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マイナスの呪縛
僕は、いつも100点を基準に考えてしまう。
100点にはまだ50点たりない、100点には30点たりない。
これなら十分だと思えたとしても、すぐに粗探しを始めてしまう。
ここがダメだからマイナス30点、ここがダメだからマイナス20点。
減点をくりかえすたびに、失われていく未来への自信。
100点じゃないのなら0点と同じで、0点の自分には何の価値もない。
自分の無価値さに打ちひしがれて、前に進もうとしていた足が止まる。
100点にどれだけたりないかではなく、0点からどれだけとれたのか。
減点ではなく加点をしていけば、いつかはきっと自信になるのに。
どうして僕は、そんな簡単なことができないのだろう。
いつまで僕は、自分を認められずに苦しむのだろう。
自分のことを認めたい、自分にも価値があると信じたい。
そう願いながら、きっと最期まで。