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【第15話】裏切り

「本当に……仲間になったのか……」


 モーモー太郎は荒い息を整えながら、膝をついたまま巨大な鬼を見つめた。

 つい数分前まで自分を殺そうとしていたその存在が、今は静かに膝をつき、頭を垂れている。


 伝説の“きびだんご”――

 その力が、目の前で現実となった瞬間だった。


「……これが、伝説のきびだんごの力……」


 呆然と呟きながら、彼はゆっくりと拳を握りしめた。


「さあ……あとはネクターがどう出るか、ですね」


 決意のこもった声に、ホレスが頷いた。


「そうだな、モーモー太郎君。しかし、まずは港町へ戻ろう。傷の手当をしなくては」


 ホレスの視線は、ボロボロになったモーモー太郎の体に向けられていた。

 あの壮絶な戦いを終えた後で、立っていること自体が奇跡だった。


「……それはそうですが、こんな大きな鬼をどうやって運ぶんです? それに……街の人たちは驚くでしょう」


 モーモー太郎は鬼の巨体を見上げ、不安そうに眉をひそめた。


「問題ない。すでに船を手配した。民衆への配慮もしてある。港の裏手から上陸すれば、大騒ぎにはならないはずだ」


 ホレスは落ち着いた口調でそう言うと、二人と一体の鬼を導き、暗い洞窟を後にした。


 ____________



 海へと出ると、陽光が水面を金色に照らしていた。

 潮風が頬を撫で、遠くからカモメの声が聞こえてくる。


 そこに停泊していたのは、少し古びた大型の船だった。

 船体には所々錆が浮き、帆もところどころ破れているが、十分な大きさがある。


「この船だ。少し傷んではいるが、鬼も乗せられるはずだ」


 ホレスが船体を軽く叩くと、ギィ……と木が軋む音が返ってきた。

 鬼は無言でその船に足を踏み入れる。船体がミシッと沈み込んだが、なんとか耐えている。



 _____



 船が港を離れると、穏やかな波に揺られながら、モーモー太郎とホレスはしばし静かに海を眺めた。


「モーモー太郎君……君は本当によくやったよ」

「え……?」

「鬼を仲間にするなんて、誰が想像しただろうか。……まるで奇跡だ。」


 ホレスは感慨深そうに目を細め、ゆっくりと息を吐いた。


 モーモー太郎は少し照れたように苦笑し、首を振った。


「いいえ、ホレスさんのおかげです。あの時、叫んでくれなければ……僕は……」



「ふふ、いいんだよ。くくく」




 ____________


 ――しかし、


 その平穏は港町に着いた瞬間、音を立てて崩れ去る。


 モーモー太郎。

 港町ルーモニアに到着_____


 _____



「悪魔が帰ってきたぞーーーっ!!!」


 悲鳴が、港全体に響き渡った。


「え……?」


 モーモー太郎が船を降りた瞬間、町中が騒然とし始める。

 人々が一斉にこちらを見て、青ざめた表情で叫び出した。



「皆さん! 逃げてください! 危険です!!」

「きゃああああああ!!!」

「な、なんだあれは!? 牛の……化け物!?」


 悲鳴、怒号、泣き声が入り混じる。

 人々は蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う。


 モーモー太郎は呆然と立ち尽くした。


「な、何が起きている……? ど、どういうことだ……?」


 よく見ると、逃げている人々の視線は、――自分に向けられていた。


「え……僕……?」


 その時――


 ゴツンッ!!!


 額に鋭い痛みが走った。

「いっ……!」


 手で触れると、赤い血が指先を染めた。

 顔を上げると、怯えた親子の姿が目に入った。


 投げたのは小さな石、小さな少年だった。


「出ていけっ!! この悪者!!!」


 少年は震える声で叫びながら、もう一度石を構える。


「鬼を仲間にして……僕たちを襲うつもりなんだろ!!!」


「???な……何を言ってるんだい……? 僕は……」


 モーモー太郎は言葉を失った。

 母親が慌てて少年の手を引き、叫ぶ。


「やめなさい! 早く逃げるのよ!!」


 二人は振り返ることもなく、町の路地裏へと駆け込んでいった。

 残されたモーモー太郎は、ただその場に立ち尽くす。


(なぜだ……? 鬼を仲間にしたことは、まだ誰も知らないはず……それに街を襲う?)


 胸の奥に、冷たいものが広がる。

 理解できない。――でも確かに、何かが起きている。


「逃げろーーっ!!!」

「鬼を連れた悪魔が、俺たちを殺しに来たぞ!!!」


 町中に叫び声がこだまする。

 モーモー太郎は必死に両手を広げ、叫んだ。


「違うっ!! 誤解だっ!! 話を聞いてくれ!! 僕は――!!!」


 声が響く。しかし、人々は振り返らない。

 言葉が届かない。


(まずい……これは誰かが……デマを……流した……!?)


