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確かなこと
生きているということは、存在しているということである。
だけど、それを証明するものはあるのだろうか。
この文章が存在しているのは、ひとりの人間が生きていたからだ。
この文章が読まれているのは、ひとりの人間が生きているからだ。
でも、僕の存在を証明するものはない。
生きているのか、いないのか。
存在しているのか、いないのか。
この瞬間、キーボードを打っていたとしても。
だから、とりあえず過去形にしておこう。
確かなことは、ひとつだけ。
いま、ひとりの人間が生きているということ。