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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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決戦当日

仮眠程度に思っていましたが、ティムさんの薬が効きすぎたようで、目が覚めたのは次の日の早朝でした。そう、決戦当日です。

ですが、お陰で体調はバッチリ。いつでも戦えます。


私は身支度を整え部屋を出ましたが、いつもは賑わっている便利屋は静まり返っており誰もいない事は一目瞭然。

ティムさんは相変わらず部屋に篭っているらしく、部屋のノブの部分に『邪魔するな』の立て札が掲げられております。


──ここにいても皆さんは戻ってこないでしょう。


皆さん本日の戦いに向けて動いているはずです。

ならば、私も動きましょう。


剣を腰に差し、外に出れば町は静まり返っていて至って普通。いつもの景色です。

こんな日常を覆すような出来事があるんですから溜まったものじゃありません。


──この町を、この風景を守らなければいけません。


ふと、目の前の屋根を見るとヤンさんが剣を手に当て辺りを警戒しています。


「ヤンさん!!」


私が声をかけると、ヤンさんが私の元に降りて来てくれました。


「…………」


『もういいのか?』とヤンさんが問いかけてきました。


「はい。お陰様で全開です。ゴリさん達は?」


ヤンさんに聞くところによると、ゴリさんとシャーロット様は陛下に呼ばれたらしく城と出向いているらしいです。

その代わり、騎士団の方々が町の警備に当たってくれていると。


──そう言われてみれば、あちらこちらに騎士の方の姿がありますね。


その中には見知った顔も何人かおり、駄犬のシモン様の姿もありました。

シモン様は私に気づくなり、早速睨みつけて来ました。

それはもう、挨拶がわりの様に。

久しぶりにお会いしましたが、相変わらずのご様子でホッとしつつも、駄犬はやはり駄犬なのだと嘆息しました。


その駄犬の隣で上司である小隊長のランベール様が睨みつけているシモン様の頭を思いっきり殴り、私にペコペコと謝っている姿も見られます。


──あの方も相変わらず、苦労が絶えませんね。


「…………」


『俺はこのまま警備を続けるが、お前はどうする?』問われたので「私もお付き合いします」とヤンさんと共に町の警備に当たることになりました。



◇◇◇



ヤンさんと共に町の警備にあたってから数時間が経過しました。

日はだんだんと傾き始め、辺りはうっすら暗くなってきました。

本日は町民の方々には外出禁止令が出されました。

なので、いつもは賑わいを見せている飲み屋も本日は休業。

町の外には誰もいなくなり、朝同様静まり返っております。


アオ~~~~ン!!!!


静粛の中、狼の鳴き声が響き渡りました。

それが合図かのように、不穏な空気が流れてきました。


「…………」


『来る!!』ヤンさんの一言で後ろを振り向くと、数体のアンデッドが見えました。

こちらにゆっくり向かってくるアンデッドは、人型に混ざって狼のアンデッドもいます。


どうやらファニーさんは人だけでは飽き足らず、獣まで手を出した様です。


「………」


『雑魚は騎士の奴に任せろ』とヤンさんからお達しです。

雑魚と言うのは意志を持たない者です。


騎士の方々はランベール様の合図でアンデッドに向かって走って行きました。

さて、私達の相手は──


「へぇ~、結構な人数いるやん?」


声のした方を振り向くと、屋根の上に1、2……5人ですか。


「僕らの相手は君らやん?」


「えぇ。ここから先は行かせませんよ」


格好付けて言ったはいいものの、人数的にも明らかにこちらが不利。

『……時期にルッツも来る。それまで持たせろ』とヤンさん。


──仕方ありません。殺りますか。


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