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始まり

透明とうめいとは、物体の反対側や内部にあるものが透けて見えること。曇ったり、歪んだりはしているが見える「半透明」もあれば、極端な場合には間にある物体が存在しないかのように感じられる。


―出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia):透明』


人が人を見る。


その時、人は初めて存在していることがわかる。


人は一人では生きていけない。

それは確かに間違いじゃない。


――――――――――――――――――――――――――――――――――

これを読んでいる方へ


まず、現在の状況について書く。



世界が同時多発大地震による地殻変動及び海底火山帯の噴火などで世界の7割近くが沈没したのが5年以上前の話になる。


ビル群の崩落により地方よりも都市部の方が被害が大きく、そのため日本の政府機能はほぼ壊滅。被害の全貌は未だにわかっていないそうだ。最後にみたニュースではそう伝えられていた。


いや、そもそももう諦めにも近いのかもしれない。

人はあまりにも大きな出来事を実際に目の辺りにすると、諦めの方が強くなってしまうと思う。


しかし、生き残っている人はいる。


自分の名前は伊坂 宗一

昔地震の起きる前までは北海道の札幌の大学に通っていた。

生まれは青森の方だか、大学進学を期に札幌で一人ぐらしをしていた。

そのため、今家族が生きているかどうかはわからない。


現在、通っていた大学を拠点とする10人そこらのグループで生活している。どうやら生存している人間は自分たちのように何人かでグループを形成して生き延びているようだ。時折探索している人たちで出会うことがあり、その際に情報共有や物資の交換などを行う。


大事なことは、生き残っている人がいるということだ。


もし、この手紙を受け取った貴方が一人や助けが必要だと思うのなら我々のもとへ来ても構わない。

また、貴方が何らかのグループに属しているならぜひ、協力したい。


この手紙は桑園駅の競馬場方面への改札口においてあるはずだ。


そこから自分たちのいる大学までは近い。探索している可能性もある。

ただし、先ほども述べたように非協力的なグループもいる。


どうか誰でもいいから来て欲しい


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「そろそろ戻るぞ、今回もおいて来たのか?あの手紙」

「ええ、誰か近くに生き残っている人がいるかもしれませんから」

「ふぅん、まぁ新しい人がくるのは俺は嫌だけどな、必ずしもマトモな奴がくるとは限らんし、男だろうが女だろうがトラブルのもとになる。」

「あー、まぁ分かりますが、生存者がいた方がいいでしょう?もし他のグループがあれば新しい情報も手に入るし」

「とりあえず、戻るぞ」


近くにあった小さい瓦礫を手紙にのせ、重たいリュックを担いで帰ることにした。リュックについているキーホルダーは取れかかっていた。








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