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ミアン?デニー!

依頼を受ける建物はいつでも喧騒に包まれている。

テイサイートの街は『ケイク』『バッフェ』『アラモンド』『ゼリ』と四つのダンジョンに囲まれているため、ダンジョン探索にことかかないし、南には『騒がしの森』東には『フクラシ湖』、西に『クラッカ連山』とモンスターの生息域もあちこちにある。

冒険者が稼ぎやすく、それに伴い流通が生まれるために、その流れに乗って人が集まるということを繰り返している。

冒険者互助会への依頼というのもかなりあるのでガヤガヤとうるさいのは仕方ないことかもしれない。


今、一番人気なのは、やはり見つかったばかりの『ゼリ』のダンジョンだろう。

『ゼリ』のダンジョンは入場制限が設けられた。

『赤よっつ』以上の冒険者しか入ることはできない。

これによって、冒険初心者が潜れるダンジョンは『ケイク』のみとなっている。

まあ、入場制限があるのはダンジョンだけなので、『赤みっつ』までの冒険者の中でも、挑戦したいやつらはモンスター生息域に行けば夢の一獲千金が狙える。


ちなみにモンスター生息域には入場制限はないが、推奨難易度というのがある。

『フクラシ湖』は『色なし』から推奨されているし、『騒がしの森』は『赤ひとつ』が推奨難易度だった。

どうやら『騒がしの森』は推奨難易度が『赤よっつ』くらいからになりそうだけど。


ダンジョンは神からの試練だと言われている。

何故ならダンジョンは不可思議現象の坩堝だからだ。

ダンジョンでは何が起きても不思議ではない。

いつの間にか涌きでるモンスターや宝箱、知らぬ間に復活する罠。

最奥に何故か必ず居るボスモンスター。

たぶん、『ロマンサー』にとってはボスモンスターとかGPゴッドポイントが稼げる相手なんだろうけど、俺には関係ない。

何しろGPとか稼ぐつもりないしな。


『ケイク』の依頼もそこそこあるけど、四つのダンジョンの中では一番人気がないかもしれない。

『赤みっつ』までのいわゆる初級冒険者はこの街で一番多いにも関わらずだ。

まあ、『ゼリ』のダンジョンに入場制限が設定されたので、また初級冒険者たちは『ケイク』に戻るとは思うけど、依頼が他のダンジョンより少ないのだ。

冒険者互助会でも、常設依頼を出したりして依頼を絶やさないようにはしているけど、『バッフェ』のダンジョンが『ケイク』の上位互換のようなダンジョンなので、依頼が『バッフェ』に流れてしまうのはどうしようもない。


俺は『ケイク』用依頼ボードに貼り出された紙を眺めながら歩く。

例えばアイアンヘッジホッグ討伐、『赤ふたつ』依頼だ。

例えばストーンゴーレム討伐、『赤みっつ』依頼だ。

『色なし』の俺では受けることすらできない。

上位の依頼を受けるには、パーティーメンバーの中に最低一人は条件を満たしている人物がいなければならない。

引きこもりのぼっちな俺にどうしろってんだ?


視線を下げていけば、『色なし』でも受けられる依頼がひとつだけあった。


灯明苔の採取。『色なし』依頼だ。

依頼料は袋ひとつで五十ルーン。四袋まで。


灯明苔というのはダンジョン内の安全地帯に生息する仄かに光る苔だ。

何故かモンスターが絶対に入らない部屋というのがダンジョンにはあって、そこは『安全地帯』とか『休憩所』なんて呼ばれている。

何故かは分からないけど、安全地帯にはこの灯明苔が繁殖する。

暗いダンジョン内では安全地帯だけが仄かに光って見えるというものらしい。

ちなみにこの灯明苔。ダンジョンから出してもひと月くらいは生きていられる。つまり、ダンジョンから出せば徐々に枯れてしまう。

その性質を利用して、飲食店の雰囲気作りに使ったり、貴族が鑑賞用に欲しがったりする。

後は冒険者がお守り代わりに持っていたりもする。

ちなみに安全地帯の三分の一までしか取ってはいけないことになっている。


「まあ、これでいいか……」


俺が受けられそうなのがコレしかないという話もある。

俺が手を伸ばしてその依頼用メモを取ろうとすると、何故かタッチの差でそのメモを抑える手がある。


「え?」


その手の人を見る。

女の子?

クリーム色の髪、必死な形相、目が大きいからか、こちらを見上げる顔はあどけない感じがする。


「ゆ、譲って下さい!」


いきなりそんなことを言われた。


「いや……あの……」


俺は驚いて一歩下がる。譲ってということは俺がその紙を取ろうとしてたのは分かってたんだよな?横入りというか、横取りか?


