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エピローグ

ここは死区と呼ばれている。この世の終わり、そんな所を想像してもらえばわかるだろうか?いや、わからないな。ここは酷すぎる。今まで私がここまで生きてくれたのは奇跡に等しいのだ。始まりは覚えていない、きっと生まれた時からここにいたのだろう、あまり頭が良くないせいで口数が足りない。その割には育ちのせいで疑り深く小心者な私の物語である。

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始まりはいつだったか。あまり憶えていない。憶えている中で1番新しい記憶は5歳ほどの時にガラの悪い男達にボコボコにされて地面に横たわっている記憶だ。

この街では人は人ではない。男達は女がいれば犯す、暴行を加えるなど好き放題、女達は逃げ回る日々。食べ物なんてまともなものは食べれない、まあ、私は何を基準にまともな食べのもかなんて分からないが……。


話を戻そう、私は身体中が痛くて立つことも出来なかった。血反吐を吐きながら地面を這いずり回っていた、するとある路地についたんだ。するとそこに白い髭がもじゃもじゃなおじいさんが現れた。しかしそのおじいさんは異常だった。なに、大したことは無い。ちゃんと服を着ていたのだ、それに丸メガネをかけていた。この無法地帯でなんでそんな整った身なりをしているのか不思議だった。しかし、私はここで気絶してしまったようでしばらくの間眠っていたみたいだ。


私は目を覚ました。まず初めに感じたのは何も感じないことだった。いつも街に臭っている鼻をねじ切るような悪臭がしなかった。鼻水が凍ってしまうような寒さもなかった。次に感じたのは多分生まれて初めて感じる温もりだった。暖かい、そう思い辺りを見渡した。ここはどこだろうか、なぜここにいるのだろう。どうやらここは部屋のようだ、暖炉の火ゆらゆらと燃えていた。私には布が被せてあった、すると後ろから『ギィ』という音と共に扉が開いた。眠る前に見たおじいさんだった。


「おお、目を覚ましたか」


しかしこの時私は言葉をまだ理解していなかったので首をかしげた。するとおじいさんが何かを差し出してきた、とてもいい匂いのするものだった。これはなんだろう、悩んでいるとおじいさんが口に詰め込んできた。


「まあこれでも食って腹膨らましとけ。」


あまり味はしなかったが少し『パリッ』としていてなかがモチモチだった。後に知ったがおじいさんはこれを「パンもどき」と呼んでいた。私にとっては本物のパンを知らないからこれがパンなのだがね。これがとても美味しかった。いつも食べているような腐った虫入りの生ゴミではなく、道端に生えている雑草ではなく初めてまともなものを食べた瞬間であった。


「まあ、これも何かの縁だ。おめぇを引き取ってやるよ。」


ここから私の物語が始まったと言っても過言ではない。これは私の過去の話だ、またおいおい話していこうと思うがまずはこれから始まる私のストーリーを見ていってはくれないだろうか?

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