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深緑眼の魔女  作者: 岳胡舞
1/1

プロローグ

あまり機能に慣れていないので、打ちミスがあったりするかもしれませんが、温かい目で見ていただけると幸いです。

“美しいが恐ろしき帝国一の悪女”

そう言われて嫌われた私ー悪女、蓮華は親友の元を訪れていた。

悪女と言っても、親友に濡れ衣を着せられた悪女なのだが。

昔は仲良く田んぼで遊んだ中だが、私と親友は地元の領主に拾われ、努力の末、都で地位を得た。

私は久しぶりに親友との再会を喜んだが、親友はそうではなかった。

「潔く死ぬがいいわ!」

恨めしそうな顔の彼女が短剣でついた先には、私の心臓があった。

薔薇の花びらよりも赤い血が多く出ると引き換えに、私の命は消えていき、

最期に見えたのは満ち足りた笑顔を向ける女だった。

「何故⋯⋯?私を殺す、、理由、、がっ?私達はっ、、親友で、、しょ、、。」

「はぁ。本当に五月蝿いわね。」


グサッ


私は殺された。最愛なる親友であり私を悪女に立てたー華李の手で。

    ◆✴︎◆

『王都 リーシェにて』

「皆様ーっ!シェーリアのポーションはいかがですかーっ!」

太陽の灯で一層輝く銀髪の少女が声を上げると周りには早くも人だかりができた。

「今日は特売日!ぜひ皆様、王都1のポーション屋、シェーリアへっ!」

少女の手が指す方角には、質素ながらも高級店のような雰囲気が漂っていた。

王都の大通りに建つこの店の前を通った多くのものはその店の門を潜った。

要するに、人気なポーション屋である。

笑顔を振り撒く銀髪の少女、レイネはこの店の看板娘であった。

2時間も過ぎるとあっという間にポーションは売り切れ、閉店の看板がかかった。

「姐様っ!今日も大盛況でしたね!」

客がいなくなった店のカウンターでレイネと、黒髪で緑の目を持つ女性、カーリェ・フェリアは昼食をとっていた。

「えぇ。よかったわ。これも全部レイネのおかげね。」

「いえ!全部姐様のおかげです!!」

「そう?有難う。」

カーリェは微笑むと食器を片付け始めた。

「あ!私もお手伝いします!!」

そう言って食器を片付け始めた時、キィと軋んだ音を立てながら戸が開いた。

「どちら様で?」

レイネが戸を開くと、かっぷくの良い中年のオッサンが出てきた。

「ここの店主を出せ。話がある。」

そう小太りな客が言うと、カーリェはカウンターから店の入り口まで歩いて椅子に座るよう勧めた。

「話というのは?」

「ここの店を金貨500枚で買い取らせてくれないか?」

「そういう話でしたら、お引き取りください。当店はー」

「金貨1000枚なら?」

「お引き取りください。」

「いくらでも払うとしたら?」

「お引き取りくださ、、、」

カーリェが言い終わる前に小太りな客の後ろからさっと筋肉ムキムキのこれまたオッサンが出てきた。

「売らないというのなら、力尽くで行こうかね。」

(やばい、、、)

熟練のポーション屋の店主であっても、1人の女性であるため、力の強い男性には勝つことは難しい。

ポーションが余っていたら勝てたかもしれないが、完売してしまっていてない。

「どうすればっ⋯⋯⋯」

少しの間沈黙が流れたが、その沈黙を破る声が響いた

[消し去れ。]

一瞬ピンと魔力が張られる感覚がすると、次の瞬間おじさん達こと糞野郎どもが一瞬にして消えた。

(魔力の気配を感じた。さっきのは魔法。でも誰が?)

