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コウスの乱心


 翌日、この日は後の世に『コウスの乱心』と呼ばれることとなる、冷たい雨が降る日だった。

 俺はクイラスから聞いた話を含めて、頭の中で状況を再現するように順序立てて考える。





「諸君! 銀輪騎士団とフツルー領軍の尽力により、我らは魔王ヴェイルをついに追い詰めた! 」


 コウス国王、ポワレン・フォル・コウスは、銀輪騎士団長の言葉を鵜呑みにして、五階層に魔王ヴェイルが居るという前提で話をしていた。

 まあ、四階層に橋頭堡を確保できた段階で、国王にしてみれば魔王が六階層に居ようが、七階層に居ようが、大して問題はなかっただろう。

 十階層でなければの話だ。


 この時、この演説を聞く者は全員があと少しで魔王の首が取れると思ったらしい。


「私の近衛騎士団と金十字騎士団も到着した。

 これまでに何体もの魔王を屠ってきた精鋭だ。

 皆の者、お前たち全てが我が国の英雄だ! 

 これより、全軍をもって、魔王のダンジョンを蹂躙する! 」


 国王の宣言に全軍が腕を振り上げ、「応! 」と答えた。


「銀輪騎士団、突撃せよ! 」


 国王の指揮の元、銀輪騎士団がダンジョン入り口に殺到する。

 銀輪騎士団の先陣は全員が新品で煌びやかな『異門召魔術』を装備している。

 これは国王軍到着と共に銀輪騎士団に配備されたものだ。

 『銀輪異門騎士シルバーゲートナイト』とこの瞬間は呼ばれていた。

 しかし、のちに『贋物騎士イミテーションナイト』と可哀想な名で呼ばれることになるとは、彼らも理解していなかっただろう。


「シルバーゲートナイトたちよ! 

 橋頭堡までの道を確保するのだ! 

 臆することはない。

 魔術の加護を得たお前たちならば、ゾンビなど風前の灯に等しい。

 扉を開け! 殲滅だ! 」


 銀輪騎士団長クライド・ポーテッドは団員をそう鼓舞して送り出す。

 クライドは慎重な男らしく、一番槍という栄誉よりも、仲間たちを安全に最前線まで進ませることを選んでいる。


 確かに、クライド・ポーテッドはここまで上手くやっていた。

 しかし、それは軍を動かし『神の試練ダンジョン』を進むという意味ではの話だ。


 『魔王のダンジョン』は『神の試練ダンジョン』ではない。

 『神の試練』ならば、暴走を阻止するために間引きを行い、一歩でも前に進むことこそ重要だが、『魔王の手造りダンジョン』は神の試練に似せているだけで、その実、別物だ。

 死体は勝手に消えないし、自動でモンスターはリポップしないし、順番通りにモンスターが強くなったりしない。

 ある程度、モンスターの強さは信頼度順に並んでいるのかもしれないが、律儀にそれを守る必要はない。


 銀輪騎士団が一から四階層までを虱潰しに殲滅しようとしたことで、俺は作戦二番を発動していた。

 普段通り、軍隊らしくダンジョン攻略をする銀輪騎士団は、索敵はしても探索はしない。


 探索は冒険者の領分なので、宝探しのようなことはしないのだ。


 だから、隠し扉から、わらわらと出る『ベテラン』アンデッドたち。


 鎧と武器を装備し、連携を理解したアンデッドの群れ。

 オーガゾンビはその巨体と大盾で、敵の攻撃を防ぎ、カーバンクルゾンビは魔術への備えをし、ゴブリンゾンビはクロスボウでの遠距離攻撃、ゴブリンスケルトンは槍を持って、オーガゾンビの脇を固めている。


