プロローグ
俺はいつも自由気ままに生きている。
世の中の関心ごとも俺にとっては日々の充実さがその価値の上をいく。
そんな俺も今日はとことんついていたようだ
大学は臨時休校。さっきまでその余暇を使ってダチと遊び三昧だった。
この遊び切ったあとの暗い夜道を一人ひんやりとした空気を感じながら歩くのがなんともたまらない。
疲れと眠気で頭をぼーっとさせながらなんとなく歩いて気づいたら家に着くみたいな感覚は
遊びの高揚感をやり切った快楽へと徐々に心を満たしていく。
そんでもって、今日、ついてるっていうのはさ…見ちまったんだよ…
死神をさ!
顔はドクロだったな。そんでもって大鎌を持っていた。
ザ・死神!みたいな感じだった。いやーこれまで幽霊とかその類は見たことなかったけど
ついに俺にも宿っちまったかみたいな妄想をするのが楽しすぎてな。
まぁ実際は逃げたよ
猛ダッシュだったね。
どっかの本で読んだんだよ。幽霊が見えても対処方法がわかんなかったら逃げろって。
つまり死神を観れたのはついてたけども死神に出会ってしまったのはついてなかったって話だ。
あぁそういえばもう1つついていない話があったっけなぁ。
んん!実についていない。
今の俺。
頭に体がついていない。
言い方を変えれば、その死神に俺もやられたって話だ。
たまたま刎ねられた首が上を向いたから見上げたなんて言い方は正しくないとは思うが、
はぁ…なるほどね。
気づかなかったわ。死神が二体いるなんて
そういえば、ダチが言ってたなぁ。
大学の臨時休校は教授の首が飛んだかららしいって噂を。
なるほどなぁ。今思えば教授がクビになっただけで休校になるわけはないってことぐらい少し考えればわかることだったな
あー頭が混乱している。コロンともしているが…。
なんでこんな冷静かって?
混乱しているのに冷静とはと突っ込みが入りそうだが、
正直やられた瞬間感情が失われたようだ。