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くっ殺から始まるデュラハン生活  作者: クファンジャル_CF
第四話 星の娘
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王者の一撃

彼女・・は考える。

永劫の刻。幽閉の最中も、己は眠っていたわけではない。自分の置かれた状況を把握しようと努めて来た。そして星霊ども。星神の事も観察してきた。この異質な世界についても理解を深めて来た。地表の小さな生き物どもの営みも見た。なんという原始的な!!

しかし。恐ろしい。彼らは着々と発展し、文明を進歩させている。今は脆弱だ。だが、いずれ彼らも天翔る戦船や万物の根源すら砕く火矢、そして何よりも忌々しい鋼の戦神(マシンヘッド)どもを造り出して(・・・・・)我らを滅ぼそうとするに違いない!!

そうなる前に、彼らを滅ぼさねばなるまい。だがまずは神々。この世界で最も強大な力を持つ存在を、抹殺せねば。

我が種族のために。


  ◇


たった一人の女騎士に甚大な被害を与えられ、混乱する闇の軍勢。

その中央に位置する船。軍勢を指揮する小鬼王者ゴブリン・チャンピオンは、敵を観察していた。

あれはなんだ。水の上に立っている。いや、何かに乗っているのか。矢が効かぬ。一撃で軍船を沈めるとはなんたる剛力!化け物め。

彼は盾と戦斧を手に取った。恐らく敵は魔法の産物であろう。逃げることはできぬ。逃げようとすれば追いつかれ、船を両断されるに違いない。

だから、真正面から向かう。飛びかかって来たところをこの斧で一撃・・してくれよう。

小鬼王者ゴブリン・チャンピオンは舳先に立つと、手下どもへ命令を下す。

「奴に向けて進め!迎え撃つ!!」


  ◇


響き渡る角笛の音に従い、戦船どもが散開していく。いや、中央の一隻がこちらに舳先を向けた。面白い。迎え撃つ気か。受けて立ってやる。

女騎士は笑みを浮かべる(・・・・・・・)と、骨怪魚を操る死霊術師へと望む進路を伝えた。


  ◇


奴が迫ってくる。あと少し。

小鬼王者ゴブリン・チャンピオンは、舳先より機を待ち構える。

敵がはっきりと見えて来た。女だ。首のない女。奇怪な甲冑を身に着け、骨で出来た魚に跪いている。  

もう少し。まだ早い。今だ!

女騎士が骨怪魚から跳躍する。彼女が振り下ろす刃を盾でいなし、そして小鬼王者ゴブリン・チャンピオンは、水面へ(・・・)飛びかかった。

斧を振り下ろす。確かな手ごたえ。水中に飛び込む。

小鬼王者ゴブリン・チャンピオンが狙ったのは女騎士ではない。その足場。骨怪魚を狙い、目論見通りに彼の斧はそれを粉砕してのけたのである。

砕けた怪魚。もはや奴の足場にはなるまい。後方では手下どもが我先に、船から水へ飛び込んでいく。馬鹿正直に奴と戦う必要などない。斧と盾を手放す。兜も脱ぎ捨てる。身に着けているのは竹甲だ。水に浮く。

だが奴はどうだ?その甲冑は水に浮くのか?


  ◇


油断した。足を潰された!

女騎士の胸を後悔が占める。

闇の軍勢の戦船。その船上。数匹の小鬼ゴブリンこそ切り捨てたものの、ほとんどは取り逃がした。奴らは我先にと水へ飛び込んでいったのだ。賢明な判断であろう。そして周囲。まだ残っていた戦船から飛来するのは、火矢。

敵の策略に引っかかってしまった。船を焼かれれば、水に投げ出されるしかない。

―――だが問題ない(・・・・・・)私は(・・)水の上を歩ける(・・・・・・・)のだから(・・・・)

女騎士は事実を再確認した(・・・・・・・・)

船尾まで一気に駆け抜け、そして跳躍。

水面はしっかりと、女騎士の足を支えた。


  ◇


環状列石ストーンヘンジ

その中央で、儀式の第一段階は頂点を迎えようとしていた。

ローブの大賢者によって高らかに掲げられた赤子。その身より、光が噴き出した。

翼。霊的なそれは、フクロウの翼に似て、そして13枚(・・・)あった。

―――おお。なんという光景だ。

朗々と聖句を詠唱する大賢者の胸にあったのは、感動。己は今、神話の一端を目にしているというのだから。

繋がった。神獣を縛る鎖。その1本を外した。そして、神獣の身を掴んだ(・・・・・・・・)

霊的な経路が構築される。赤子を通じ、神獣へとつながる糸を掴んだ大賢者は確信した。己の勝利を。

聖句は呪句へと変わり、そして環状列石がその呪力を増幅していく。

―――隕石招来メテオストライクの秘術を。

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