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無
死というものを真剣に考えると怖くなる。
その先にあるのは何もない世界。
この世界とのつながりはなく、ひとりぼっちの世界。
死んだら僕はすべてを失うけれど、僕が死んでも誰も失わない。
僕は何のために生まれて、何のために死んでいくのだろう。
苦しい思いをしながら何年も生きて、残された結末はひとつだけ。
あまりにも悲しくて寂しくて、あふれるように涙が出てくる。
どうして僕は、こんなにも孤独なのだろう。
一晩中泣きはらし、死の恐怖に怯え続ける。
でも、そこにしか救いはない。