魔力が放出された先を見ると銀髪で碧色の目をしたいわゆる美少女がいた。

「えっと、、どちら様で?」

レイネの言葉を無視してズカズカと少女はリーファの前に来てそっと紙切れを置いた。

指先ほどの何の変哲もない紙切れだ。

するとくるりと店の戸へ向かって

「では失礼しました。」

と言い残し大通りへ出ようとするので、呆気に取られていたリーファは慌てて

「ちょっと!!まだ助けてくれたお礼も言えてなくってよ!!」

一連の出来事が早すぎて気づくのが遅れたが、美少女は危機的状況から助けてくれた恩人である。

大通りを走ったが美少女は雲のように消え去っていた。

(行っちゃった。それにしてもどこかで見たことがあったような⋯⋯)

久しぶりに走った反動で出た荒い息を吐きながら、そんなことを考えていた。

   ◆✴︎◆

店に帰ってきたリーファは先ほどの美少女が置いていった紙切れを見ていた。

「何も書いてないわね。」

「ないですね。」

2人は紙切れをじーっと見つめるが一向に文字が見えない。

「魔法で見えないようになっているのかしら。」

何度も考えたがずっと紙切れは白紙のままだった。

   ◆✴︎◆

時は遡り5年ほど前ー

(痛い)

数秒前に刺された心臓がズキズキと痛む。

蓮華は薄れてゆく意識の中、何故かほんのりと体があったかい。

ぬくもりに包まれながら蓮華は目を閉じた。

   ◆✴︎◆

「ん⋯⋯⋯」

(私はどうなったの?)

がばっと起き上がると見知らぬ素朴な家の中にいた。

先程まで流れていた血や痛みはすっかり完治し、心なしか体が軽い気がした。

(もしかして助かった!?)

喜びと驚きを隠せずニヤけながら外傷がないかそっと鏡を覗くと。

(まって。誰よ。こいつ。)

そこには銀髪で深緑眼、今まででは絶対に見たことのない美少女がそこにいた。

肌も白くて綺麗で、こちら女神です。と言われても納得のレベルだ。

歳もおそらくまだ5歳ほどでまだ成長の余地があるため、未来にどのように成長するかを考えてもうっとりしてしまう。

そんな容姿にうっとりと見惚れていると、古そうなドアが開いた。

古そう、というよりも、罪人を閉じ込めておく場所の格子のようなものに似ている。

「番号605。レイカ・シェート。裁判の時間だ。ほら。とっととこい。」

「え?」

(レイカって誰?しかも裁判?)

「おい、早くしないか?!!」

警備員らしき男に引っ張られそうになりなると、恐怖心が込み上げてくる。

何の裁判かわからないが、裁判でどうなるかもわからない、最悪の場合、極刑だ。

それに加えて、今自分が誰だかもわからない状況で平然としていられるほどの精神を蓮華は持ち合わせていない。

「来ないで!!!!」

警備員らしき男をひっぱたくと男が倒れたのでがむしゃらに走った。

(もっと。走んないと)

消えない恐怖心に囚われながら、ただ走り続けるのだった。

そばにあった階段を駆け上がる。

蓮華は17歳とは言え、何故だかはわからないが体が5歳児のため、息が辛い。

「あっ。」

(嘘っ!!)

階段をずっと走るうちに空が見えてきた。

最上階というわけだ。

「いたぞ!捕まえろ!!」

背後から警備員らしい男が数人近づいてくる。

しかしここは最上階。落ちたら死。捕まってどうなるかもわからない。最悪死ぬかもしれない。

そう思いつつも恐怖心が勝っているのでがむしゃらに走り続けてしまう。

しかし、塀があるため先に進めない。

降りることはできるし、塀を飛ぶこともできる。

(でも、どっちにしろ最悪死ぬ。)

1人考えてるうちに背後まで警備員の男たちが迫ってくる。

ただでさえ頭がパンクしかけているのに恐怖心が入って来てどうすればいいのかわからない。

軽いパニックだ。

追い討ちをかけるように、ジリジリとにじり寄ってくる男たちに捕まらないように、レイカもジリジリと後退する。

「あっ。」

後退して行った先にはただの虚空があった。

レイカの体は一定のスピードで落ちて行った。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

誤字等がありましたら、教えていただけると幸いです。

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