「お願いします!譲って下さいっ!」


顔を真っ赤にして、鼻息荒く女の子は言う。


「俺が取ろうとして……」


「分かってます!だから、譲って下さいっ!」


なんか必死だな。この依頼に何かあるんだろうか?


「……譲れないな」


「え?」


「だって、今出てる『色なし』依頼それだけだし……」


「私だって、これしか受けられないんです!それにもう宿賃がないんです!これが受けられないと困ります!」


「いや、『フクラシ湖』とかなら依頼あるじゃん。俺は『ケイク』に用があるから、それじゃないと困る」


「『フクラシ湖』……三日間以上もこんな女の子に飲まず食わずで行けって言うんですか?」


『フクラシ湖』はテイサイートの街から、徒歩一日半くらい掛かる。往復するとなるとそんなもんか。

というか、飲まず食わず?飯代すらないのかよ!


「いや、正直言うと譲ってもいいんだけど、あんまりモタモタしてると【冒険者バッヂ】取り上げになるし……」


「譲ってもいいなら、譲って下さい!」


「話聞いてる?

俺は『ケイク』に用があって、【冒険者バッヂ】取り上げ回避のために仕事しなきゃならないんだよ?」


「聞いてます!でも、譲ってもいいって言いましたよね?」


女の子はすっくと立ち上がる。あれ?ちっちゃくない?

百四十ちょいくらいしか身長ないな。


「小人族?」


ごっ!と鈍い音がして、脛を蹴られた。


「いって!」


「誰が小人族ですか!人間です!じゃあ、あなたオークですか?」


小人族というのは、人間種だ。

その名の通り小さい。大きい小人族でも百五十センチくらいにしかならないらしい。

大きい小人族ってなんだ?

オークというのはモンスター。豚の頭を持った人間型をしているし、道具なんかも使う賢いやつらだが、人間を餌か繁殖道具としてしか見ていないため、相容れないやつらだ。ダンジョンにも出てきたりするので、やはりモンスターなのだろう。

って、冷静に頭の中で考えてみたものの、脛が痛い。

そして、この女にムカついた。


「誰がオークだ!太っているからオークってボキャブラリーが貧困だぞ!」


「ひ、貧困〜!ひ、人が気にしていることを〜!」


「ああ、マジ貧困で困ってるんだっけ?

可哀想にね、頭も身体も、経済的にも貧困じゃあ、他人の依頼の横取りくらいするよね!」


「な、ななな……」


「あれ?怒ったの?他人のことオーク呼ばわりして、依頼を横取りしようとして、それで怒ったの?」


この小人女は先ほどよりも顔を真っ赤にして、今にも爆発しそうだった。

俺はチラチラと辺りを見廻して、逃走ルートを確認する。

暴力に訴えようとしてきた時の用心だ。

小人女はいきなり、肩の力を抜いた。

お、負けを悟ったか。

小人女が泣いたら逃げる。暴力に訴えようとしたら逃げる。まだ、何か言ってくるなら、思いっきり罵倒してやろうと身構える。


「……分かりました。モンスターなら狩っても問題になりませんよね」


小人女は暗く淀んだ顔で、そう言うと腰のショートソードの柄に手を掛けた。

いきなりそう来るか!

俺は小人女が柄に手を掛けたのを見た瞬間、踵を返す。


「ちょっと待った!」


男性の大きな声だ。

俺は逃げ出した。

背後で男性と小人女が喚いていた。


「あ、おい!君!」「離して下さい!アイツは斬る!」「いや、落ち着きなよ!」「いやー!後生だから見逃して!あのオーク野郎を斬りたいのー!」「いや、ダメだよ!おーい!どこ行くのー!」


