月と3円 帽子
月と3円
秋の夜長にぶらり歩く
空には半月が出ている
街路樹はまだ紅葉には早いようだ
通りのホールで催し物があったようで
人影がまばらにある
とりあえず神社へ
灯りはあったが
賽銭箱は扉が閉まっていて
扉の奥だった
叶わぬであろう
願い事を祈り
3円を池に投げ入れる
半月を見上げる
帽子
部屋の片隅に
秋物の帽子がある
無造作に形をとどめず
雑に放り投げてある
部屋のアクセントになっていて
それも悪くないと思っている
散らかった部屋で
その帽子は象徴のように
崩れている
そろそろ 服と一緒に着崩してみようか
秋は着こなしを 面白くしてくれる
気分よく 街に出かけ
スタバにでも立ち寄りたくなる
君が一緒なら
どんなに楽しいだろうか
いつもいつも恋は空回り
女神よ
そろそろ微笑んでくれてもいいじゃない