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5.ザ・対決

「要注意だな。そのレオニスとかいう奴」

 値札の付いたメガネを幾つもかけ直しながら、徳永は言った。

「僕はその書き込みが信じられなかった。自殺したマユが悪いって? ……僕にはそう聞こえた」

 呟く様にそう言うと、徳永の視線を感じた。かけていたメガネを外して売場に戻すと、徳永が同情してか僕の肩に手を置く。

「相手も自分達の身を守ろうと必死だ。言ったろ? 聞き耳持たないで殻に閉じこもると。奴らにできるのは『拒否』だ。ひとつも受け入れようとはしないんだろうな。全く、人が一人死んでるっていうのに」

 徳永の言う通りだった。僕はトピックで『ある女に』と、名指しまではいかなくともマユの死の原因となる事を書いた。それに反応してか、あんな長文が書かれるとは思わなかったが、『選ぶ道は他にもあったはず』なんて言い方をされて、マユや家族が聞いたら僕と同じく何と思うだろうか。相手こそ無責任な言い方だと感じずにはいられなかった。

 それに、相手には誤解されてしまった様だが、僕は相手を貶めてやろうなんて思ってはいなかった。いや、全く無かったかと言えばそれは断言はできない。マユに、せめて一言でもいいから詫びてほしいという願いがあっただろう。このまま何も知らず……そしてリカの度重なる自傷行為を止めようと懸命だった事に対してどう思っているのか。何故自傷行為を止めない。マユの行動は全て無駄だったというのか。リカには何故それが分からない。

 僕は、リカがどう思っているのかをハッキリと知りたい。それが一番だった。

「直接、リカとかいう女に話をしてみるしかないな。レオニスさんには憤慨だろうが、真優美さんが死を、遺書がない事から突発的ではあっても選んでしまったのにはそれなりの理由があるわけだし、それがリカさんの事であったと証明しなきゃならないな。メッセージに残された履歴の彼女とのやり取りで、お前はそう判断したんだろう?」

「ああ。事の流れを追うのが大変だったが、次第に確信していったよ。真優美と――ブログでは、マユ。相手はリカさん――リカ。リカは、日記でリスカ写真を掲載し、自傷行為を何度言っても止めなかった。マユは、日記のコメントやメッセージでも、行為を止める様に優しく接していた。怒ってるんじゃない、宥めていた感じだった。それは自分も昔やっていたからだと。したくなる衝動は解る、でもしちゃいけない。それを繰り返して言っていた感じだった。それが度重なっていく内に、突然、マユの方から『信じられなくなった』と言って、さらに『真似するな』『ブロフレとるな』と言いがかりにも取れる様な事を言って、ブロフレの登録を切ったんだ。リカにとっては驚いたろうな」

「それも突発的だな」

「ああ。この時に既に病んでいたのかもしれない。薬の副作用だったのかもって、後でマユが自分で言っていた。しばらく経って、マユはリカに謝ったんだ。それで、ブロフレ申請を改めて出したと書いている。リカが申請を受け入れたら、2人の関係は元通りになるはずだったんだが――」

「許可がなかった、と」

「待っても、な。リカの日記を見たが、ログインはしているから、申請は本人は知っているはずだった。なのに許可はしないで、相変わらず自己保身的な記事ばかり。結局、リカからの返事も何も無くて、マユは死んでしまった。他と接触した様子も無い。情緒不安定気味だったとも思われる。死への引き金を引いたのは、間違いなく、リカだ」

 マユは手首を切った。風呂場でだ。シャワーがバスタブに向けてつけっ放しだった。時間がくれば水は溜まりマユの手首は浸かる。マユの体はバスタブに寄りかかっていたが血だらけだった。