 焦りが喉を締めつける。


 _____



 そして、次の瞬間――



 突如として、空が眩い光に包まれた。


 強烈な光が港町全体を照らし出し、影という影が一瞬で消える。

 空気が張り詰め、風がピタリと止んだ。


 あれほど喧騒に包まれていた港町が――

 水を打ったような静寂に包まれる。


 人々は一斉に空を見上げた。


 そして、モーモー太郎もまた、光の中心を見つめていた。

 胸の奥がざわつく。

 視界の先、空の裂け目から――ゆっくりと、影が現れる。


「な……あれは……?」


 港全体がざわめいた。



 やがて、光の中から姿を現したのは――

 神々しき三体の獣だった。



 ――大空を覆う、黄金の翼を広げた【大鳥】。

 羽ばたくたびに七色の光が降り注ぎ、港の海面を輝かせる。


 ――大地を揺るがす剛腕を誇る【大猿】。

 その一歩ごとに波が逆巻き、桟橋がギシギシと悲鳴を上げる。


 ――全てを切り裂く牙を持つ【大狼】。

 鋭い眼光が港町全体を一瞥しただけで、人々の背筋を凍らせた。




 三神獣が――降臨したのだ。




 港の空気が一変する。

 恐怖ではない。

 圧倒的な「畏れ」と「信仰」に近い空気。


 誰もが言葉を失い、ただその神々しい光景に魅入られていた。


「……あれが……三神獣……」


 モーモー太郎は呟いた。

 目の前の光景が現実だと理解するのに、数秒かかった。


 そのとき――


 神獣の背から、一人の男が舞い降りた。


 風を切るように軽やかに着地するその姿。

 光に照らされ、全身がまるで英雄譚の挿絵から抜け出したようだった。


 ――ネクターが現れた。


 ______________



「まずい……こんな状況で、こんなに早く出くわすなんて……!」


 モーモー太郎は唇を噛んだ。

 三神獣を背に従え現れたネクター。


 人々の視線は、一瞬にしてネクターへと吸い寄せられる。


 三神獣の光は人々に安らぎをもたらした。

 そのせいか、先ほどまで恐怖に満ちていた群衆の顔が、安堵と歓喜へと変わっていく。


 ネクターは、ゆっくりと両手を広げ――

 朗々とした声で叫んだ。


「皆さん!! どうか落ち着いてください!!」


 その声は澄み渡り、まるで鐘の音のように町中に響いた。

 人々は息を呑み、言葉を失ったまま彼を見つめる。


「我が名は――ネクター!!」


 港全体にその名がこだまする。


「俺たちが来たからには……もう安心です!!」


 背後の三神獣が、ネクターの合図に合わせるように翼を広げ、吠える。

 光と風と音が一体となり、神話的な光景を演出していた。


 まるで、彼こそが「正義」そのもの――。


 ______________


 そして、ネクターは――

 そのまま、モーモー太郎を指さした。


「そこにいるのは……人の言葉を巧みに操る、牛の魔物です!!」


 その声は、先ほどと同じく堂々と、揺るぎない。


「こいつは――皆さんの言う通り、世に鬼を解き放とうとする、悪魔なのです!!!」


「な、なにを……!?」

 モーモー太郎は愕然とした。

(違う……違うんだ!! こいつ……まさか、これが……!)


 人々の目が、一斉にモーモー太郎に向く。


 港の奥から誰かが叫ぶ。


「…あの船だ絶対!!」

「鬼ヶ島から連れ戻した鬼が乗ってるんだ!!」


「きゃあああああ!!!」

「ネクター様ぁ!!!」

「お願いします!! あの牛を討ってください!!」



 歓声と叫びが入り混じり、群衆は完全にネクター側に心を委ねていた。


 モーモー太郎がいくら声を上げても――

 誰も耳を貸さない。


「ち、違うんだ!! 僕は……鬼は……仲間に……!!」


 叫びは波音にかき消される。

 人々の目に映るのは「英雄ネクター」と「悪魔モーモー太郎」。

 世界の構図が、一瞬で塗り替えられていた。


(どうすれば……この誤解を……!!)


 モーモー太郎の喉が締まり、呼吸が浅くなる。

 胸が焼けるように痛い。

 だが――もう、言葉で届く状況ではなかった。



「さあ――悪を裁こうか」



 ネクターが静かに言い放った。

 その瞳には一切の迷いがない。

 まるで、舞台の幕が上がる合図のようだった。


 _____


 そして――


 三神獣が、天を突くように咆哮を上げた。


 ゴオオオオオオオオッッ!!!!!!


