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刺客

「ジェムさん!!!」


「遅ぇよ!!!」


現場に着くと、数人が切られたようでした。

しかし、意識はハッキリしていているので、命に別状は無さそうです。


とりあえずは、ホッとしました。


「ジェムさん、頑張りましたね。ゴリさんにご褒美をお願いしときます」


「そんな事言ってる暇はねぇ!!」


そうですね。

辺りを見渡せば、こちらの刺客は2人。

しかも、片方は女性の様ですね。


武器は、剣と大鎌ですか。中々物騒な物持ってますね。


「……私はあの大鎌の方を、ジェムさんは女性の方を相手願います」


察するに、大鎌の方はジェムさんでは相手になりません。


「えぇ!!女性には優しくしろってばぁちゃんが……」


「じゃあ、あの方は芋だと思ってください!!」


「誰が芋よ!!?」


おや、聞こえてしまいましたか?

芋がダメならかぼちゃでもいいですよ。


「つべこべ言ってる暇はありません!!死にたくなければ、お祖母様の言葉など頭の片隅に追いやりなさい!!」


──来ます!!


ドンッ!!


「お話は終わったかい嬢ちゃん?待ちくたびれちまった」


「ええ、今しがた。お待たせして申し訳ありません」


大鎌は地面を抉り大きな穴を空けました。


これは、一発でも当たったら骨が折れるどころではありませんね。


「先にお尋ねしますが、あなた方はクレメール伯爵の手の者でまちがいありませんか?間違えて怪我を負わせたら賠償問題ですので」


「がははははは!!!面白い嬢ちゃんだ。その言い草だと、俺に怪我させるつもりらしいな?……やれるもんならやってみな」


笑いごとじゃありません!!重要な事です!!

賠償金まで請求された日には、目も当てられません。


まあ、あちらがやっても良いと言質を取りましたので今更どうのこうの言う事もありませんね。


「……参ります!!」


果たして、私の剣が何処まで耐えられるか分かりませんが……


大鎌の方は、大鎌を上手く操り的確に私を狙ってきます。

大鎌と言うだけあって、中々近付けず逃げ回ることしか出来ません。


──このままでは、終わりが見えませんね。少々、疲れても来ましたし……


「おいおい、さっきの勢いはどうしたよ!?口だけかぁ!?」


……鎌を振り回すだけのカマキリに言われたくありませんね。


ピョンッと木の上に立ち、カマキリ男を見下ろします。


「はんっ!そんな所に登って逃げたつもりか?」


いえ、私は逃げも隠れも致しません。

父様は逃げるような臆病者は死んだも同然だと仰っていましたから。


「さあ、いつまでそこにいれるかな?」


そう言うと、私のいる木の根元から大鎌で切り倒そうとしているようでした。


──お馬鹿さんですね。


何度か木に大鎌を打ちつけ、そろそろ半分に達しそうな時に待ちに待った時が訪れました。


「ん!?な、なんだ!?鎌が抜けん!!」


私のいる木は、ボンドの木です。

この木の樹液は良くくっ付くので、ちょっとした物の修理など用途は様々です。


因みに、今回の使用法は特例ですのであしからず。


「鎌のないカマキリなど、お給金の入っていない袋と同じです」


「くそっ!!」


頑張って大鎌を取ろうとしていますが、この木の粘着力は素晴らしいんですよ?

そう簡単には取れないでしょうね。


「さて、そろそろ参りますよ?」


「ちょ、ちょっと待て!!今──」


待てません。


木の上から飛び、カマキリ男目掛けて剣を振り下ろしました。


「……くそっ……俺が……負け……るとは……」


そう口にして、その場に倒れました。


命までは奪っていません。気を失っただけでしょう。

ここで殺すのは簡単ですが、しっかり罪を償ってから死んでください。


残るは一人。ジェムさん、特訓の成果を見せてくださいね。

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