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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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新たな発見

目を押さえ急に苦しみ出したアンデッド。

その様子にエルさんは何が起こっているのか分からないようで戸惑っております。


当然私達も何が起こったのか分かりません。


「あ゛が……な……に……ぐあ゛ぁぁぁ!!!」


そのままアンデッドの体が砂のようになり、風に吹かれて消えて無くなってしまいました。

残された私達は呆然とその光景を見ているだけでした。


「──もしかして……」


先に口を開いたのはキャリー様でした。

キャリー様は何か思い当たる節がある様です。


「おい、エル。あいつを斬ろうとした時、()()()も一緒に斬っていないか?」


キャリー様が言う樹とは、先程アンデッドを追い詰めた大木の事です。

エルさんはすぐに確認すると、ありました。

ですが、それとアンデッド消滅とどんな関係が?


「……やはりな。──この樹はティネオと言ってな聖なる樹だ。その樹液を浴びた事でアンデッドは消滅したのだろう……」


なんと!?

確かに、斬られた部分から樹液が出ておりますが、この量からすれば浴びたというより触れた程度のはず。

少量で消滅するほどの効果を持っているですか!?

これは嬉しい発見です。


「じゃあ、この樹液をアンデッドの奴らにかければ一網打尽じゃないですか?」


「ん~……一概にそうとも言えんな」


エルさんの問に難色を示しました。

キャリー様曰く、この樹液をかければ確かに手っ取り早いかもしれないが、その場合肉体が残らず消滅となってしまう。

自分の意思とは関係なく操られている死体()からすれば、冗談じゃない。

出来るだけ肉体は残してやりたい。と言うのがキャリー様の意見です。

その意見には私も賛成です。


そんな話をしていると「マリー!!!!」とようやくゴリさんの登場です。

フェン、リル、ゴン。空にはルーナ。それに便利屋の皆さんも一緒です。


「無事か!?」


「まあ、生きているので無事でしょう」


ゴリさんは慌てて駆け寄って来て、私の怪我の具合を確かめるように全身を見ると、眉間に皺が寄りました。

すると、ゴリさんは何も言わずに私をフェンの背中へ。


「……歩いて帰れますよ?」


「怪我人は大人しくしてろ!!」


フェンの背中から降りようとする私をゴリさんが一喝しました。

「大人しく座ってるのが賢明だよ」「そうね。ゴリさん相当心配してたからね」「フェンリルが嫌なら僕が抱いてくよ?」


皆さんからも説得され渋々フェンの背中で大人しくする事に。

まあ、決定打はニルスさんの言葉でしたが。


皆さんも揃ったところで、改めてキャリー様がアンデッドの弱点。聖なる樹の事を話し始めました。

この聖なる樹が突破口の鍵となることは間違いありません。

しかし使い方を間違えると、全てのアンデッドを消滅しかねません。

そこで、ティムさんが素晴らしい提案を打ち出しました。


「この樹液を使った銃弾を作ってみようか?」


流石はティムさん。こういう事にはティムさんが欠かせませんね。

ゴリさん達もティムさんの提案を飲み、早速樹液を持ち帰る準備をはじめました。


──と、まあ、ここまでは順調でした。


私はゴリさん達の話も終わり、今後の事も決まった。後は帰るのみ。と思ってフェンのモフモフの毛に埋もれ、いい気分で睡魔に襲われていた所で聞きなれた、それでいて聞きたくのない声が森中を響かせました……


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