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城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?  作者: 甘寧
グロッサ国

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最終決戦2

てっきり、洗脳されたと思ったゴリさんの口から飛び出てきたのは「あほか」の一言でした。

あまりの出来事に私達が驚いていると、同様に驚いているお兄様が声を張り上げました。


「な、何故、僕の力が効かない!!?」


自分の力は絶対だと思っていたのでしょう。

まさかのゴリさんの様子に、慌てふためいているのがよく分かります。


「……はぁ~。お前、忘れたのか?俺にその力は効かん。幼い頃何度も試したろ?」


「あっ!!!」


──……忘れていたんですね……


「し、しかし、昔より力は強くなったはず!!」


「強くなろうと何だろうと、俺には効いていない。その証拠が目の前にいるだろ?」


お兄様の顔色が徐々に悪くなっていくのが分かります。


形勢逆転ですか?


「……いくら兄貴でも、やってはいけない事がある。お前は人の命を軽視ししすぎた。ここにいる者は皆、お前に借りがあるだとよ」


ゴリさんの言葉に、私達は首を縦に振ります。


その通りです。私は侍女長ゲルダさん、それにリチャードさんの無念を晴らしに来たのですから。


「──……くそっ!!弟のくせに兄に歯向かうだと!?(お前)は大人しく()の言うことを聞いてればいいんだよ!!折角、僕のものとして傍においてやるって言ってるんだぞ!?」


お兄様(この方)は、知能が子供で止まっているのでしょうか?


「いい加減にしろ!!何度言えばいい!!俺はお前のものでは無い!!」


「くそ、くそ、くそ----!!!!!」


お兄様は叫びながらゴリさん目掛けて斬りかかりました。


すると、ゴリさんは手に持っていた剣を捨て斬りかかってくるお兄様を待ち受けました。


「ゴリさん!!!?」


──何をしているですか、あのゴリラ!!!


私の声を聞いてもゴリさんは動きません。


そしてお兄様が剣を振り上げ、力一杯振り下ろしました。


しかし、その刃はゴリさんには当たりませんでした。

何故なら……


「──ごぼっ!!!」


ゴリさんの拳がお兄様の顔面に食い込み、そのまま壁目掛けて吹っ飛びました。


お兄様は瓦礫に埋まり、白目を剥いたまま気を失っていました。


ゴリさんは拳を振りながら「あ~、痛っ」とボヤいておりましたが、何処か寂しそうでした。


お兄様が気絶したことで洗脳が解けたらしく、目を覚ましたジェムさんが身体中身に覚えのない痛みに悶絶していると、ヤンさんの顔が綻んでいました。


──……ヤンさんも術が解けるか心配していたのでしょうね。


シモーネさんに至っては洗脳が解けても暴れ続けています。

ティムさんは「もう、煩いからこのままで良くない?」と仰り、縄を解こうとしません。

仕方なく私が解くと、案の定ティムさんはシモーネさんから倍返しを貰っておりました。


そして、ニルスさんに斬られたマリアさんは、這いつくばりながらお兄様の元に……


「……ごめん……私が……もう少し、強かったら……」


気絶しているお兄様の頬を撫でながら、愛おしそうに涙ながらに伝え「……愛してる……」とキスを贈ると、そのまま命尽きました……


何となく、寂しい終わりになってしまいましたね……

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