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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
墓荒らし

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120/176

アンデッド

シャーロットさんが仰るには、墓荒らしは死人を掘り起こしアンデッドとして生まれ変わらそうとしていると。

そして現に数人の目撃者がおり、襲われているらしいです。

しかも、襲われているのはすべて上流貴族の方々。


──となると、死人を掘り起こしたのは金品強奪の為でしょうか?

金品強奪の為だけにしては手の込んだ事をしますね。


「妾の所に苦情が来ての。どうにかならんか?」


どうやらシャーロットのさんの所に死人の方《《ご本人》》が「寝てるとこを起こすとは何たることだ」と苦情が入った模様。

しかも肉体を勝手に使われ大変ご立腹らしく、手に負えないシャーロットさんはゴリさんに助っ人を頼みに来たという事らしいです。


「死人の管理は俺の専門外だ」


ゴリさんはサラッと返事を返しました。


まあ、確かに死人など相手した事ありませんね。

死人に手を出すほど外道じゃありませんし。


「まあ、そう簡単に答えを出す事なかろう?──……この件、絡んでいるのは教会じゃ」


「何!?」


教会ですか……


この国の教会は二つ。

一つは東の教会と呼ばれ、そこの神父は子供達にも優しく建物も町の皆さんの寄付で立て替えたばかりで大変人気のある教会です。


二つ目は西の教会と呼ばれる、森の中にひっそり佇む教会です。ここの神父は無愛想で態度も素っ気ないので、段々と人が離れていき今や通う人は月に一人いるかいないか……


──私も最近西の神父には会っていませんね。


「……そう言えば、西の神父が最近コソコソ何かしてるって噂聞いたな……」


そう言葉を発したのはニルスさん。


「──……貴方、もしかして、()()?」


ギロッと私が睨むと「情報収集だよ」と両手を上げ、慌てたように仰いました。


ニルスさん(この方)、ゴリさんの目があって外に出れないと『マム』に来ている女性のお客さんに声を掛け、当然の様に席に着き当然の様に食事や酒をご馳走になっているのです。


──この方無駄に見た目がいいだけに、女性客の食い付きがいいのです。


ミレーさんは女性客が増えたと喜んでいるのでその点はいいのですが、女性に奢らすと言うのが頂けません。


まあ、今はそんな事言っている場合では無いのでこの話は一旦置いておいて、シャーロットさんの話に戻しましょう。


「──……西の神父を調べる必要があるな……」


おや?ゴリさんやる気ですか?


「……ちょっと、私化け物系無理よ?」


「僕もあんまり得意じゃないな」


シモーネはんとティムさんが反対し始めました。

確かこのお二人、ジェムさんの屋敷にも入れなかったですね。


「大丈夫じゃ。相手はアンデッドだからの。足もあるし透けていることも無い。元は人間じゃ」


いや、多分そう言う事ではないと思います……


苦手な方がいる反面、ワクワクしている方もおります。


「私一度見てみたかったのよねぇ」


「アンデッドか……楽しみやねぇ」


レナさん、クルトさんは行く気と言うか、殺る気に満ちています。


「まあ、シャーロット(お前)には借りもあるからな。……仕方ない、手を貸そう」


その言葉を聞いて、絶望の表情のお二人と歓喜の表情のお二人。


──温度差が激しいです。


「因みに今回の件、()()()も動いておる」


アイツとは?


「……はぁ~、だろうな。仕方ないだろ、アイツも仕事だ」


大きなため息と共に、面倒くさそうに仰いました。


いや、だからアイツとは誰ですか?


「報酬はしっかり貰うぞ?」


「分かっておる。しっかり用意してあるわ」


ゴリさん達の言う「アイツ」の存在が分からぬまま、話し合いは終了しました。




本日の報酬……野菜たっぷりポトフ、サーモンパイ、豆と肉の赤ワイン煮、鳥の蒸し煮、サラダ、ビスコッティ、かぼちゃのパイ、酒(全てゴリさんの奢り)


借金返済まで残り5億6千740万2100ピール

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