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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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ゴリさんの正体

「えぇ~……ごほん。……見苦しい姿を見せてすまなかった……」


あれからキャリー様が落ち着くまで待っておりましたが、騒ぎを聞き付けた便利屋の皆さんも集合し、目の前で美女(キャリー様)野獣(ゴリさん)に迫っている様子に言葉を失っておりました。


「え……ちょっと、あれ……」「物好きもいたもんだねぇ」「ゴリさんに先を越されたぁぁ!!!」「ボスも隅におけんなぁ」「ありえない……」

以上がシモーネさん、ティムさん、ルイスさん、クルトさん、ジェムさんの反応です。


そして、いよいよキャリー様がゴリさんを押し倒し服を剥ぎそうになった所で、現実に戻った皆さんと一緒に全力で止めに入り、今に至ります。


「あ゛~……なんだ……これには色々事情がだな……」


「美女に押し倒された挙句、服を脱がされかけるってどんな事情!?羨ましい!!」


頭を掻きながら体裁が悪そうにしているゴリさん。

そのゴリさんに願望がダダ漏れのルイスさんが応答しました。


「まあ、ルイスの願望はどうあれ、ゴリさんの事情とやらを聞こうか?」


先程の現場を目撃しても冷静沈着なティムさんは流石です。


「…………」


「『……もういいだろ?』と仰っておりますよ?」


腕を組み、壁によりかかっているヤンさんの言葉にゴリさんは大きな溜息を吐きました。


──ヤンさんはゴリさんの秘密を知っているのですね。


ゴリさんは覚悟を決めたのか、真剣な顔をして私達に向き合いました。


「お前ら、俺に聞きたいことがあるだろ?」


皆さん同様に首を縦に振りました。


「よしっ、今からその質問に答える。聞きたい奴は挙手!!」


「「はっ?」」


──ここに来てふざけているんですかね?このゴリラは。


「なんだ?無ければこの話は終わりにするぞ?」


ガタッと椅子から立ち上がろうとするゴリさんを見て、皆さん慌てて手を挙げ始めました。


「じゃあ、ティム!!」


「ゴリさんは何者なの?」


「人間だが?」


──このゴリラ、絶対ふざけてますね。


答えを聞いたティムさんなど殺気が漂っていて、人一人くらいは殺せそうですよ?

しかし、ゴリさんは気にせず続けます。


「次、ルイス!!」


「この人との関係は!?」


「部下と上司……だった。はいっ。次、ニルス!!」


「はぁぁ!?それだけ!?」とルイスさんが不満そうです。

しかし、ゴリさんはテンポを崩しません。

あまりのテンポの良さに、戸惑いながらも皆さん手を挙げゴリさんの秘密を聞き出そうと必死です。


「この人は誰?」


「こいつは隠密部隊現隊長。はい、次、ジェム!!」


「現隊長ってことは、前は……って、聞いてよ!!」と言うニルスさんの言葉はゴリさんの耳には届いていない模様。


「えっ!?え、あの、その……」


「はい時間切れ!!次、クルト!!」


頑張って手を挙げていたのに、テンポに飲まれ何も聞けなかった自分の不甲斐なさに落ち込んでいるジェムさん。


「ボス。ちょっと落ち着き。話が全く入ってこんわ」


呆れたようにクルトさんが伝えると、ようやくゴリさんが止まりました。

クルトさん。よく止めてくれました。


「…………」


「『知られたくないのは分かるが、もう年貢の納め時だ。諦めろ』だそうですよ?」


ゴリさんがヤンさんを睨みながら何か考えていたかと思うと、ドカッと椅子に座り直し「分かった」と一言。


「まあ、俺もそろそろだと思っていたところだがな……」


肘を付き、頭を抱えたゴリさんを黙って見ていた私達ですが、いい加減早く話せと、皆さん苛立ち始めました。


「……何勿体ぶっているんです?ゴリさんの秘密を知っても、ゴリさんはゴリさん。私達のボスに変わりありません。それよりも、ゴリラが蛆虫の様にウジウジしてる方が余っ程気味悪いです」


「だからとっとと話せ」と暗に伝えると、ゴリさんの大きな手が私の頭に置かれると、そのままギリギリと締め付けられました。


「そうだよなぁ~、ゴリラは蛆虫にはなれんからなぁ?すまんかったなぁ気味悪くて?」


「いたたたたた!!痛いです!!」


ゴリさんの腕を叩いて抗議しますが、中々離してくれません。

見かねたクルトさんが助けてくれて難を逃れました。


──まったく、頭が割れるかと思いました。


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