 対モンスター、対神の試練に特化した銀輪騎士団は、対冒険者のような動きは学んでいない。

 『ベテラン』たちはひとつのパーティーであるかのように動く。

 結果は推して知るべしということだ。





「さあ、次だ。

 カフィー領軍よ、進め! 」


 最も遠方より来ている『カフィー領軍』に手柄を立てさせてやろうという国王の温情だった。

 ソウルヘイ、ヂース、スプー、テイサイートの各領軍からも国王の意に従うと、気持ちよく返事をされたことも大きい。


 フツルー領軍が橋頭堡を確保し、銀輪騎士団がそこまでのエスコートを請負い、カフィー領軍が一番槍を務める。

 ソウルヘイ領軍は先乗りして陣地構築という手柄があるので、次はテイサイートの領軍が手柄を立てるべきだった。

 テイサイートは魔王を生んだ地、さらにカーネル・ウォアムの裏切りによって、テイサイートに非があるわけではないが、手痛い失点がある。

 それを帳消しにするためにも、テイサイート領軍が動くのだ。


 カフィー領軍が入り口に吸い込まれていき、国王が自信を持って、次の指示を下そうとした時。


「さあ、テイサイート領軍よ……」


 急遽、動き出したのはソウルヘイ領軍だった。


「ちっ……クイラスめ、何故、逸る……」


 国王は舌打ちした。

 ソウルヘイは王命であるレイル・ウォアムの捕縛に失敗した。

 だが、その失点は三機の『武威徹ぶいとおる』と、先乗りしての陣地構築で回復したはずだ。

 にもかかわらず、ソウルヘイ領軍は動いた。


「これより、我らはコウス王国へ宣戦布告する! 」


 クイラス・ソウルヘイは大音声で、そう呼ばわった。


「ソウルヘイ、ヂース、テイサイート、スプー、この四領は、今日この時より、魔王ヴェイル・ウォアムを盟主と仰ぎ、新生魔王国となる! 」


 クイラスの陣割りは確かにその四領だけ少し離して作ってあった。

 各領に配慮して陣地構築をしたと言っていたが、コウスの王軍を中心に他領を配置する形に陣割りがしてあった。

 そして、ソウルヘイ、ヂース、テイサイート、スプーは中心である王軍から少し離して、且つ纏まり易く、フツルー、カフィー、銀輪騎士団、金十字騎士団は王軍に近いものの、横の纏まりがやりにくいように、木立や丘が邪魔をしている。


「なっ……!? 

 何故だ! 何故、そのようなことに……」


 コウス国王は怒りに肩を震わせる。


 コウス国王の疑問に答える者はおらず、ただ戦端が開かれるのみだった。

 ソウルヘイ領軍の背後、森の中から五十機ほどの『武威徹』が一斉に浮かび上がる。


 そして、四領の裏切りなど一切考えていなかった他の面々は、総崩れとなった。


「王よ、一度退きましょう。戦うにせよ、他の道を選ぶにせよ、態勢を立て直しませんと、どうにもなりません」


 近衛騎士に言われ、王は逡巡したものの、力なく肩を落とすと、全軍に後退を命じた。

 しかし、驚いたのはカフィー領の領主ブルマーン・カフィーであった。


「お、お待ちを! まだ、我が兵たちが戻っておりませぬ! 」


 慌てて騎竜で王の元に馳せ参じたブルマーンが王に訴える。


「う、む……分かっている。分かってはいるが……」


「ブルマーン伯、今は王の安全が先です」


 戦端は開かれたものの、ソウルヘイ、ヂース、テイサイート、スプーの四領軍は未だ本格的な攻勢には出ていなかった。

 どちらかと言えば、追い払うような動きというべきだった。

 それに伴い、国王軍、フツルー領軍、金十字騎士団は追われるままに後退していく。


 銀輪騎士団とカフィー領軍〈ブルーマンは除く〉、フツルー領軍の一部は魔王のダンジョンに取り残されたような形になる。


 四領軍、いや新生魔王国軍は深追いはせず、魔王のダンジョンを守るように陣構えを直して終わりである。


 お互いに睨み合う程度に離れてから 、コウス側から伝令の騎士が白旗を掲げてやってくる。


 騎士が申し伝えるのは、何故、このような事になったのか弁明が聞きたいという事だった。


「弁明とは片腹痛い。

 だが、何故と問われるなら答えてやろう! 」


 クイラス・ソウルヘイが代表して答えた。

 曰く、国王ポワレン・フォル・コウスの政治が問題だった。

 ポワレンは暗愚ではないとの評価を周りから得てはいたが、凡庸で猜疑心が強い国王である。

 そして、政治的には何も為さなかった。

 前国王そのままの政治を続けていただけである。

 隣国ワゼンとの緊張状態は続き、改革は何もない。

 結果として『金色ゴールデンドーン』なる魔王を国から生み出し、『サダラ』の民は護ってくれる兵がなく、流民を多数輩出、さらに『オドブル』は街ごと消え去った。

 あまつさえ、死霊術士だからという理由で魔王に立ち向かった英雄ヴェイル・ウォアムを魔王認定し、『金色』に対する戦力を自ら削った。

 更には、今回の脅しとも取れる強制参軍である。

 ここで、凡庸で猜疑心の強い国王という評価は、ただの暗愚であったという評価に塗り変わったのだ。


 軍を動かすことで、各領は魔王『金色』に対する備えをする余裕がなくなった。


 そこでアンデッドという戦力を持つ魔王ヴェイルを四領主は頼ることにしたのだ。

 彼ら領主とて、馬鹿ではない。

 『オドブル』で生まれた魔王が『金色』だけではないことも、それを誰が倒したのかも知っている。


 これらはクイラス・ソウルヘイの私欲含みの暗躍によるところが大きいが、裏切りの種は最初からあったということだった。


 近衛騎士団を含む国王軍と、金、銀の騎士団、それにフツルー、カフィーの各領軍は数の上では倍以上だったが、突然の裏切りで糧食や予備武器を放り出して後退することになり、対する新生魔王軍は残っていた糧食の上に火矢を用意した『武威徹』が飛び回り、コウス側はどうにもできなくなってしまった。