どうやら、男性は俺に止まるように呼び掛けたらしいが、関係ない。他の冒険者の間を縫うようにして俺は全速力で走る。

そのまま、建物の入口に辿り着くとガムシャラに走った。

あと少しで冒険者互助会の敷地から出るというところで、俺のローブの襟が何かに引っかかった。

俺はすとん、と尻餅をついた。


「いって……」


と言ったものの、何故か尻は痛くない。

不思議に思って振り返ると、そこには金髪碧眼の絵に描いたような好青年という冒険者が居た。


「まさかいきなり走り出すとは思わなかったから、少しびっくりしたよ。

僕はデニー。君は?」


「ヴ、ヴェイルだけど……」


「ヴェイルか。じゃあ、ヴェイル、君はさっきの『色なし』依頼を受けたいんじゃなかったかい?」


「え?……う、うん」


俺が、コイツいきなり何言ってんだ?という目で見ているとデニーはこっちを安心させるような笑みを浮かべる。


「ああ、ごめんよ。不躾だとは思うけど、たまたま近くにいたから君たちの会話が聞こえてたんだ。

それで、不穏な空気だったから、仲裁に入ろうと思ったら、ヴェイルがいきなり走り出したから追いかけて来たんだ!」


「は?なんで?」


「いや、あの色なし依頼が受けられないと困るみたいだったから、追いかけて来たんだけど、余計だったかな?」


デニーは少し焦った様子でこちらを見てくる。


「いや、そんなことはないけど……」


「ふう、良かった。それで提案なんだけど、良ければあの女の子と一緒に依頼を受けたらどうかな?

もし、ヴェイルが不安だったら僕も一緒に行くし、もちろん依頼料は僕はなしでいい。どうかな?」


「え?いや、デニー、さんに得がないじゃん?」


「デニーでいいよ。うーん……信じて貰えるか分からないけど……おせっかい焼きなんだよね、僕……」


思わず、俺はマジマジとデニーを見てしまう。

白地に金と青で縁取りがしてある高そうな鎧。胸に輝く【冒険者バッヂ】は色が付いていて、赤ななつ、青みっつ、緑むっつ……え?バリッバリの上級冒険者じゃん……。

そんな上級冒険者がおせっかい焼きで、俺とあのホビット女を助けようとしてる?何の冗談だ?


「えーと……それを信じろって?」


「うん……まあ、そういう反応になるよね。

たださ、僕は冒険者という職業に夢を持っているんだ。

でも、現実はそう甘くなくて、冒険者を続けられないって人がたくさん居てさ。

少しでもそういう人が減ったらいいなって……」


「それ……マジで言ってんの?」


「うん。結構、大真面目に言ってるんだけど……」


なにこの聖人?物語の中の人?ああ、よくある英雄譚系主人公の人なのかもな。

でも、信じていいんだろうか?

ただ、ひとつだけ評価できるとしたら、デニーは俺のことを名前でちゃんと呼んだってことだ。


「おーい!」


建物の奥からずんぐりむっくりの髭もじゃ男が、手を振っていた。あれはドワーフ族か?

よく見ればその後ろには小人女がいる。


「ああ、あっちも何とか収まったみたいだ。とりあえず、話だけでもしてみない?」


デニーがそう提案してくるので、俺は「話だけなら……」とついていくことにした。

依頼を受ける建物には併設された酒場があって、そちらは誰でも利用することができる。

食べ物、飲み物はセルフサービス式で、テーブルや椅子はたっぷり用意されているので、何も頼まなくても利用は自由だ。

そこに今、四人で集まっている。


「えーと、とりあえず自己紹介するね。

僕はデニー。魔導具使い。んで、こっちはドワーフ族のロイスト。盾士。

僕たちは普段『ドリームチェイサー』ってパーティーでやってるんだ!」


デニーはそういうとこちらに目を向けてくる。

自己紹介しろって事だろう。


「俺はヴェイル・ウォアム。魔導士……」


「魔導士!?そんな使えない職業なの?」


人の自己紹介にいきなり絡んで来やがったこの小人女。


「これ!なんじゃその態度は!」


ロイストが小人女を窘める。

まあ、俺としては魔導士の使えなさは痛感しているから、その態度は当たり前だと思っている。


「だって、魔導士ってあの前衛がいないと何にもできない職業でしょ?」


「まあまあ……それで君は?」


サラリと流してデニーが小人女のことを聞く。


「ミアン。軽戦士よ……」


「よろしく、ミアン!」


「え、ええ……」


デニーの爽やかな笑みに吹き流されたように、ミアンは怒りを鎮めて頬を染める。

はあ、いい気なもんだ。


「さて、それじゃあ、もう一度確認させてもらうね。

僕が聞いていたのは、ヴェイルは『ケイク』のダンジョンに用があって、【冒険者バッヂ】の期限切れを避けるためにこの依頼を受けたい」


そう言って、メモ用紙をテーブルの上に出す。


「それから、ミアンは早急に金銭を稼ぐためにも近場の『ケイク』のダンジョンの依頼を受けたい。そうだね?」


「そうだ」「そうよ」


俺とミアンは答える。


「一番の解決方法は、この依頼をヴェイルとミアン、二人で受けることだと思うけど、正直、僕としては君たち二人が心配だ。まあ、ケンカもしちゃったしね!」


「いや、ケンカじゃなくて刃傷沙汰じゃん!」


「うーん……ギリギリ抜いてないから、ケンカにしとこうか?

