資料 三
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【魔力による治療について】
◾︎自己回復技法
魔力により自身の治癒能力を活性化させ、傷ついた部位の再生を促進する技術である。
また、魔力は炎症や免疫反応を抑制し、傷の周囲の組織が正常に再生されるのを助ける効果も持つ。
魔力を保有する者であれば、自律的にある程度の治癒能力の活性化が可能であるが、意識的に魔力を流すことでより高い効果を得られる。
ただし、魔力の性質は個人によって異なるため、治癒に特化していない魔力質を持つ者も存在する。
研究は未だ途上であり、詳細なメカニズムは完全には解明されていない。
◾︎他者治療技法
魔力を流し込むことで相手の細胞や組織を直接修復し、傷の治癒を促進する技術である。
他者の体内で魔力を正確に操作する必要があるため、自己回復技法に比べて格段に難易度が高い。
また、深い傷や重症の場合は特に魔力量の消費が大きく、十分な魔力量を持たない者には治療が困難である。
この技法を使用するには、潤沢な魔力量・高度な魔力制御能力・人体構造の理解・治療に適した魔力質――の四つの要素が必要である。
さらに、他者治療技法を扱えるのは国家認可のライセンス保持者(治癒士)のみであり、未熟な者が行うと傷を悪化させる危険がある。
そのため、高位ライセンス保持者は希少で、全職種の中でも高所得者になりやすい。
著書『分かりやすい魔力の話 -魔力の活用編-』から抜粋
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