 戦ったところで、魔王軍を名乗る以上、魔王のダンジョンを刺激するのではないかという懸念があり、逆に退いてしまえば、ダンジョンに突入した者たちを見捨てることになり、人でなしの烙印を押されることになるだろう。


 困った使者は何度も何度も国王軍と魔王軍の間を行き来する。


 交渉の末の結果として、新生魔王国を認め、国王軍はこのまま帰ることとなる。

 魔王のダンジョンに突入した銀輪騎士団とカフィー領軍は即時撤退を余儀なくされる。

 魔王のダンジョンへは撤退通達のために近衛騎士十名が派遣された。

 ただし、その生死に国王軍が口を出すことはない。


 コウス国王はこう考えたのだろう。

 四領の裏切りは許し難いが、この場で戦えば、糧食や武器を押さえられて、陣地から離れてしまった以上、負ける。

 カフィー領軍や銀輪騎士団が異変に気付いたとすれば四領軍を挟み撃ちに出来るが、魔王のダンジョンからアンデッドが出てくるようなことがあれば、今度は窮地に立たされるのはこちら側だ。

 また、ソウルヘイの『武威徹』もまずい。

 渡された三機も操縦士はソウルヘイの者で、いつのまにかソウルヘイ軍に戻ってしまっていた。

 空に対する備えがない。

 それくらいならば、一度撤退して、改めて攻略法を考えよう。

 一領ずつ切り崩してもいいし、隣国と結んで、戦力の増強を考えてもいい。

 それくらいの余地はまだある。


 銀輪騎士団とカフィー領軍は少なくない犠牲を出しながら魔王のダンジョンから撤退した。

 魔王のダンジョンから出てきた国王側の戦力は、口汚く四領軍を罵った。


 しかし、四領軍はそれを静かに聞き流した。


 そうして、国王軍全体が見えなくなってから、四領主は魔王のダンジョンの入り口にやってくる。


 入り口にはクーシャが立っていた。

 クーシャは表で何が起こったのかを見極める斥候を買って出てくれたのだ。

 そうして、状況を把握したクーシャは地面に棒で簡単な説明を書きつける。

 俺はそれを盗み見ていた。


 とりあえず安全そうなので、じいちゃん、アステルと共に外に行くことにする。

 アルとアルファは留守番を任せる。


 表に出て、クイラスから五体投地で出迎えられそうになるのを止めて、色々と状況を聞いたら、そういうことになっていた。




 テイサイートの領主、ブリュレー・テイサイートがじいちゃんに挨拶する。


「カーネル様。やはり、お戻りになられていましたか」


「おお、ブリュレー殿、それに、クラフト殿にオルニオ殿、お久しぶりですな」


 まあ、じいちゃんは国の中枢にいたから、各領主とも面識があるようだった。


 俺たちはそれぞれに自己紹介をした。

 それにしても、テイサイート、ヂース、スプーの領主に頭を下げられる日が来るとは思ってもみなかった。


「クイラスのお任せ下さいって、こういうこと!? 」


「はい。いかがでしようか。

 師匠には、我ら四領を束ねる王になっていただきたいのですが」


「いやいやいや……確かに国王たちは帰っていったけれども……」


「魔王様のダンジョンを中心に、どーんと城でも建てますかな」


「おお、やはり国王たるもの、対面は重要ですからな」


 ブリュレーさんとオルニオさんが盛り上がっている。

 ブリュレーさんはじいちゃんと同年代で八十代の筋肉ムキムキおじいちゃんでどこかで見たような顔をしている。オルニオさんは五十代くらいでちょっと親近感を感じるでっぷり体型だ。


「ち、ちょ、待って、待って! 

 俺は、魔王認定された身ですよ!? 」


「ええ、それはコウス王国に於いては、ですな。

 新生魔王国、いや、ヴェイル王国ですかね。

 ヴェイル王国では、関係ありませんな」


 そんなことを言うのはクイラスと同年代らしく、三十代のクラフトさん。

 畑仕事が好きらしく、 肌はかなり日焼けしている。


「ほほう……ヴェイル王国とな」


「ええ、ヴェイル様に立っていただくなら、それがいいかと」


「いや、じいちゃん! それにオルニオさんも勝手に話進めないで! 