 僕が発見した。約束した時間に家を訪れた時、返事が無かったからだ。玄関の鍵が開いていて、あれ変だなと呼びながら、ただならぬ気配を感じて家の中に入ってみた事で発覚した。剃刀が右手に握られて、どこからどう見ても『自殺』にしか見えなかった。鍵が開いていた事で誰でも侵入は可能だったが、警察が検分しても同じ判断。傷をつけた事による出血多量死、お金等、物を盗られた痕跡も無い。

『真優が自殺だなんて。あたしには信じられない。そんな事をする人じゃない。真優は絶対に』

 直美さんが言っていた事が頭をリフレインする。僕も同意だった。だから犯人がいるなら、捕まえたかった。でないと気が済まない。真優美の命を奪った奴。真優美を死に至らしめた原因を作った奴。

 例え法的に裁けなかったとしても……僕も直美さんも、絶対に許さない。

「何故……リカは申請を許可しなかったんだろう。もう関係を修復する気が無かったという事か」

 言いながら徳永の手が黒縁のメガネに届いた。鏡の前でそれを付けて、ツルに付けられたタグを見て考えている。

「日記には姿を現していたんだ。だから申請は知っているはず。無視スルーをしたんだと思う」

 そんな事をされて気持ちがいいわけがない。それがリカには分からなかったのか……呆れる。

「ひとまずトピは削除だな。相手に誤解されてるなら、消してしまった方がいい。一応、収穫があった。レオニスだ。リカとは親しいんだろう、だからリカの代わりに飛び込んできた。リカの事かと言い出したのなら、そう思わざる事が何処かにあったという事だ。リカとレオニス、間で相談し合ってる可能性は大きいな。じゃあ……」

「どうする」

「トピの件は片づけて、直接リカに話しかけてみるしか、ないな」

「そうか。でもまあ、仕方ない。その方が手っ取り早いと言えばそうだしな」

「だが、メッセージじゃ無視されるかもな。そうなると手の打ちようが無い。リカの日記のコメントに書き込んだらどうだろう」

 徳永は店員を呼んだ。そして向かってきた店員に商品であるメガネを渡し、「これでいいです」と告げた。先ほど試しにかけてみて気に入ったらしい。

「ツルが樹脂になっている。弾力があって柔らかそうだ。暫くこれでいこう」

「決まってよかったな。僕も運転用だったらメガネがあるけど、そういやもう何年になるだろ、視力は変わってないと思うが」

「今はもうメガネも昔に比べりゃ安くはなったよな。あ、そうだ。パソコン用に特殊加工を頼むよう忘れてた。ちょっと聞いてくる……」

 徳永のメガネが決まった所で話が横に逸れたが、僕は即日に徳永が言っていた事を実行する事にした。誤解をさせた事を詫び、トピを削除する旨と、リカに直接メッセージを送る事だった。



 この後が大変だった。

 トピにはレオニスから、またもや食ってかかる様な書き込みがなされる。何に対して感情をぶつけているのかと言われると、削除するなら今すぐ削除しろという。 

 理由は、名前は出さないが、リカが読む前に、という事だった。

 しかもだ。今すぐ削除しないなんて非常識だとも書かれていた。非常識……僕に言わせれば、謝罪をしている上に削除する意向を伝えただけで、トピの内容も、コメントの反応の群から知れる様に第三者的に見て特定できるものではないのに、何故そんな中傷まで受けねばならない。そんなにリカを守る事が必死か。マユは死んだというのに。

 それにできたらリカから接触してほしいものだ。レオニスに頼んだ様に、男の僕じゃ女相手にどう話しかけたらいいものか。変な事だ、相手が男でも女でも判らない相手だと書きやすいのに、異性だと尻込みしてしまう。レオニスは女らしいが、責められてるせいか、返事は書き易い。

