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エッセイ つれづれ

集合住宅に野生はいらない…

作者: のどあめ

ほのぼのエッセイが書けない

のどあめです。


現在進行形で集合住宅を襲う野生生物の脅威に怯える話です。こんな目にあっている人もいるのね、とお読み頂ければ幸いです。


注)獣害について直接的な表現があります。苦手な方はバックお願いいたします。



  こんにちは。のどあめです。


九月になり、まだまだ暑いものの少しずつ空が高くなり秋の空に変わっていくこの頃。しかしながら。ここ数ヶ月、私の外出はいつも緊張感を伴っています。


あ、今朝はエレベーターの中まで微妙に臭う。4階、3階、2階…さあ準備だ、息を止めて。エレベーターの扉が開く。さあ、出口までダッシュ!


それは臭い(におい)から始まりました。


はじめは住人のペットの不始末かなと思っていたのですが、臭いは徐々に広がり一階廊下中に形容しがたいケモノの濡れた臭いがするようになりました。



うちのマンションの一階は共用部分にお招きもしないのに自然の何かが住み着いたようです


つくづく思うのです。 

自然を守ろうとか、自然を大切に、と人間が言うのは実際の自然の脅威を知らない余裕ある立場にあるからこそ言える言葉なのではないかと。


だって野生は人が思う以上にふてぶてしく逞しい。


例えばハト。

昔ベランダで家庭菜園をしていたとき、プチトマトを執拗に狙っていたのはハトでした。

プランターに鳥避けネットをかけてもネットからはみ出た食べ頃のトマトだけを根元からむしって持っていく、ずる賢くも貪欲な手口。


「あのハトの夫婦!向かいのマンションからずっと様子を伺って、人がいなくなるとやってくるのよ!」 


と母は激怒していたものです。

思えばあの夫婦、実にふてぶてしく陰険な目つきをしていました。


挿絵(By みてみん)


こんなこともありました。

ある時、家族に「今年の夏はキャンプをしようか?」と提案したら猛烈なブーイングを喰らいました。その時の忘れられないパワーワード。


「自然はお腹いっぱいなんだよ!」


後日、家族は言いました。自然に慣れ親しむとかえって不愉快なことや脅威があることも理解できて嫌になってしまうのだと。


確かに彼らの周りには蝶々やバッタ、カブトムシ、クワガタがいましたが、それ以上にスズメバチやゲジゲジ、ヒル、ムカデ。時にはマムシも出現していたのです。そして家族はよく知ってました。キャンプ場にはそれらに加えて蛾も来襲すると。



言われた当時は「あなた達、あれほど自然が大好きだったのに」といまいちピンと来なかったのですが。


今回の臭い騒動でよく理解できます。自分、割りと穏やかな性格だと思ってましたが。かの荒川先生の百姓貴族にでてくる目を血走らせて害獣駆除を叫ぶ農家の人側に一瞬にして変わりましたもの。


いくら自然保護とか言っていても実際に脅威や被害にさらされると人間の意識って簡単に変わっしまうのですね。



 で、今 集合住宅な我が家に謎の野性が確実に住み着いている。管理組合も動いているようですが天井裏に潜んでいる謎の生き物の駆除に苦戦しているといいます。


調べてみました。

まず「マンション 害獣」で検索します。すると「ネズミがでた物件は終わり」という衝撃的な題目が出てきたではありませんか!うち、まだローン残っているのに。

動物のお医者さんで二階堂くんが大嫌いだったアレです。


深呼吸し勇気をだして検索記事を読みます。いかに集合住宅でアレの駆除が難しいかという記事でした。


 まず目に入る衝撃的な事実。

それは「アレは500円玉サイズの穴を通り抜ける」。何それ。

500円玉は直径26.5ミリ。つまり2センチ半強の穴から侵入可能だと?


