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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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クビ

執務室から出た私は、先程のキャリー様の言葉が頭を駆け巡っておりました。

あの方は確かに「ルッツ」と仰っておりました。

私の知っている「ルッツ」はただ一人。ゴリさんだけ。

何故、隠密部隊隊長のキャリー様がゴリさんの名を知っているのでしょうか?

もしかして、知り合い?

ゴリさんから隠密部隊に知り合いがいるなど聞いたことがありません。

いや、それよりも重要な事は、何故私がゴリさんと知り合いなのを知っているのかと言う事です。


──城に出入りする際も、便利屋に出入りする際も気を張っていたのですが……


やはり隠密部隊だけあって、どこで見られているか分かりませんね。

副業もバレてしまったという事は、遅かれ早かれ城での仕事はクビになるでしょう。

それならば、思い残すことがないように動くしかありません。


──就職活動しなければいけませんね……

まあ、ファニーさんの事が済んでからですけど。


自室に戻ると、ルーナが飛び付いて来ました。

今日は疲れた一日でしたが、ルーナのお陰で疲れが取れたように感じました。

そのままルーナを抱きしめ、眠りにつきました……



◇◇◇



次の日、テレザ様の元を訪れ今までの感謝を言葉に残しました。

当然テレザ様は戸惑っておりましたが、詳しくは殿下に聞いてくださいと突っぱね、自室の荷物を持てるだけ持つとルーナと共に城を後にしました。

暫くの間は便利屋の空き部屋を間借りさせてもらって、部屋を探すことにしました。

便利屋の皆さんは大荷物で現れた私に驚いておりましたが、経緯を説明すると「はぁぁ!?王子様ってそんな横暴なの!?」「マリーちゃん、そら、辞めて正解やわ」「マリー、僕と住む?」と皆さん殿下にご立腹の様子で、無事間借りの許可がおりました。


ニルスさんが一緒に住む事を強く勧めてくれましたが、丁重にお断りしました。


荷物を置き、落ち着いてからゴリさんの元へ。気に掛かっていた事を聞く為です。


「──ゴリさん。キャリーと言う名に覚えは?」


ゴンッ!!


キャリー様の名を口にした途端、持っていたコップが手から落ちテーブルが水浸しになりました。

慌てたジェムさんが直ぐに布巾で拭き難を逃れましたが、ゴリさんの顔は強ばっております。


「……何処でその名を?」


「昨日、殿下からクビを言い渡される前に隠密部隊隊長と紹介されました」


「そうか」


ゴリさんが額を抑え何やら考えておりましたが、覚悟を決めたのか、私の方を向きジッと目を見ながら「実は……」と話を話し始めた所で「大変だ!!」とルイスさんが飛び込んできました。


──また間の悪い……


「どうした!?」


ゴリさんはすぐにルイスさんに駆け寄り何があったのか聞きました。

どうやらアンデッドが数体、町に侵入して来た為、混乱が起きているようです。

こうなってしまえばゴリさんの話は後回しです。

先に町の混乱を落ち着かせるのが先決ですからね。


すぐに便利屋一同総動員で町へ向かうと、町は阿鼻叫喚の地獄絵図でした。

アンデッドは見たところ5体。

3体は前に遭遇したアンデッドの様に唸りながら人々を襲っています。

残りの2体は、どうやらその3体を観察しているかのように屋根上から見下ろしています。


──あの2体は意志を持っているタイプですね。


前に会ったアンデッドが言っていた完全体と呼ばれる類だと判断しました。


「町の人間の安全が最優先だ!!(ヤロー)共はアンデッドの相手だ!!女性陣は避難場所の確保と誘導を頼む!!」


「「はい!!」」


ゴリさんの合図で皆一斉に自分のやるべき事を全うする為、行動に移しました。


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