街の衛士に拘束されて聞き取り調査なんて、嫌でしょ?」


デニーはウィンクしてくる。

冒険者が集まる街でいちいちケンカ程度に衛士が出張って来ると、衛士が何人居ても足りない。

なので、ある程度は黙認されるというのが現状だ。

これが武器を構えたかどうかで、大きく変わって来る。

武器を構えたら事件。衛士の出番だ。

俺は武器をそもそも携帯していないので、確実に無罪と言い張れるがミアンは柄に手を掛けている。有罪の可能性はある。

『芋ん章魔術』?ただの紙は武器じゃない。

ただ、聞き取り調査は結構長いこと拘束されるので、被害者とはいえ、今はごめんだ。

俺はぶすっとしながらも黙る。


「そこで、良ければだけど、僕も一緒についていくのはどうかな?」


「え?デニーさんがですか?」


「デニーでいいよ。まあ、ウチのパーティーメンバーの一人が実家に帰省中で、パーティーとしては長期休暇に入ってるから、その間だけになっちゃうけどね!」


「ん?それって今日だけじゃねーの?」


「ちょっと、アンタ!デニーさんは『赤ななつ』よ!

何、タメ口きいてんのよ!」


「いや、別に気にしてないけど?」


「ほら、気にしてないって……」


「はあ!?口のきき方も知らないの?これだからオーク野郎は……」


「ダメだよ。ミアン。冒険者は同じ失敗を繰り返したら、待っているのは死だ。」


「はーい。じゃあ、ウォーくんって呼ぶね!いいよね、ウォーくん?」


いっさい目が笑っていない状態でミアンが言ってくる。

俺はにこやかに答える。


「いいですよ。語感がオークに似ているからなんだろうけど、オーク呼ばわりされるくらいなら、そっちの方がマシですから!」


いや、ほんとにマシだと思う。オーク、デブ、樽、ぶーちゃん辺りの呼び名に比べたらウォアムから来ているだろうウォーくん呼びなら、全然気にならない。


「はあ?いいの?変なやつ……」


ここでオクトならニヤニヤ笑って喜ぶところだろうけど、さすがにそこまで変態にはなれない。

まあ、目くじら立てるほどでもない。


「デニー、さっきの質問の答えは?」


「ああ、どうせなら暫く一緒にやりたいと思ってさ。

僕でも教えられることとかあるかもしれないし、ヴェイルが魔導士だったら魔術も見られるでしょ。

冒険者で魔導士は珍しいから、見たことないし、興味があるから!」


「そっちのロイストは?」


「わしゃ、休暇中は知り合いの工房で世話になることになっておるからな。すまんが一緒にはいけん」


「ふーん。俺は今回に限っては一緒にやってもいいけど、他は無理かな?」


「何か理由が?」


「研究とかあるから、冒険者やるのは月に一度、バッヂの期限を切らさないためって感じでいこうと思ってるから」


「研究?……そうか、ウォアムだっけ?ってことは、もしかして……知識の塔の!?」


いきなりデニーが目を見開いて、俺を見る。


「なんですか、知識の塔って?」


ミアンはキョトンとデニーに尋ねる。


「あ、ああ、知識の塔ってのはこの街に近い『騒がしの森』の側に建っている塔で、大魔導士カーネル様と最上級錬金技士のレイル様が住まう知の最高峰と呼ばれる場所だよ。

特にレイル様の作った魔導具は、僕ら魔導具使いにとっては垂涎の品。千ジン、一万ジン積んでもいいって魔導具使いがたくさんいるんだ!」


「あ、そ、そうなんですか……」


いきなりデニーが勢い込んで話したので、ミアンはかなり引いていた。


「うん!ヴェイルくんは息子さん?」


「ええ、まあ……」


「そうか、なら研究第一なのも分かるよ。

そういうことなら、活動する時はいつでも言ってくれ!

できる限りで協力するよ!」


「その代わり……ってやつですか?」


俺がそう聞くと、デニーはとんでもないという風に首を振る。


「違う、違う!僕はね!ヴェイルくんの作品を見てみたいんだ。欲しいならちゃんと買うよ!

こう言ったらいやらしいかもしれないけど、それなりに稼ぎはあるしね!」


「は、はあ……」


よく分からないけど、デニーってお人好しなのかもしれない、と俺は思った。


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