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プロローグだけで満足  作者: 大地D


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4/8

何も当たらない男

昔から俺は運が無い


くじ引きで1番下の5等しか引けないし、週刊誌の懸賞も今まで100通くらいは応募してるが音沙汰は無い。


だが30歳を越えて人生を重ねていくにつれ、別段運が無いとかそう言うんじゃ無いとも思い始めてきた。

なんせ良い思いをしたことは無いが特に悪い思いもしてない


こう聞くと何も起きてないツマラない平凡な人生に聞こえてくるだろうな、ツマンないなんてもんじゃない!人生にっ!生活にっ!何もメリハリが無いんだっ!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の名前は布藤ぬのふじ あきら


歳は33で職業フリーターだ


最近自分の人生が幸も不幸も無い人生と気付いた


直近のエピソードとしては飲食店の限定メニューに引かれ行列に並んでいたら

目の前で「ここでラストで~す」と言われ列を切られてしまった事だ…

ここだけ聞くと不幸話だが、後日その行列店がニュースになってて

どうやら俺が並んでたその日に限定メニューで食中毒が起きていたというもんだ

まぁこれは幸とか不幸じゃなくて不幸中の幸いみたいだろうがな…


ここ最近は更に平坦っプリに拍車が掛かってる気がしてきてる

短期のバイト先で皆でクジを購入して、そんで当たりを山分けしようぜってなった時も1500円を5人で分けたもんな…

結局一人で買っても同じ300円の当たりだった訳だよ

何も変わらねぇ…


けどな昨日起きた事は今までとは少し毛色が違ったんだよな

バイト先に向かってる時に青信号をちゃんと確認して横断歩道を渡ってたら

猛スピードで車が突っ込んで来たんだよ…

絶対轢かれたって思ったが…


俺は今もこうしてキッタネェ古くさいアパートでくつろいでる


轢かれると思った時に目を瞑って身構えちゃったから

どうやって事故が起きたか細かいことは分からなかったが

他の通行人に警察が聴取してたのを聞く限りどうやら


「絶対にあの人轢かれるって見てたら、直前でいきなり車が横滑りしたんです!なんかこう…横からドンッて押されたみたいにっ!」


それを聞いた俺も警官もポカーンてしてたさ…

けど目撃者全員が口を揃えておんなじこと言うもんだから警官も渋々なんか紙に書き込んでたよ


その代わり女子高生が手を轢かれちまったみたいでな…

そりゃ…スゴい泣き声で、なんだか申し訳ねぇ気持ちになっちまったよな…

救急車が来てすぐに運ばれて行っちまった




いやぁ何も起きない起きても大したことにならない人生かと思ってたけど今回のやつはすげぇ得だなメッチャ幸運ってやつだ!(女子高生には申し訳ないが)

なんせ命拾いしちゃったからな!33にしてやっと人生にメリハリってやつが出てきたんだろうな


この俺に運が向いてくるって珍しい事は明日は大雪でも降るんじゃ無いか?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


メチャメチャ晴れた…真冬に珍しい20度越えの天気だ…異常気象極まれり…


テレビの天気予報も外してるし

いくら科学が発達したって当たらない時は当たらないもんだな

冬にこうも暑いのは情緒ってもんが無いから明日とは言わず夜くらいまでには冷えて欲しいもんだな


………寒い…メチャメチャ寒い…寒暖差やばぁ…

ボロアパートが昼間との温度差でパキパキピキピキ鳴ってる…

今日はバイトが休みで良かったぜ、昨日の事故でバイト先の店長に連絡したら3日休み貰えたんだよな…

まぁ休んだところで怪我してないし何もやることが無いんだけどな


あまりにも暇すぎるし大家さんから貰ったお古のスマホ(アパートのWi-Fi)でソシャゲでも始めてみたんだけどこれが酷いのなんのって、

ガチャってやつがインチキでよ!

100回回せば可愛い女の子が引けるとか書いてやがるのに100回どころか200回やっても出て気やしねぇ!

お問い合わせメールで文句言ってアンインストールしてやったわ!!


これが昨日の事故の幸運の揺り戻しってやつか?なんともちっちゃい不幸だなぁ!


あ~あ…やること無いから手遊び位しかやることがねぇ…

イライラしたから使えないスマホをポイっ

クッセェきったねぇ枕もポイっ

ゴミ箱に入らなかったティッシュもポイっ


全部狙ったところに当たらねぇ…全部外れた…

これは幸運とか不運じゃねぇな…


当たらないのか?


