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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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救世主?

兎にも角にも、一体は無事に元あるべき場所へと還しました。

残るは四体。

二体は既に東の教会へ向かっているので、私としてはすぐにでも行きたい所ですが、ヤンさんを残してはいけません。


そんなヤンさんですが、中々に苦戦を強いらている模様。


私は助太刀に入ろうとヤンさんの元へ駆けつけようとしましたが、何故か走っても走ってもヤンさんの元へ辿り着けません。


──これは何か術が掛かってますね。

全く、手の込んだ事を……


どうにか仕様にも私は魔術に関しては全くの無知。

手も足も出ないとはこの事です。

無駄だと分かりながらもヤンさんの方へ走るのは止めません。


その姿を見つけたヤンさんは、私の方を向き「ふっ」と微笑んでいました。


──ヤンさんが……微笑んだ……?


ヤンさんは私に大丈夫だと言いたかったのでしょうか?それとも……


私は思わず足を止めてしまいました。

そして、ヤンさんを見つめていると一体のアンデッドに組み敷かれ、もう一体のアンデッドがヤンさんにトドメを刺そうとしています。


「ヤンさん!!!!!!」


急いでヤンさんの元へ駆けつけようとしますが、やはり辿り着けません。

アンデッドは私の事は気にもとめず、剣をヤンさんに向けて振り下ろしました。


「ヤンさん------!!!!!」


ドカンッ!!!!


私の叫び声とともに、何かが降ってきました。

モクモクと土埃が上がる中、現れたのは………


「──いや~、ギリギリ間に合ったか?」


「…………」


ヤンさんを担ぎあげたゴリさんでした。

因みに、ヤンさんは『遅い』と仰っております。


ゴリさんの登場で術が解けららしく、私はヤンさんとゴリさんの元へ辿り着けました。


「ゴリさん!!」


「おお!!マリー!!すまんな、遅れた」


ガシガシ私の頭を撫でる手は、紛れもなくゴリさんの大きな手です。


「さぁ、遅れを取り戻さんとな」とゴリさんが取り出したのは私の背丈ぐらいの大剣。

この剣はゴリさんが本気の時にしか出てこない幻の様な剣です。


幻の様な剣……即ち、日頃は本気で仕事をしていないと言うことです。

因みに、私はこの剣を使っているゴリさんを見たことがありません。


──この方は隠密より騎士の方が向いていたのでは?


そんな事を思っているとゴリさんの目つきが変わり、一瞬でアンデッドの元へ。

そして、あっという間に一体のアンデッドを消滅させました。

あまりの速さに私は目を疑いました。


私の様子を見たヤンさんが『あれでも遅くなった方だ』と、とんでも発言。


──あれで遅くなった!?あの速さは神速に匹敵しますよ!?


今の今まで、ゴリさんが隠密部隊と言うのは半信半疑でしたがら今この目で見て確信しました。

ゴリさんは隠密部隊の隊長だと。


「おいおい。手応えのない奴だな~。俺は大分体が訛ってんだ。準備運動ぐらいにはなってもらわんと困るんだが?」


ゴリさんは小馬鹿にするように残りの一体に申しました。

私はそれよりも、ゴリさんの先程の動きが訛っていると言う事に驚きました。


──あれで訛っていると!?


「……あんた、中々言うね。流石は()()()()()って所かい?」


その言葉に私もヤンさんも、本人であるゴリさんまでもが目を見開きました。


「……何故、俺の事を知っているか聞いても?」


声は落ち着いていますが、顔は強ばっています。


「あぁ~。まあ、良いけど。俺から聞いたって言わないでよ?怒られちゃうから」


「あんたの驚く顔を見たいんだって」と言う事は、暗にゴリさんと顔見知りと言っているようなものです。


「そいつは──」


「そこまで」


パンッ!!


口を開こうとしたアンデッドは、どこからか飛んできた銃弾に口を塞がれました。


慌てて飛んできた方を見ると、一体のアンデッドが立っています。

その姿を見たゴリさんの顔つきが一瞬で変わりました。


「お前は……」


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