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第参話
深海に永遠に閉じ込められたように何の感覚もない私であるが、それでも当然眠ったり起きたりはする。
夢と現実の区分は曖昧だが、ある時、彼女が、
「何だかいつも苦しそうです」
と、私が先程まで寝ていた時に言ったので、どうやら私は眠っている時は魘されているらしい。
「夢の中でくらいは自由に歩き回って、笑うヴァンパイアさんであって欲しいです」
それから寝かし付けてくれるようになった彼女の穏やかな声だけが、私の密かな楽しみになった。
そんな日々が数年――いや、もっとか?私に正確な時は分からない。長い期間続いて――ある時のことだ。
私の前に神が現れた。
正確には神と名乗る男だ。それが現れた。




