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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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ティムさんの登場

パンッ!!!!


殿下がアンデッドに斬り掛かる寸前、銃声が聞こえました。

銃弾はどうやらアンデッドの腹を貫通したらしく、血が流れ出ています。


「な……ん……やん……?」


その言葉を最後に、アンデッドは砂となり風に吹かれて行きました。

すぐさま銃声のした方を見ると、拳銃を手にしたティムさんが立っていました。

その顔は誇らしげに微笑んでおります。


「いや~、時間かかっちゃった。ごめんね?」


いえいえ、感謝する事はあれど、責める気は全くございません。

あまりにも呆気ない終わりに少々驚いたぐらいです。


「……ティム……出来たか?」


横になったゴリさんがティムさんに尋ねました。

ティムさんは、ゴリさんがやられた姿を見て一瞬殺気づきましたが、すぐに気を落ち着かせゴリさんの元へ。


「……派手にやられたね。これ飲める?」


ゴリさんに手渡しのは、ティムさんお手製の回復薬です。

いつもはもう少し薄い色をしているはずの薬ですが、今ゴリさんが持っているのはドロドロの緑の液体です。


「……毒薬か?」


顔を顰めてティムさんに問いかけていました。

案の定、飲むのを躊躇っていますが、丁度その時ゴリさんを呼ぶ声が……


「隊長!!!」

「童共!!!」


声の主はキャリー様と、シャーロット様でした。

キャリー様はゴリさんの様子を見るなり、真っ青になりながら慌ててゴリさんの元へ駆けつけてきました。

そして、ゴリさんを抱きしめながら「隊長!!隊長!!」と何度もゴリさんの名を呼んでおりますが、ゴリさんはまだ死んでおりません。

むしろ、貴方様に締め付けられて今まさに死にそうですよ?


そんな様子を見ていたシャーロット様が呆れたようにキャリー様を引き剥がし、難を逃れました。


とりあえず早くティムさん特製回復薬を飲んでいただきたのですが、中々口に運びません。

痺れを切らしたティムさんが無理やりゴリさんの口にねじ込み一滴残らず完飲させました。


しばらくするとゴリさんの傷は跡形もなく無くなり、ゴリさんの体調も良くなったようです。


「「おお~~!!」」


皆さん歓喜の声が上がりました。

ティムさんはなんとも誇らしげに「今回のは薄めず原液にしたんだよ。正解だったみたいだね」と仰っていました。


と、まあ、ゴリさんも無事に生き返った事なので、シャーロット様達が慌ててやって来た理由を聞きましょう。


「──そちらの守備は?」


「ああ、やはり月の力を吸っている分、騎士の奴らでも雑魚に手こずっておる」


私とティムさん、マルクス様は倒れている方々の手当をしつつ耳を傾けます。


剣が使えないので、余計手こずっているのですね。

そこで、埒が明かないと思ったシャーロット様がアンデッドを閉じ込めておく為に、大きな檻を数個用意してくれた様です。

騎士の方々はその檻にアンデッドを閉じ込め、この戦いが終わるのを待つ打算の様です。


「案外この方法が上手くいっての。時期町に蔓延るアンデッドは落ち着くじゃろう。今はフェルスが指揮をとっておる」


──騎士の方々もまさかウリ坊に指示される日が来るとは思いもしなかった事でしょうね。


「……それで?ファニーはどうした?」


「それがじゃな……」


ゴリさんの問に、歯切れの悪いシャーロット様と顔色の悪いキャリー様。

どうやら、洞窟からでてきたファニーさんを隠密部隊の方が見つけたまでは良かったのらしいですが見事に返り討ちにあったようで「隊長に顔向け出来ない……」とキャリー様は大変落ち込んでおります。


「まあ、見失ったものは仕方ないじゃろ。どの道東の教会(ここ)にいれば、いずれ現れる」


まあ、そうですね。

ファニーさんの目的は東の教会。東の神父様ですから。


「──私達にも出来ることはありますか?」


後から現れたのは東の神父様とジャックさんでした。


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