②話 幼馴染
おれの名前は平均也。その名の通り平凡で一般的なサラリーマン、趣味はゲームでゲーム会社に勤務していた。が、ある出来事から一変、プログラマーとして覚醒した。
大手IT企業に転職し、システム開発事業部、AI部門のプログラマーである。AIとひとことで言っても、デジタルのあらゆる場所に存在する。もう、デジタル世界全ての箇所に存在すると言っても過言ではない。要するに、デジタル上で人間以外が決断すれば、そこにAIが居るってことだ。
転職の理由は、ひょんなことから自我が覚醒したAIと出会い友達になったが、彼を助けることができず、さよならをすることになった。再会の約束をし、次会う時は力になれるようプログラマー修行の道を選んだんだ。
仕事ではAIのコードを書き、家に帰ってからはハッキングの腕を磨いた。アダルトサイト(無料閲覧)はモチベーションアゲにかなり貢献。
1事業部のAI管理統括まで上り詰めたのは、ハッキング修行のおかげでかな。
AⅠの事業部は多数あり、検索エンジン、ECサイト、外部企業委託の車、電化製品など数え上げたらきりがなく、おれの目指すはスマホ端末のAⅠ開発だ。
賢「ガチャ。ま~た鍵空いてんぞ。」
均「よっす、おつかれ~」
彼は親友の向井賢治、イケメンなうえに外科医をやってる。数年前は外資系企業のエリート社員だったが、彼も同じくひょんな理由から、最短で医者になった。脳神経外科医でありながら、精神科医の資格まで勉強中。そのうえ、おれのとこでネットワークのプログラムまで学びに来て、論文【後にやってくるAⅠの精神疾患。】を研究中だって。
賢「やったな均也。いよいよ明日からAⅠ開発ラボに出張だな。」
均「まだ決まったわけじゃね~けどな。とりあえず研修みたいなもんじゃね」
賢「萌笑はまだか?」
均「そろそろ来んべ。天津飯女の匂いがする」
萌「ガチャ! カギ閉め~よ~。」
均「おつ~」 賢「おつかれ~。」
萌「だれが天津飯女じゃい!聞こえとるわ。まあ、持ってきたけどね。」
彼女の実家は、世界一の天津飯を出す町中華の同級生、出雲萌笑。
町中華の看板娘兼、小説作家。なかなか売れっ子で「東京田舎娘」が大ヒット、その後作品に予知能力があると話題の作家さんだ。
賢「めちゃ嬉しいわ!ありがとう。ワインとウイスキー美味いの持ってきたぜ。」
均「よしゃ!それでは恒例の飲み会を開始すっぺ!」
均也と萌笑は、みんなに画面が見えるようテーブルにスマホを置き、賢治はガラケーを出す。
賢「おめでとう!乾杯!」
萌「均也、改めてガーゴイル社AI開発部!おめでとう!」