螺子巻き人形
わたしは螺子巻き式の人形
螺子を巻いた間だけしか動きません
カタカタ、トテトテ
と動きます
私も人間だけど
螺子を巻いてある間しか動けません
動きが鈍くても
人間です
人形じゃありません
まるであなたは人形みたいと言われます
ロボットみたいだと言われます
言われたことしか出来ないと
あなたたちは言います
ドタドタ、ガッシャーン
ほらまた壊してしまった
人形のように
感情の無い顔で
叱責を聞きます
人形なら
螺子巻き式人形なら
また螺子を巻けばいい
そうしたら動ける
じゃあ
螺子の無い人間の私は
何をすればいい?
眠ればいい?
美味しいものを食べればいい?
面白い小説を読めばいい?
だから私の螺子は
なろうの小説です
あなたとあなたの小説です
今日も生きていくため
私はパソコンを開く
自分の螺子を巻くために