くちばし
いつもとは全く変わった小説です!純文学も面白いもんですね!
「意味わかんねぇ」友達のカナタはいつもそういう。勉強も遊びも会話も何もかも。僕は何も考えずそんな発言をするカナタはバカだと思っていた。
ある日の夕方の帰り道。カナタがこんな話を持ち出して来た。「なぁなぁ『カモノハシ』っていう動物はなんでくちばしがあるんだ?意味わかんなくね?」僕は答え方に迷った。僕も知らないことだからだ。僕はテストはいつも90点以上。運動も人並み以上にはできる。でも、そんなことを考えたことも無かった。「きっと鳥類みたいに食べ物を食べるために使うんだよ。」と答えた。しかし、カナタは納得のいってない様子で「じゃあカモノハシはなんで『ほにゅーるい』なんだよ?意味わかんねぇじゃん!」「それは…」僕は答えられなかった。だから適当に誤魔化した。しかし、カナタはそれを真に受けてしまった。そこからカモノハシが哺乳類なのは「ほとんど人間と同じ構造をしているから研究者が勘違いした。」というデマが学校中に広まってしまった。
1週間後。理科の先生がこういった。「カモノハシが哺乳類なのは、『親が子供を育てるから。』という理由で人間は関係ありませんよ」と言った。僕の顔はきっと真っ青だろう。周りの人がみんなこちらを睨んでいる様な気がした。
家に着き真っ先に自分の部屋へ行き布団に潜り込んだ。僕はデマを流す人間として広まっているに違いない。そう感じると怖くなり学校に行けなくなった。
あれから3ヶ月後。僕はずっと自分の部屋とトイレを行き来するだけの生活を繰り返した。何度も先生やクラスメイトのカナタが訪問に来たらしいが僕は無視して引き籠もり続けた。
久々の外だ。もう走り方を覚えていない。足が重い。低学年からも冷たい視線を感じた。クラスメイトの顔を見つけると即座に隠れた。「やっぱり学校になんて行きたくない!!」僕の心の中はそんな気持ちでいっぱいだった。しかし、そんなとき急に僕の体が前に進んだ。僕は体が傾きそのまま転んだ。上を向くとカナタだ。「意味わかんねぇ」僕は罵倒される覚悟ができた。「たった1回の嘘で俺らがお前ん事を嫌いになると思ってんの?」と震えた声で言っていた。僕は泣いてしまった。カナタは目を軽く擦りこう言った「カモノハシのくちばしは電気の信号を送ってるんだとよ。餌を探すのに役立つらしいぜ」と。僕は驚いた。あの頭が悪いカナタが!?と。
僕は「バカはどっちだよ」と自分に問いかけた。
↓他の設定↓
小学5年生
僕(語り手)→運動3/5、勉強5/5、精神弱め
カナタ→運動5/5、学習0.5/5、友達思い
比喩とか反復法とか擬人法とか意識してないので小学生が作ったみたいになってますがご了承ください。