そういえば、うちのマンション、共用部の工事してた。その穴から……。ついでに言えば近所で解体工事してた。解体工事があると移動してくるとも書いてあるや、ははは。


さらにさらに。ハツカネズミは成人の人差し指が入る穴から侵入可能と。思わず己の人差し指を見ました。アレは一体どういう頭蓋骨の構造をしているのでしょうか。肩とか抜けるの?縄抜けするするできちゃうの?


次にラットサインの解説に戦慄を覚えます。ラットサインとはアレらが通り道に撒き散らす排泄物、齧り跡、あとは黒い擦り跡なのだそうです。アレは視力が弱いので壁に身体を擦り付けるように移動するのだとか。擦り付けた時に汚い身体の汚れとか脂がつくのが薄汚れた黒い跡、これもアレがいる痕跡なのだとか。ラットサインには当然、サルモネラ菌等の病原菌が付着しているので不用意に触るなとありました。


ふと、掲載された写真に目がいきました。それは有線LANケーブルにこびりついたラットサイン。


アタシ、これ見たことある。職場の引越しで回収したLANケーブル。所々、こんな色してた。

ベテランのオジサマが汚いから触らないようにって言ってた気がする。さりげなく小声でアレの名前を言ってた。私、ケーブル触ってたかな?思い出せないや。


おじさんもはっきりとは言えなかったのでしょう。クソ忙しいのに悲鳴を上げる若手社員の相手するの面倒くさいし。あの時は私も忙しさで麻痺してたのかスルーしてたけど。

今、思い出したくなかった!

一生理解したくなかったな!


しばらくは共用部の廊下におぞましきラットサインがあるか恐々探していました。あれ?壁の所々に黒い跡があるような気がする……。


念のため調べてみました。ええ、またもやアレの恐怖の実態が判明しましたよ!


それは驚異的な立体駆動能力。

調べて見たら壁を余裕で登れました、アレら。そして、恐ろしいことに。


クマネズミは2メートルの高さを飛び上がれるそうです。助走無しで。クマネズミの体長は約20センチ。自分の身長の約10倍の高さを飛ぶという事になります。これ、人間に例えると成人の身長で15メートルから17メートル飛べることになります。建物5階から6階の高さを飛べる、と。何それ。化け物じゃないかな?


 そして言うまでもない脅威の繁殖力。あの名セリフ


「~の裏にはネズミの卵で一杯だ!」


漫画を読んでいた時はなぜ笑っていられたのでしょう。今、私が一番言いたい! そう叫んでいたら、家族に「何、非科学的なこといってんの?」と冷たい目でみられました。悲しい。


動物のお医者さんの二階堂くんがネズミが大嫌いになった気持ちがよく分かります。


どんな狭い所からも入り込み、一気に体長の10倍の高さを飛べる身体能力を持ち、病原菌をばらまく。そして高い繁殖能力。凶悪なテロリストか影の軍団? 根絶が困難なわけです。


思いました。なろうには獣人とかモフモフ最高!とか溢れているけど。私は絶対にネズミ獣人とは仲良くなれそうもない、と。


というか、獣人国を確実に牛耳れるでしょ?ネズミ獣人。絶対多数のマジョリティでしょ。(錯乱して頭痛が痛いような事いってます)


でもネズミ獣人自体あまり、なろうでのキャラで出てこないですね。


お伽噺でも鶴、狐、犬、龍、狼との異種婚姻譚はあれど。

ねずみの嫁入りはねずみ同士でハッピーエンド。ねずみが人間の嫁もらった鼠草子は正体ばれた途端、嫁が出ていき残されたねずみの旦那は出家して。なぜか同じく出家している天敵の猫と一緒に暮らす誰得エンド。やっぱり昔の人もアレ相手はきついと思ったんだな、きっと。


閑話休題


さて。下手に駆除をしようとしたのがよくなかったのか。異臭が表口から私がよく使う裏口に移動して参りました。エレベーター近くの通気穴から漂うケモノの濡れた臭い。もう鼻についちゃって自室に戻っても臭ってくるように感じてしまって辛い、辛すぎる。


