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この男は、誰だろう?何で私は、ここに居るんだろう?何で汚れた言葉を吐き続けるの?

「愛、聞いてるのか?」聞こえ無い、聞きたく無いよ。痛い、痛いよ。助けて誰か助けて…

「取り合えず金借りて来いよ!金がないなら要ら無いんだよお前。」壊れちゃうよ助けて。

ボロボロになるまで毎日の様に、蹴られて殴られてた。でも最後は、いつも腫れた所に冷えたタオル当てながら、ごめんねって謝ってくれた。それが凄く優しくって、堪らなく嬉しくてまた正樹に言われた通りにしてしまう。


「さっきは、ありがとうございました。愛です!」

「立花 正樹です。愛ちゃんもう大丈夫?19才だったら一緒に飲もうって訳にいかないねぇ〜」

正樹との初めての会話は、こんなだった。

悪友冴子の誘いで、パーティーコンパニオンのバイトに行った時だった。冴子は、高校から一緒で金持ちお嬢。誕生日が一緒で意気投合。簡単な始まりだ。

卒業してから、冴子のお父さんが借りてくれたマンションで好き勝手に楽しく二人暮らし中。私のふんわり萌えキャラの正反対の冴子は、ハッキリクッキリ顔の派手キャラで周りの女達に誤解されやすい

「私が美人だから、ブス達が、ひがんでるだけでしょ!ホカっておきゃイイよ」っていっつも言いながら内心かなりテンパってる所が可愛い。

パーコンの新しいユニホームは、淡いブルーの胸元が結構開いたミニワンピだ。前のショッキングピンクよりマシだ。冴子は、バイトなんかする必要無いのに私に付き合ってくれる。

「何でも人生勉強!」って気の使い方が冴子らしい。

挨拶も終わり宴会が始まる。私は、客の中でもオヤジに好かれる。しかもエロジジィだ…「君いいねぇその童顔でその大きなオッパイ!チップあげるからちょっとだけ、ね、ちょっとだけだから」って汚い手を伸ばして来た。何の集まりか知らないが、大きな席だ。きっと普段は、マジメに仕事して部下に、パワハラ、セクハラって言われたら大変だから、おとなしいオヤジなんだろうな。

折り畳んだ千円札を胸の谷間に差し込みながら指を動かして乳首を探してる。気持ちが悪い。

「やめて下さい!チップなんか要りません。嫌!」オヤジの手を振り払い席を立ち上がったらオヤジに腕を捕まれて

「何言ってるんだ!他の女の子は、皆させてるじゃないか、いくら払えって言うんだ!ガキが調子に乗るな!」酒臭い息がかかるほど近い。嫌だやめて!やめて!

「杉原課長、飲み過ぎですよ。大丈夫ですか?課長の娘さん位ですよね彼女。もしかして、娘恋しくなっちゃったんですか?」

「何言ってるですか立花さん、私は、少しからかってみただけですよ。」明らかに動揺してる。その隙に私は、立ち上がりトイレへと逃げ出した。頭を冷やさなきゃ、仕事なんだし、あのオヤジとお父さんが重なって怖かった。


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