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感動の再会

あの後、馬車の荷台を確認すると女性子供さらには、見た目の良い成人男性まで手枷を付けられた状態で囚われておりました。

その中から、ネリさんのお母様を発見いたしました。

お母様にネリさんに依頼されて来たこと、更にその依頼金は自分のおこずかいから出していたことを伝えると、お母様はその場で泣き崩れていました。

そして、私とヤンさんに何度も何度も「ありがとうございます」とお礼を伝えてきましたが、それはネリさんにお伝え下さいとお願いしました。


とりあえず、この囚われた方々はシャーロットさんにお願いして、一旦『マム』へと送っていただきました。

そこで住む場所のある方や拐された方はそのまま解放となり、逆に住む場所のない方や生活費の為に両親らに売られた方は、ゴリさんが伝手を使い住み込みの仕事を紹介しておりました。


そして加害者のあの方々ですが、入院中のお二人を除いた四名は城の門の所に縄で纏めて捨てておきました。

分かりやすく『私達は奴隷商人です。人間のクズです。煮るなり焼くなり好きにしてください』と、立て札をお付けしておきました。


──すぐ門番の方に見つかるようにしておきましたので、今頃塀の中でしょう。


入院中の方は傷が治り次第塀の中へ送る手筈が整っています。


さて、今回の依頼人のネリさんの反応ですが……


「ネリ!!!!」


「ママーー!!!」


顔を見るなりお母様の胸に飛び込みました。


──感動の再会ですね。頑張ったかいがありました。


「ごめんね!!ごめんね!!寂しかったね!!」


お母様は何度も何度もネリさんに誤っておりました。

……お母様は誤る必要などありません。元はといえば、あの奴隷商人の方が悪いのです。


お二人はきつく抱き合いながら、その温もりを確かめておりました。


「……ずびっ、よがっだなぁ~があちゃんに会えて……」


その光景を見たジェムさんが、思わず貰い泣きしておりました。


「お姉ちゃん、ママ助けてくれてありがとう!!」


ネリさんはとてもいい笑顔で私に向かって仰りました。

私はネリさんの頭を優しく撫でながら、微笑み返しました。すると……


「私も大きくなったら、お姉ちゃんみたいに悪い奴やっつける人になる!!」


と、元気よく宣言されました。

一瞬驚きましたが、強くなることはいい事です。


──楽しみに成長を見守りましょう。


ネリさんの頭を撫でながら、そう思いました。


「……おい、マリー。あの、女神みたいな人誰だ?」


そう聞いてきたのはルイスさんです。

なぜか、シャーロットさんまで『マム』に付いて来たのです。


──……人嫌いと聞いていたのですがね。


「……あの方は、ゴリさんのご友人ですよ」


ルイスさんにそう伝えると、ルイスさんは大変驚いているご様子。


「え!?まじ!?美女と野獣じゃん!!!俺、紹介してもらってこよ~」


意気揚々とゴリさんとシャーロットさんの元に駆けていきましたが、うまくいくと思っているのでしょうか?


私はテーブルに肘を付きながら、ルイスさんの動向を見守っておりました。

そして、ゴリさんとシャーロットさんが何やら喋っていたと思ったら、泣きながらルイスさんが戻って来ました。


「マリー!!あの人なに!?女神の仮面を被った軍神じゃない!!」


そう仰るなり、テーブルに突っ伏してしまいました。


……一体、何を言われたんですか?


そう思いながら、ゴリさんとシャーロットさんの方を見るとお二人共、不敵な笑みを浮かべておりました。


──……あぁ、なるほど。


これはルイスさん、完全に遊ばれましたね。


軍神もあながち間違いではありませんし、このまま訂正しない方が面白そうなので、敢えて何も伝えずただ突っ伏しているルイスさんを眺める事にしました……




今回の報酬……ネリさんのお母様救出20ピール


借金返済まで残り5億8千40万2020ピール


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