 そうは言っても放っておくわけにはいかないので、本来なら言い返したい所だが、トピックを削除した。

 リカの日記にコメントを残す事にした。僕は冷静でいたかったが、度重なるレオニスからの攻撃と、リカからの接触が無い苛立ちで、腹が段々立ってきていた。そもそも、リカの日記の内容は僕にとっては耐え難いものだった。まるで悲劇のヒロイン。自傷行為がさも当たり前の様な感覚。おかしくなってる事が正しいとでも言いたげだ。そしてそれを受け入れるコメントを書くブロガー達だが……マユの様に止めろと言うのはまだいい。だが、反対にやってもいいよと促す連中が居る事が僕には苦痛だった。

 僕の様に拒むのを「理解してない」と罵る。理解してるしてないではなく、不快だ。

 止めない事で、解決の糸口でもあるのか? いつまで繰り返す。


 僕の方からも攻撃に出る事にした。言われっ放しで気が済まない。徳永は、メッセージより相手が反応し易い様にとコメントに書き残す事を選んだ、それで行こうと思う。


[はじめまして、マユの友人です。マユは君に散々振り回された挙句にこの世を去りました]

[マユが使ってたスマホで引き継ぎ登録させてもらいました。謂わばマユの形見です]

[本気で死のうとしている人間は記事に書いたりしません。気持ちに余裕が無いからです]

[マユは君の事で随分と悩み苦しんでいましたよ]


 レオニスから怒り狂ったコメントかメッセージが来るのが目に見えてるなと、ほくそ笑みながら『送信』のボタンを押した。



 あれから数日後。

 どうブログ内で炎上していったかを伝えるために、徳永を牛丼屋に呼び出した。同僚に店の割引券をもらった事と、車のローンを組んだ事で倹約化または倹約家を目指した事による。

 牛丼屋だがウナ丼を注文しウナギは日本産ではなく中国産だろうなと思いながらセットで味噌汁とサラダを付けた。徳永はサラダ冷麺で牛丼並盛を付けていた。

「……レオニスとは、戦ったわけだ」

「まあね。僕も言いたい事を言ってた。そしたらどうなったと思う」

「炎上したものに、終止符は打たれるか」

「打たれたよ。通報された」

 ぶっ、と、徳永が下品な音を立てて笑った。失礼、と言いながらも徳永はまだ笑っている。「アラシか。ジャニーズじゃない方の」くっくっくっ、と笑い続け涙さえ浮かべている。そんなにおかしいか。実は僕もおかしいと思っている。いやマジで。

「油断した。敵はレオニスだけじゃ無かった。レオニスを含め、何人だったかな……リカの関係者から次々に非難を浴びたよ。相手するのが大変だった。コピーを使いたかったがな。メッセージだと一対一で他人からは分からないから使えるが、コメントは他人の目に触れるから使えない。使うとそれにまた反感買うだろうしな……」

 僕は項垂れた。

「それはご苦労」

「僕は愚痴も誰かに送ってやったさ。『本人からでなく、こんな多人数がメッセージしてくるなんてリカさんはそんなに凄い人なんですか?』って。返事は無いけど」

「それは言えてる。それを突いたら意味不明だよな奴ら。言わなきゃ気が済まない連中なんだろな」

「全く……僕は何を相手にしてるんだ? 神か王か? 馬鹿げてる」

 お手上げだ、と両手を掲げた。溜息と。

 注文した物が運ばれてきた。見て空腹は増す。僕はウナギの一切れに噛みついた。

「中でもレオニスは厄介だろ。もっともらしい事を言い、人を誘導するタイプだ。実は一番頭が固いし感情的になり易い、だから一番厄介なタイプ。理解できてるつもりなら少しでも相手の要求を叶えて妥協しろというんだな」

「この場合、せめてリカに取り次いでくれと願うんだけど」

「恐らく、お前が言った事をそのまま正確ではなく、自分の所で歪められて伝えられる可能性が高い。文章をコピーして伝えるだけが正確ではない、感想文でも付けて言葉の通り『誘導』するのだろうさ。都合のいい様に。有利な様に。同情や同感を引ける様に」