もしかして俺のこれまでの人生、当たらない人生だったのか!?

なんか腑に落ちるぞ…


クジに当たらない

食中毒に当たらない

車に当たらない

天気予報が当たらない

ガチャが当たらない

狙い通りに当たらない


うん…これだな…運じゃねぇ…

俺は当たらないんだ!!



いや、待てよ…昔はこうじゃなかったはずだ

子供の頃、キャッチボールは出来たし

後ろから来た車のサイドミラーに腕だけ弾かれて痛かった思い出もある

ゴミ箱に投げて捨てるなんて昨日まで8割の命中率だったぞ!


今日だけ肩の調子が悪いのか?


よしっポイっポイっポイっポイっ

なんでもかんでも色んなもんを投げてみても全部外れる…


これは異常だ…肩のじゃない…

当たらない事の方だ…


当たらない事をもっと検証しなきゃな!

俺が…俺の認識がオカシクなっちまったんじゃ無いのを調べなきゃだ!


何か当たらないものは無いもんかな



ズンッ!ズンッ!ズンッ!ズンッ!


くそっ!!こんな時にまた隣のやつが爆音でロックを流し始めやがった!


「おいっ!!うるせぇぞ!!!」


拳を壁に叩きつけ……れない!?


拳が…壁に…当たらない…

なんだこれ…壁に当たる直前に滑る…

なんかオイルまみれの空気の膜みたいな…

何て言うんだこの感覚は…


おいおい…マジかよ…壁ドンすら出来なくなっちまった…

うるせぇ音が止まない…外に逃げるかぁ…


スルンっ


あれっ?


スルンっ


ぁあ!?ドアノブも掴めねぇ!?

これは当たるとか当たらないじゃないだろ!!

くそっくそっくそくそ!!

こうなったら窓から出るしかねぇ!


窓は…開いてる!換気の為に数cm開けてたんだ!

これをどうにか指をねじ込めば当たらなくても開くはず!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はぁ…なぁんでこんなんになっちまったんだ…

自販機で飲みもん買おうとしても、ポケットの小銭に手が当たらねぇ…


なんだか手だけじゃなくて全身がなんかスルスル感じがしてきた…

服が風を下から受けてるみたいにフワフワ浮きやがる!?

ちくしょう!!身体が服に当たらなくなってきやがったんだ!!

このままじゃヤバいっ!町中で素っ裸になっちまう!


くそっ…どこか人目が無い所に行かないと!

あぁ!あれだっ!中華料理屋の路地裏!

あそこなら暗いし細いし人が通らねぇ!



ふう…入る直前に服がスルスル脱げて全裸なったのは焦ったぜぇ…

でももうここから出られねぇ…どうする…

あぁ目がボヤけてきやがった…くそっ…流石に疲れてきたか…


冬の夕方で日陰で全裸…寒みぃ…くねぇ!?寒くないぞ!?何でだ?

俺の身体がトコトンおかしくなっちまったのか!?


手がっ…手が透けてる!?

なんだぁ?足も透けてやがる!

くそっ鏡だ!なんか顔見れるもんは…


中華料理屋のラムネのビンか…これで見えるか?


あぁ…ちくしょうめ…顔まで透けてきやがった…

視界がドンドンボヤけてきた…

ボヤボヤするぜ…


あ…そうか…目が光を反射して捉える事が出来ないんだ…


光が当たらなくなってきたんだ


ってことは失明じゃないけど、あと少ししたら何も見えなくなる…


寒くないのも風が…気温が…

身体に当たらないのか


そういや中華料理のいい匂いもしねぇ…

鼻腔に臭いが当たらない


とても静かだ…

音が鼓膜に当たらない


もう何も見えない

光が当たらない


俺は立っているのか?

地面の感覚が足に伝わって来ない

足は地面に当たっているのか?


もうどうすることも出来ない…

立ってる感覚はある

けど動いてる感覚がない

何も知覚出来ないんだ…

なんせ当たらないからな


服がスルスル脱げたみたいに

俺が地面に当たらず滑っている状態だったら…

俺はどこまで行くのだろうか?


なににも当たらない

壁にも地面にも空気にも光にも

人にも音にも匂いにも


何かが当たりそうでも俺はスルンって当たらないだろう

光に当たらず透明人間になってしまった俺は

なににも当たらず誰にも気付かれなくなる


あぁ…当たらない…


当たり障りのない日々が過ぎると思ってたのに…

観……録03-UP

………象に不当…を付…

…対…………困難

実……放棄…次……験………ト

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