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組織

「毒蜘蛛のNO.1は、ウーナと言う奴です。歳は若いですが、その実力はNO.1の称号に相応しいと言えます」


流石は元毒蜘蛛の方。内部の情報がダダ漏れです。


「……しかし、これは噂で聞いた話なんですが、ウーナの上にNO.0の奴がいると聞いたことがあります。そして、そいつの能力は傀儡。相手を洗脳し、自分の駒として使うことが出来ます」


リチャードさんは神妙な面持ちで仰りました。

ゴリさんはその言葉を聞き、何やら頭を抱えていました。


その噂が本当で、NO.0の方が実在するとすれば中々に厄介な方に間違いありません。


「……因みに、この間来た爆乳のお姉ちゃんは誰?」


おずおずと手を挙げてルイスさんがリチャードに問いました。


──まだ爆乳を追っていたんですか?


私とシモーネさんが、汚物を見るようにルイスさんを見ると「男の性なんだよ!!」と、訳の分からないことを仰りました。


「あぁ、それはきっとNO.6のセクスでしょう。正真正銘の女ですが、怪力の持ち主です。下手に手を出すと全身の骨を折られますよ?」


「……えっ?」


ルイスさんは目を白黒させ、理解が出来ていない様です。


──なるほど、壁を破ったのは素手だったのですか。


「あははは!!良かったじゃない、ルイス。お目当ての爆乳の正体が分かって」


シモーネさんがルイスを囃し立ててます。

ルイスさんは探し求めていた女性が怪力だと分かって、何とも言えない表情で爆笑するシモーネさんを見ておりました。


正直、ここまでの情報が得られるとは予想だにしておりませんでした。

やはり、元組織の人間がいると確実な情報が手に入るので有り難ですね。


「──奴らも切羽詰って来たと見えて、行動が大胆になって来た。そろそろ本格的に動くか……」


ゴリさんがおもむろに仰いました。

他の皆さんもその言葉を待っていた様で、一様に首を縦に振り、答えます。


「――……じゃぁ、早速だが、()()()を迎えようか?」


ゴリさんは小声でそう言うと静かにドアの方へと歩いていき、ドアを勢いよく開けました。

そして、開けた先にいたのは……


「……ゲルダ!?」


そう、侍女長のゲルダさんです。

ゲルダさんは一瞬ひるんだように見えましたが、すぐに「あ、す、すみません。お茶の用意をしようと……」と、手に持った茶器を見せながらゴリさんに必死に伝えています。


しかし、ゴリさんは敵を認識した時の表情でゲルダさんを見つめています。

それに気づいた私達は、いつでも動けるよう身構えます。


――まさか、ゲルダさんが……?


私は未だに半信半疑ですが、ゴリさんは確信を得ているのでしょう。

でなければ、あのような顔をするはずありません。


「さてと……侍女長が盗み聞きか?」


「いえ!!盗み聞きなどしておりません!!私は本当に――」


ヒュンッ!!


ゴリさんがゲルダさん目掛けて小刀を投げつけ牽制しました。

小刀はゲルダさんの顔を掠め、壁に刺さりました。


流石にリチャードさんが「ちょっと待ってください!!」と止めに入りました。

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