「まるでマインド・コントロールさんだな」

「流行ってるだろ。冷麺美味いな」

 麺の上に載っている、細長く切ったキュウリやハムを交ぜて口へと運んだ徳永は満足そうに感想を付け述べた。冷麺が流行っているわけではない、店の方針で出したメニューにすぎない。

「リカからは音沙汰無しか」

「いや、何回かやり取りした。メッセージでもコメントでもな。だが……」

 僕は顔をしかめる。箸が止まった。「何だ」

「肝心な事を聞くと、決まってはぐらかされる。聞きたいのは山ほどあるが、その中でも、どうして思ってる事を言ってくれないかが気になる。マユに対してと僕に対してだ。厳しく追求して、やっと言ってくれたよ。マユに何で近づいたかと訊ねたら、友達になりたかっただけだって。なら何で申請を直ぐ許可しなかったんだって聞いたら」

「何て?」

「申請は、届いてないと言うんだ。だから待ってたって。でもマユは確かに送ったって書いて残してる。どっちも言い分が違ってるんだ」

「ふうむ……」

 徳永も箸が止まってしまった。僕は飯を食い始める。

「どちらかが嘘という事ではあるな。リカが怪しいが」

「逃れ、だな」

「まあ待て。システムのエラーかもしれないし」

「有り得るか」

「有り得る……が、そんなもの、履歴を見たらいいじゃないか?」

「無い。だからおかしいんだ。あればとっくにエラーだと分かるさ……」


 僕はリカとの直接対決で、リカに最後、君の考えてる事がこれでやっと分かった、マユに代わって世話になった分の礼は言う、ありがとうと告げ、これからはマユの分まで生きて下さい、それがマユの望みだっただろうからと。嫌々ながらも、僕は伝えた。

 リカは、私の中でこれからも生き続けます! と強気に出た。僕は、ああそうですか、どうぞお好きにして下さい、もう僕はあなたにメッセを送る事はありませんから、ではと……やり取りを、終わりにした。

 疲れてたんだと思う。

「リカの中に居たんじゃ、マユは浮かばれないんじゃないかと思うけど。僕はあまりそっちの事は知らないから」

 飯が少なくなって、僕は水を飲んだ。水と一緒に、ご飯は胃へと流し込まれていった。一方、冷麺を平らげて徳永は椅子にもたれて、ふんぞり返っていた。

「言葉が足りてねえな、その女。だからトラブる。言えば済む事なのに」

 徳永は無表情で、まだ口をモゴモゴと動かしていた。

「僕は、リカは鬱じゃないと睨んでいるんだ」

「ん」

「本当に鬱だったら、あんな風にブログに書いたりしてる余裕なんて無い。余裕が無いから鬱になるんだ。徳永、これを見てくれ。リカが書いてきた彼女の日記の一部だ。印刷しておいた」

 僕は鞄から、A4の用紙を数枚、束ねた物を出して徳永に渡した。「最近のだと、3件あるだろ。どれも短いが、読んでみろ」僕とのやり取りの後、リカが綴った日記。


[タイトル・あるブロガーさんから]

[○○さんを殺したのは貴女だと言うメッセ&コメがきた…私には存在する価値すらないのかもしれない…ただ私は○○さんからのブロフレ申請を待ってた…でも○○さんからの申請はなかった…そして○○さんはこの世を去ったと聞かされた…私にはどうする事もできない現実だった…できる事ならもう一度○○さんと話がしたい…できる事ならもう一度戻ってきてほしい…]


 身勝手な女だ。


[タイトル・あれから数日]

[あの日から数日が経ちました。だけどまだ何か自分が自分でないような気がする…ガタガタと音を立てながら心が壊れていってるのが自分で解るの…]


[タイトル・あれから]

[数日が経ったというのに○○○○○の私への攻撃は収まってくれない…○○○○○はブログ内で私だけでなく私の大切なブロフレさんの事まで攻撃しはじめてる…]


 自分の美化ばかりして。自分の事ばかりだ。僕は、リカにとっては排除したいゴミの様なものなんだろな。身勝手な女だ。こいつの何処がいい?