 轟音が空気を裂き、大地が震える。

 風が唸り、港町の瓦屋根がギシギシと悲鳴を上げる。

 黄金の光が天と地を貫き、人々の瞳を焼き付けた。


「ま、待て……違うんだ!!」


 モーモー太郎が必死に声を張り上げる。

 だが、三神獣は止まらない。


 大鳥が翼を広げ、黄金の旋風が町を覆う。

 大猿が拳を地に叩きつけ、地鳴りが波のように広がる。

 大狼が空を切り裂くような咆哮を放ち、空気が震えた。


 町の人々は――

 恐怖ではなく、歓声を上げた。



「うおおおおお!!!」

「ネクター様ー!!!」



 その声は、まるで祝祭のようだった。

 モーモー太郎の「真実を伝えようとする声」は、群衆の歓喜の波に完全に飲み込まれていた。


(戦えば……この状況では、僕が“悪”として刻まれる……。でも……)


 鬼との激闘で、体は限界に近い。

 血は滲み、筋肉は悲鳴を上げている。

 今ここで三神獣と戦えば、勝ち目も、正義も、全て失われる可能性がある。


 ――逃げるか。

 ――戦うか。 


 モーモー太郎は、まさに運命の分岐点に立たされていた。


「最悪だ……なんで、こんなことに……!」


 胸の奥から、怒りと焦燥が入り混じった叫びが漏れる。

 目の前ではネクターと三神獣、周囲は完全に群衆の敵意。

 どこにも逃げ場がないように思えた。


「ホレスさん! 一旦、引きましょう!」


 隣にいるホレスへと振り向き、モーモー太郎は必死に訴えた。

 だが――


「……ふ……ふふ……」


 ホレスが、微かに笑った。


「ど、どうしたんです? 笑っている……?」



「ふは……ははは……ははははははははは!!!!」



 突如、ホレスは腹の底から大声で笑い始めた。

 その笑いは、あまりに唐突で、あまりに不気味だった。


 モーモー太郎は目を見開き、思わず一歩後ずさる。


(な、なんだ……? なぜ笑う……?)


 港の喧騒とは違う。

 彼の隣で笑うその音だけが、異様なほど鮮明に響いていた。


 笑い続けるホレスの表情が、次第に冷たく、険しく変わっていく。

 その瞳には、仲間だった男の面影は――もうない。


 そして、ホレスは静かに言った。



「……私の役目も、これでおしまいだな。」



 モーモー太郎の胸に、冷たい刃が突き刺さるような言葉だった。


「え……?」


 信じられない、というより――理解が追いつかない。



「本当に貴様は、バカで……やり易かったよ」

 ホレスは口角を吊り上げ、吐き捨てるように言った。

「得体の知れぬ……牛の化け物め」



 その瞬間、モーモー太郎の中で、何かが崩れ落ちた。


「な……」


 足元がぐらつく。

 鼓動が速くなり、視界が滲む。


「ホレス……さん……?」


 掠れた声。

 だがホレスは、それをまるで「虫の鳴き声」のように無視し――

 静かに一歩を踏み出した。


 そして――

 ゆっくりと、ネクターのもとへ歩き出す。


 ______________



 ネクターの前に立つホレスを、モーモー太郎は信じられない思いで見つめていた。


 すると――

 

 ネクターが深々と頭を下げた。


「ご苦労様です……ホレス様」


「……全くだ。もう、こんな役回りは二度とごめんだな」


 ――まるで、すでに全てが仕組まれていたかのように。


「え……?」


 モーモー太郎の視界が揺れた。

 喉が乾き、呼吸が浅くなる。


「ど……どういうことだ……? 説明を……!」


 声を絞り出すが、その声にはもう、かつての力強さはなかった。


 ホレスは振り向きもせず、鼻で笑い飛ばした。


「君は――最初から騙されていたんだよ。

 この瞬間のためにな」


 ネクターの冷たい声が、その言葉に続く。



「本当に、いい働きをしてくれたよ……モーモー太郎君」


 胸の奥が、ズキンと痛む。

 モーモー太郎の目に、涙が滲む。



 一体――どこから?

 いつから?

 どこまでが――嘘だった?