 俺は王様なんかになる気ないからっ!? 」


「「「「えっ!? 」」」」


 四領主が言葉に詰まる。


「し、師匠……それでは困ります……」


「そうです。金色の魔王のこともありますし……」


「クイラス殿、話が違うのでは? 」


「どういうことかな、クイラス殿」


 クラフトさん、オルニオさん、ブリュレーさんが口々にそう言ってくる。


「クイラス。何がどうなってるのか、説明してくれ」


 俺も同じく、クイラスに詰め寄った。

 クイラスは変な汗を流しながら説明を始める。


「ええと、ですね……師匠の魔王認定を外すには、師匠が別の国の人間になればいい訳です。

 しかし、コウス王国には師匠の家族が住んでいる訳で、ただ亡命したところで、コウス王はそれを見逃しはしないでしょう。

 ですから、ここにいる御三方に私は国に対する叛意をお伝えしました。

 御三方とも、信用のおける方たちですし、今の国の在り方に不安や不満を募らせていますから。

 そうして、私は御三方に王が握り潰したヴェイル師匠の功績をお伝えしたのです」


「ええ、黄昏のメーゼが起こした一連の事件。

 アンデッド化した王兄のクーデターを防ぎ、七人の魔王を生み出そうとしたメーゼの計画を瓦解させ、生み出された三体の内、二体をたったの四人で倒したとお聞きしましたな」


 オルニオさんがそう言って補足する。


「それは嘘ではありません。ねえ、師匠」


「あー、まあ、うん……クーシャとアステルが居てくれたからね」


「……となれば、ヴェイル様は英雄ってことだろ。

 なのに、魔王認定された不遇な身だ」


「しかも、優秀な死霊術士で、かと言ってそれで近隣に被害を及ぼすような不埒な真似はされてない」


 ブリュレーさんとクラフトさんが言う。


「ですので、金色の魔王に対抗できる力を持ち、英雄的行動をしてきた師匠に王になって戴こうとお話を進めたのです」


「しかし、クイラス殿はこうも言われたな。

 ヴェイル様の了承は取ってあります。

 全て任せるとこのクイラスに仰っていただいております、とな」


 クイラスにジト目を向けてクラフトさんが言う。

 俺は、ようやく合点がいったが、しかし、クイラスに任せたら、いきなり王様になりましたでは、感情がついて来ない。

 あと、そこまでやれとは言ってない。


「ええと……確かに、クイラスに『やれ』と命じてくれって言われて、頼むとは言った……」


「では……」


 クイラスが喜色をあらわにして、俺を見る。


「王様は無理。あ、でも、金色の魔王に関しては協力したいと思う」


 何しろ『金色』は本当に魔王だ。

 アルが生き返った世界にそんなのはいらない。


 クラフトさんはあからさまにホッとした顔をした。


「しかし、既に新生魔王国を名乗ってしまったしな。

 今さら、ヴェイル様が国王ではないというのも……」


 難色を示したのはブリュレーさんだ。


「うむ、国の代表がいないとなると、纏まるものも纏まらないだろう……」


 さらにオルニオさんも苦い顔をする。


「いや、そんなこと言われても、政治なんて分からないし、どうにもならないよ」


 俺も困った顔をする。


「あの……」


 それまで無言で見守ってきたアステルが小さく手を上げる。


「なにかな、お嬢さん」


「は、はい、不躾ながら、少しよろしいでしょうか」


「ふむ、聞こうか」


「ベルさんが、国王でもいいんじゃないでしょうか? 」


「いや、アステル、あのさ……」


 俺がいい募ろうとするのを、アステルが止める。


「ですが、政治はその下に議会を置いて、合議制にすればいいんです。

 国王は君臨すれども、統治せず。

 皆様に必要なのは、軍事力と国の顔ということですよね」


「まあ、そうじゃな」


 とブリュレーさん。


「コウスからの報復にも備えねばならんしな」


 これはオルニオさん。

 まあ、コウスから見れば反逆だから、それもそうか。


「でしたら、何も分からないベルさんが国の舵取りをするよりも、皆様の合議制で国を切り盛りして、名前と軍事力だけ借りてしまえば、問題ないですね」


「おお、なるほど! 

 それなら師匠に迷惑を掛けずに済みますな! 」


「まあ、王となれば多少はベルちゃんが動かねばならない時も来ようが、最小限の負担で済むじゃろうな」


「いかがですか、ベルさん? 」


「えー、それってどうなの? 

 悪いけど、まともにやれる自信なんかないよ」


「よい、よい。まともな国王なんぞ、じいちゃんの年になっても見たことないわ。

 それでは、各々方、細かい話は儂としようかの……」


 そう言ってじいちゃんは四領主を連れて、クイラスの陣地の方に行ってしまう。何故か、アステルまでもだ


 国王にさせられて、置いてきぼりにされるって何なの? 


「よ、良かったね! じゃ、じゃあ戻ろう」


 そう言ってクーシャに肩を叩かれた。

 何が良かったん? 魔王国に居る限り、魔王じゃないって。いや、魔王じゃん。


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