チラッと思いました。アレってこんなに臭うものかなって。


管理人さんに話を聞きに行きました。管理人さんは消臭剤を持ち歩いていました。懸命に消臭に努めていても臭いがおさまらないそうで、大変そうです。根本的な解決になっていないのが大変残念でございます。


話を聞いてみますとね。

保健所にも相談して駆除を試みても害獣の特定に至らないそうで。古いマンションなもので天井裏の人が入り込めない所に入り込んじゃってどうにもならないらしいです。


設置した罠の荒らされ具合からアレではないとのお話でした。

では何?ハクビシンだろう、という事 でございました。


ハクビシン。猫より少し大きめな細長い顔をした野生。コレも卓越した立体駆動能力の持ち主です。電線の上を伝って移動できるんですよ、コレ。あと、SARSを始めとした病原菌を媒介するので有名ですね。ダニ、ノミの被害もあるらしいですよ。とぼけた顔して凶悪です。


挿絵(By みてみん)



最近、住宅地で生息範囲を広げていると言われます。深夜に帰宅する家人は電線の上を歩く姿や親子連れを何度か目撃してます。同じマンションの住民の方も多数目撃しているそうで。(ハクビシンの活動時間の深夜に帰宅するうちのマンションの住民、ブラックすぎじゃね?)


私はなぜか昼間に目撃したことがあります。


そこはオフィス街のど真ん中。

信号待ちの私から見て向かい側の歩道の植え込みからコレは現れました。


猫より少し大きめなやけに尻尾がふさふさした見慣れない生き物。タヌキ?いや、それにしては顔が細長い。一体なんだろう?


コレはやけに慣れた足取りで植込みから四車線の道路を斜めに横断していきます。私も横断歩道を渡り反対側からコレの様子を見てました。コレはこれまた堂々と植え込みを抜けながら向かいの歩道を移動して。出くわしたサラリーマンに「わっ!」とか「うぉっ」と悲鳴をあげさせて、公園の方向に消えていったのです。全く人を怖がってませんでした。逆に人を怖がらせていました。


後日、動物の生息調査をされている方のHPで問い合わせたらハクビシンだろうとの回答をいただきました。昼間に見かけるのは珍しいそうです。めちゃくちゃふてぶてしく人慣れしてましたけど。


 このハクビシン。困った性質がありまして、排泄物を一所にまとめてするそうです。臭いわけです。


犯人はおまえか!


そして木造の建物だとその排泄物で天井が腐ることもあるそうで……。

や め て~!



管理人さんの話に戻りますと。天井の換気扇なり空調交換が必要になりそうで結構な費用がかかりそうとか。


アタシ、知ってる。それ向こう半年以上どうにもならないやつだ。


全く問題が解決していないのに管理人さんとお話して半分終わった気になった浅はかな私は帰宅した家族に話をしました。


「害獣ね、ネズミじゃなくてハクビシンらしいよ?ネズミはクマネズミの死体が一体見つかった以外見つからなかったって」


すかさず突っ込まれました。


「おい、なに丸め込まれてんだよ。このマンション、ネズミ()いるんじゃないか!」


ああ、集合住宅に野生はいらない…

なるはやで解決してほしい(切実)


イラストは家族提供。感謝です。

挿絵は幻邏さまのゆるっとマニュアルを参照しました。分かりやすくてとても助かりました(o^-^o)


そしてアホな拙文を最後までお読み頂きありがとうございます。いつか、ほんわかほのぼのエッセイを書いてみたいです。憧れます。

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― 新着の感想 ―
そこに生活基盤を置かない第三者として見ている分には良く見えても、実際に住んでみると害虫を始めとする様々な問題点がとたんに目に付いてくる。 昔から「夜目遠目笠の内」とは言いますが、自然豊かな環境もまたそ…
なんてこった… 参りますよね……
[良い点] 人間が好きな自然は、自分に都合の良い自然だけなのです。虫なんか絶滅してくれればいいのに! (私情) イラストで過去のハト害思い出して殺意が芽生えました(笑) [一言] イタチかも・・・うち…
2024/09/15 08:54 退会済み
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