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絶望にサヨナラ  作者: 桜瀬悠生
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心的な皮膚感覚

 熱したフライパンや冷たいアイス。


 本当に熱いのか冷たいのか、手でさわってみる必要はない。


 手を近づけるだけで、熱気や冷気を感じることができるからだ。


 その距離は温度によって違うだろうし、人によっても違うだろう。


 それでも、数メートル先から感じられる人はいないはずだ。


 だが、その距離からでも熱気や冷気を感じられる人がいたとしたら。


 普通の人が平気な距離や温度でも、耐えがたい熱さや冷たさを感じてしまうとしたら。


 他の人には理解してもらえず、頭がおかしいと思われてしまうだろう。


 蔑んだ目で見られたり、病院に行けと言われることもあるだろう。


 同じ感覚の持ち主以外には、けっして理解してもらえない。


 それが、僕たちの皮膚感覚。

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