきたものだ。どころか子育てなど。苦難の連続であったろうに。とても真似できぬ。この偉大なる先人の行く末に、ほんの一筋でもいい。救いがあればよいのだが。

やがて傷も癒え、内に力が満ちあふれてきた。加護を引き出したことによる負荷も含めて、完全に回復したのである。

さぁ。戦いの時間だ。

女剣士は、土の上へ手を伸ばした。

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