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ボクときみは親友
相手にしてみれば、ほんの軽い気持ちだったのだろう。
だけど、そのひと言がすごく嬉しかった。
まさに天にも昇るような気持ちで、
自分にもこんなことがあるのだと思った。
でも、それは苦しみの始まりでもあった。
相手のことを信じたいのに、どうしても疑ってしまう。
そんな自分のことを裏切り者に感じて、激しい自己嫌悪に陥ってしまう。
苦しみから逃れるために気持ちを吐露しては、謝ってばかりいた。
だけど、その人はずっと笑って許してくれていた。
怒りもせず、いやな顔もせず、変わらずに接してくれていた。
結局、耐えられなかったのは僕のほう。
どうしても自分を許せなくて、心を粉々に砕いてしまった。
何もかも一緒に。