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どうしようもないこと
立っていても座っていても、その場でずっと空想にふけることができる。
身体を現実に置いたまま、心が空想の世界に飛んでいってしまう。
そんな変わったやつが、普通に接してもらえるほうがおかしい。
教室でも校庭でも、そうなってしまっていたのだから。
だけど、空想の世界に旅立っているとき以外、心は現実に存在している。
自分ではどうしようもないことで傷つき、
馬鹿にされ続けることになった。
でも、それは当たり前のことだし仕方がない。
誰のことも責められないし、責めようとも思わない。
どうしようもないことだから。