 彼は……仲間だったはずだ。

 共に戦い、笑い、作戦を練ったはずだった。


 なのに。


 港の人々には、この会話は届いていない。

 彼らはただ――

 ネクターの背に光り輝く三神獣を見上げ、歓声を上げ続けていた。


 まるで、モーモー太郎の世界だけが――音を失っていくようだった。


 _____



 歓声と騒音の中で――ホレスは静かに語り始めた。


「モーモー太郎君……私はね、夢があるのだよ」


 穏やかな声。

 しかし、その響きは、まるで底なしの闇のようだった。


 モーモー太郎は、奥歯をギリッと噛みしめながら問い返す。


「……夢、だと?」


 ホレスは微笑んだ。

 だが、それは優しさのない、歪んだ笑みだった。



「それはな――“真世界の創造”だ」 



 空気が、凍りついた。

 その言葉に、モーモー太郎の背筋がゾクッと震える。


「さっきから……な、なにを言ってるんだ……嘘だろ……?」


 声が掠れ、喉が震える。


 ホレスの瞳には狂気が宿り、口元には嘲笑の影。

 まるで人の皮を被った悪魔――いや、それ以上の“何か”だった。



「私はこの世界を変える。

 歴史に名を残し――新しい世界の神になるのだよ」



 モーモー太郎の呼吸が浅くなる。

 鼓動が、耳の奥でドクドクと鳴り響いた。


「驚くのも無理はないな……ふふ。

 少し“説明”してやろう、牛の怪物君」


 モーモー太郎の胸の奥が、怒りと恐怖で締めつけられる。

 _____


「……まず、君の存在を知ったのは――王宮に届いた“ある知らせ”からだ」


「知らせ……?」


「そうだ。“鬼と対峙する牛の化け物がいる”と報告があったのだ。

 私はすぐに飛んできたよ。君が、あまりにも面白そうだったからな」


 ホレスは楽しそうに語る。


「会って驚いたよ。本当にいたんだからな。

 牛でありながら言葉を操り、己の正義を掲げる存在……ふふ、私は大いに興味を持った」


「……」


 モーモー太郎の拳が、震えた。

 怒りで蹄が掌に食い込む。


「そして!!さらに驚くべきことに……君は“伝説のきびだんご”を持っていた」


「っ!!」


 その瞬間、モーモー太郎の心臓が大きく跳ねた。


「私は本当に運がいい。

 そこで思いついたのだよ――この計画をな。

 君はまさに、“理想的な駒”になったのさ」


「……駒……だと?」


 ホレスの口角が吊り上がる。


「ククク……この計画を練っている間、私は楽しくて仕方がなかったよ。

 おかげで、“真世界の創造”は大きく前進した」


「それが……神になること、だと?」


 ホレスは静かに、そして誇らしげに頷く。


「ご名答」


 モーモー太郎の頭の中で、これまでのすべてが繋がっていく――


 ホレスが自分を導いた。

 鬼ヶ島へ向かわせた。

 鬼を仲間にし、ネクターと対峙するまでの道を敷いた。


 全てが、ホレスの描いた筋書きだった。


「それで……おじいさんと……おばあさんを……二人を……殺したのか?」


 その声は震えていた。

 だが――ホレスは、一切のためらいもなく答えた。


「そうだ」


 迷いすらない、冷酷な声だった。


 その瞬間――


 モーモー太郎の頭が、真っ白になった。


「……最初から、全部……騙していたのか……?」


「そうだ」


 ホレスは笑った。


 ――この男は、最初から“利用するためだけ”に、そばにいたのだ。

 家族を殺し、計画を進めるための“道具”として。


 胸の奥が、灼けるように熱くなった。



「許さない……」

「絶対に……許さない!!!!」


 咆哮とともに――


 バチバチバチバチバチバチ!!!!!!


 雷がモーモー太郎の全身から弾けた。

 眩い閃光が夜空を裂き、地面を焦がす。

 人々が悲鳴を上げ、後ずさる。


 だが、ホレスは――微動だにせず、笑っていた。


「モーモー太郎君……君がいなければ、この計画は成功しなかった。

 本当に、ありがとう」




「ホレスーー!!!!」




 モーモー太郎の叫びが、港町全体に轟いた。


 ホレスは腕を広げ、まるで舞台俳優のように言い放つ。


「君は今、“悪”として裁かれようとしている。

 人々は目に映るものしか信じない。

 この光景を見てみろ」


 三神獣を従えるネクターとホレス。

 鬼を従えた牛の怪物・モーモー太郎。


「どちらが“悪”で、どちらが“正義”なのか……

 それはもう、明白だろう?」


 モーモー太郎の拳が震え、唇が切れるほど噛みしめる。


(くそっ……悔しい……!!)


 だが、何を言っても、今は――届かない。


 ネクターが一歩、前へ出た。

 その姿は黄金の光を背負い、まるで“神の裁き”そのものだった。


「さあ……救世主による、正義の裁きを始めようか」


 その言葉を合図に――


 三神獣が、咆哮を上げた。



 ゴオオオオオオオオオッッ!!!!!



 雷鳴が轟き、風圧が爆発する中――

 モーモー太郎は、ただ一人。


 それでも――


(僕は……負けない!!!)


 雷が再び、彼の体を包み込む。


 バチバチバチバチ!!!!


 その瞳は、絶望の中でも一切揺らがなかった。


 ホレスは、不敵に笑った。


「さて……ここからが――本番だ」


 ネクターが、鋭く叫ぶ。


「三神獣――討て!!!!」


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