 僕には、リカを許せる事なんて到底無理だった。マユを殺したから。リカは、自分の手を汚さずにマユを死にやった。自分の方からマユと仲よくなろうとしてか、ブログタイトルを勝手に真似たり相談を持ちかけたり、マユを餌の様に食いついて、マユがおかしくなっているのに何もできず返事もせず待つだけなのか無視するのか、結局マユの自殺は止められなかった。

 お前のせいだ。

 いやそんな事はない。

 いや、お前のせいだ。

 頭と心の葛藤で、僕は気が狂いそうになる。


「鬱は……」

 食事を終えた僕達が黙ったままでいると、楊枝で歯をこすりながら徳永が話をし出した。

「薬の副作用でおかしくなったかも、って真優美さんは言ってたらしいな」

「え、ああ、うん」

 キョトンとして、僕は顔を見て聞いていた。

「俺は去年だったか、ネットで見た事があるんだよ。『抗うつ剤の使用は衝動性を高め、殺人などの凶悪犯罪を起こしたり、逆に自殺してしまう恐れがある』という、海外では1980年代から問題になっていた事実を、厚生労働省は数年前まで無視し、逆にマスメディアと一体になって、『うつは薬を飲めば必ず治るもの』『副作用はほとんど無い』などと宣伝してきた、っていう噂をな」

「そうなのか」

「何故、日本で精神を病む人の数が増え続けているのか。これだけ鬱病の薬が流通しているのに、と。それは、効果のない薬を出されているからだってさ。実は、自殺者の7割が精神科を受診している。つまり精神科に通ってる人の方が、自殺する割合が多いんだよって事だな。向精神薬を飲むようになって15年目の女性は、乱用していたわけでもなく、規定量を守って摂取していたのにも関わらず、一年後には激しい依存症になってしまった、っていう事実もある。ハルシオンは0.125mgの低用量使用の場合でも重度の精神障害が頻発する事が判明し、たった3週間だけ使用しただけでも、著しく不安を起こす人が多いことが分かっている。見る限りでは精神安定剤を飲んでいる人も粗暴になりやすく、突然ブチ切れてしまう事が多い」

「何だって」

「薬の危険性だ。ヘロインと変わらない。ヨーロッパじゃハルシオンは30年以上前からドラッグとして完全に麻薬指定されているんだぜ。日本じゃ、精神科医はいまだにハルシオンとかのベンゾジアゼピン系の薬物を気軽にかなり大量に処方しているらしい。ほとんどの日本人は、デパスやレンドルミンなどのベンゾジアゼピン系の精神薬が、ヘロインより禁断症状の強い、極めて危険な薬物である事を知らない。摂取をやめると異常に精神状態や体調が狂うから、やっぱり薬が必要なんだって勘違いしてしまう人が多いわけだ。真優美さんは、薬を飲んでいたみたいだな」

「な……」

「突発的なのがそれかもな」

 徳永はそう言うと、爪楊枝を置き、立ちあがった。「で、通報されて、ブログに入れなくなったわけだ? 運営に、危険人物だと判断されてアクセス禁止でも受けたわけだな。正しい判断だ、運営。運営も彼女達と一緒。自分の所を守るに必死なのさ。規約や規則、マナーといった、ルールにのっとり。曲げる者は介せず」

「徳永」

「ごっそさん。諦めず、今度いい弁護士でも紹介してやるよ。どうせたぶん、自殺だから警察は取り扱ってはくれないぜ」

 店先へ向かい、外へ出ようと歩き出す。


 閉ざされた閉鎖社会。僕は、何と戦おうとしてるんだ?

 神か、王なのか?

 興味のあると言った徳永、まさかお前なのか?


 僕の気が狂う。ああそうだな、僕は……

 真優美を愛してる。



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